こたつは一度使うと毎年恋しくなるもので、こたつで食べる冷たいみかんやアイスはひと際美味しく感じます。優しい暖かさについ寝てしまい、ひと晩中つけっぱなしにしたときは電気代が気になりますね。こたつの電気代がいくらなのか、他の暖房器具との比較、上手に節約しながら他の暖房との併用方法を紹介します。
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冬のマストアイテムこたつの電気代は?つけっぱなしの電気代を調査!
電気代はこたつユニットの種類で違う!適した暖房機能を知ろう
こたつは家具としてのテーブル部分(やぐら)と、発熱するこたつユニットの部分に分かれています。日本ではメトロ電気興業のこたつユニットが主流で、こたつ販売大手の山善ではメトロ電気興業のユニットを全機に採用しています。こたつユニットは、U字石英管式ヒーターと面状カーボンヒーターがあり、どちらもぽかぽかと暖かい遠赤外線を出すことで暖を取ります。
U字石英管式ヒーターは遠赤外線をたくさん出すために、線を長く取りU字で設置されていることが特徴です。そのため消費電力(W)が高くなると暖かさも増すと考えることができます。面状カーボンヒーターは、石英管式よりも遠赤外線の発熱量が多いので、同じ消費電力でもより暖かく感じられます。
しかし面状カーボンヒーターの出力は300Wで、それ以上の出力のヒーターはこたつには採用されていません。そのため、こたつが大型になるほどパワー不足を感じやすい面があります。今回は、300W、500W、600Wと3段階から選べるU字石英管式ヒーターを搭載したこたつで電気代を比較していきます。
こたつを1時間使ったときの電気代は意外と安い!
こたつの消費電力は、ヒーターのパワーにより変動しますが、最大でも600Wくらいまでが一般的です。実際に山善より販売されているリビングテーブルこたつGIN-1070 を参考にすると、消費電力は300W、電気代は1時間あたり強運転で約4.3円、弱運転で約2.2円です。
使い始めは強運転で1時間、その後弱運転で2時間の合計3時間使用した場合、「4.3+(2.2×2)=8.7円」と、10円かからずに暖まることができます。消費電力300Wから計算すると、「300W÷1000×1(時間)×27(電力量単価)=8.1円」と、数値が異なりますが、300Wはスイッチを入れてから暖まるまでにかかる消費電力なので、実際の運転中の消費電力とは異なります。
運転中の消費電力は強運転で約160W、弱運転で約82W、こたつは消費電力から見ても、冬の暖房器具の中で電気代が安い家電だといえます。では、こたつでうっかり寝てしまい、ひと晩中つけっぱなしにした場合は、どれくらいの電気代になるのか見ていきましょう。
うっかり寝ちゃった!こたつひと晩中つけっぱなしの電気代を計算
こたつをひと晩中つけっぱなしにしてしまったとき、電気代はどれくらいかかるでしょうか。夜8時から翌朝8時まで12時間つけっぱなしにしたときの電気代を計算してみましょう。単純に計算すると強運転で12時間なら4.3円×12時間=51.6円、弱運転では2.2円×12時間=26.4円です。ですがつけ始めは強運転で1時間、あとは弱運転だった場合、4.3円+2.2×11時間=28.5円となります。
気温が低くて寒い日なら、強運転の時間が長くなることも考えられるので、こたつを12時間つけっぱなしにした場合の電気代は、高くても50円くらいと考えていて良いでしょう。ひと晩中つけていても50円くらいの電気代なら、一人暮らしの方や電気代が気になる家庭にも優しい家電ですね。
またこたつには、温度を一定に保つサーモスタット機能か、それに準ずる温度調整機能が付いています。エアコンで言う自動運転に近い働きがあり、一定温度になると自動で電源がOFFになります。そのため実際の電気代は計算上よりも安くなると予測できます。ですが、こたつで寝るのは低温やけどや風邪をひく原因になるので、なるべく避けてくださいね。
こたつをつけたり消したりすると電気代はどう変化するか調査
こたつは一定温度の加熱が続くものではなく、サーモスタット機能により、一定温度以上になると電源がOFFになります。自動でOFFになると、その分の電気代を節約することができます。ですが、手動でつけたり消したりする場合、状況によって電気代は変化します。
例えば、気温が低くて寒い日にこたつの電源を手動OFFした場合、こたつ内部の温度は徐々に下がり、次につけたときは最大消費電力で一定温度まで暖めることになります。300Wのこたつの場合で8.1円かかり、強運転時の倍の電気代がかかってしまいます。
これを2時間おき、3時間おきに繰り返せば、つけっぱなしでサーモスタット機能による運転よりも電気代は高くなります。何度も手動でつけたり消したりするよりも、こたつ内の温度を保つ機能を活用する方が、トータルで電気代を安く済ませることができます。
こたつ布団なしで使える布団レスこたつの性能と電気代
こたつと言えば、やぐらにこたつ布団をかけて使うのが一般的ですが、近年ではこたつ布団不要の布団レスこたつが販売されています。ニトリの布団レスダイニングこたつ(スフィーダN150)は、こたつ布団が無くてもヒーターでぽかぽか暖かく、食べ物や飲み物をこぼしても布団を汚す心配もない、スタイリッシュな使い方ができることが特徴です。1時間の電気代は強運転で9.7円、弱運転で3.2円と、強運転時は山善のこたつの倍以上も高いです。
布団の管理も不要で、年間を通してテーブルとして使えるなど、片づけ要らずで楽になるメリットがありますが、本来のこたつは、こたつ布団で限られた空間を作り、その中を暖めて暖を取る仕組みです。空間を遮らないことは、速暖効果や布団レスこたつだけで暖まることは期待できない側面があります。布団レスこたつは、ある程度部屋が暖まっていて、補助的に足元を暖める場合に適していると言えます。
こたつ布団に入る行為がないと、こたつに入った気がしないという、こたつ愛用者には物足りないかもしれませんが、スタイリッシュなこたつ、イスでもこたつを使用したい方におすすめのモデルです。床に座ることが困難な高齢者やイス文化の外国人にも使いやすいでしょう。
こたつと冬の暖房器具の電気代比較!上手な併用方法を紹介
こたつは冬の暖房器具の中でも、電気代があまりかからず安く使えることが魅力です。ほかの冬の暖房器具とはどのくらい電気代が違うでしょうか。電気代の違いと、ほかの冬の暖房器具との上手な併用方法を紹介します。
こたつとファンヒーター電気代を比較
冬の暖房器具の中で、速暖効果があるものと言えばファンヒーターです。ファンヒーターでも石油ファンヒーターコロナ FH-G3618BYとセラミックヒーターパナソニックDS-FS1200を参考に電気代と併用方法を紹介します。1時間当たりの電気代を比較してみると、電気代が安いと思っていたこたつよりも、石油ファンヒーターの方が安く、セラミックヒーターは石油ファンヒーターの約53倍も電気代が高いです。
電気代比較 | リビングテーブル こたつGIN-1070 |
コロナ FH-G3618BY |
パナソニック DS-FS1200 |
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1時間あたりの電気代 | 強運転 4.3円 |
弱運転 2.2円 |
強運転 約0.6円 |
弱運転 約0.3円 |
強運転 約31.6円 |
弱運転 約17.3円 |
消費電力 | 160W | 82W | 22W | 10W | 1170W | 640W |
電気代だけで見ると、石油ファンヒーターが最も電気代がかかりませんが、石油ファンヒーターは石油代がかかります。安定的に安い電気代で使えることを基準に考えると、この中ではこたつに軍配が上がります。
こたつとファンヒーターのおすすめ併用方法
こたつとファンヒーターを併用するときは、始めにファンヒーターを付けて部屋全体を暖めることがおすすめです。ファンヒーターの設定温度は少し低めの18~20度くらいにしておきましょう。こたつは始めは強運転でも暖まったら弱運転に切替ることで、電気代を無駄なく節約できます。ファンヒーターは部屋全体が暖まったら消すことも良いですが、弱運転のまま室内温度を維持することも良い方法です。
また、こたつ内をすぐに暖めたいときは、ファンヒーターの温風を使うことも有効な手段です。本宏製作所 省エネ温風パイプ だんらん稙毛フレキシブルダクト をはじめとするこたつ用パイプを使って、こたつ内に温風を取り込めばこたつの電気代0円ですぐに暖めることが可能です。使い方はいたって簡単、こたつ用パイプをファンヒーターの温風吹き出し口にセットして、反対側をこたつ内に入れるだけでOKです。
ファンヒーターから温風が吹き出した直後から暖まるので、部屋と足元の両方を一気に暖めたいときは、こたつ用パイプを併用した使い方がおすすめです。こたつ用パイプは、1つ3,000円前後から購入でき、外側まで熱が伝わらないタイプや、コンパクトに折りたたんで収納できるタイプがあります。外側に植毛してあるタイプだと外側まで熱くなりにくいです。
こたつとオイルヒーターの電気代はどちらが高い?1日8時間で比較
オイルヒーターは燃焼を伴わない安全な暖房で、部屋全体を優しく暖めることが特徴です。オイルヒーターは赤ちゃんや高齢者、動物がいる家庭でもおすすめの暖房で、デロンギ ユニカルドオイルヒーターRHJ65L0712を参考に1日8時間使用した場合の電気代を比較していきます。
電気代 消費電力 |
リビングテーブル こたつGIN-1070 |
デロンギ ユニカルドオイルヒーター RHJ65L0712 |
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運転の強弱 | 強運転時 | 弱運転時 | 強運転時 | 弱運転時 |
1日8時間連続使用 電気代 |
34.4円 | 17.6円 | 約259.2円 | 約108.0円 |
消費電力 | 160W | 82W | 1200W | 500W |
強運転時で比べると、オイルヒーターはこたつの約7.5倍も電気代が高く、弱運転でも約6倍高いです。この電気代は8時間連続運転した場合で計算していますが、実際はこたつもオイルヒーターも、自動で温度調整し、強運転と弱運転(オイルヒーターは中運転も)が切り替わるので計算上の電気代よりも安く使えます。オイルヒーターは部屋全体、こたつは限られた空間のみ暖めるという違いを考えると、電気代だけで比較するのは難しいことです。
部屋全体をオイルヒーター、足元はこたつがおすすめ
こたつとオイルヒーターを併用する場合、オイルヒーターは窓際に設置して自動運転、こたつはテレビの前など普段最も過ごすところに設置して、併用することがおすすめです。オイルヒーターは、熱が逃げやすく寒気を取り込みやすい窓際に設置すると、寒気の取り込み防止にも役立ちます。
こたつは、こたつ敷布団の下に断熱シートを敷くと床から熱が逃げにくくなり、寒気も感じにくくなります。こたつ内の温度を一定に保ちやすくなるので、電気代の節約につながります。
ホットカーペットとこたつの電気代を比較!
ホットカーペットは電気カーペットとも呼ばれ、カーペットの中に電線を通して電気を流し、カーペットの表面を暖める暖房器具です。部屋全体を暖めるのではなく、カーペットの表面を暖めるので、ヒーター類よりも消費電力は少ない傾向です。パナソニック DC-2NKB1 2畳相当と、パナソニック DC-3NKB1 3畳相当を参考にこたつの電気代を比較してきます。
電気代 消費電力 |
リビングテーブル こたつGIN-1070 |
パナソニック DC-2NKB1 2畳相当 |
パナソニック DC-3NKB1 3畳相当 |
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運転の強弱 | 強運転時 | 弱運転時 | 強運転時 | 中運転時 | 強運転時 | 中運転時 |
1時間あたり電気代 | 4.3円 | 2.2円 | 約9.0円 | 約6.2円 | 約12.7円 | 約9.0円 |
消費電力 | 160W | 82W | 定格490W | 定格710W |
強運転時で比較すると、ホットカーペットの電気代は2畳相当でこたつの約2倍、3畳相当で約3倍高くなります。中運転時でもそれぞれ約3倍、4倍と高くなります。電気代はホットカーペットの方が高くなりますが、こたつ布団の管理が面倒な方にはホットカーペットの方が扱いやすいです。半面・全面で使用できるモデルもあるので、使い方次第では便利な家電です。
ホットカーペットは併用しなくても毛布1枚で暖が取れる
ホットカーペットはこたつとの併用でも使えますが、ホットカーペット単体でも十分に暖を取ることが可能です。ホットカーペットの上に毛布を1枚かけて、ホットカーペットと毛布の間に入り込むと、下からはホットカーペットの熱、上からは毛布の暖かさで暖が取れます。こたつとは異なるものの、同じように限られた空間で暖を取ることができ、1度座ったら動きたくなくなるほど暖まります。
ホットカーペットの下に断熱シートを敷いておくと、床から熱を逃さず、強運転を中運転にしても十分暖かさを感じられるでしょう。1時間あたり3円前後の電気代節約になりますね。
一人暮らしならエアコンより電気代がお得なこたつを活用しよう
一人暮らしの方は、部屋の間取り・収納スペースの関係から、エアコンの暖房を中心に使う方も多いのではないでしょうか。ワンルームに住んでいる場合、スペースの関係からこたつは敬遠することもありますね。ですが近年では、そんな悩みを解消するこたつが登場しています。山善 ピタ高こたつWEX-F80H4は、足の長さを調節できることが特徴のこたつです。
サイズはコンパクトなラインナップで、80×80センチ、105×75センチ、120×80センチから選べて、冬はこたつとして、こたつ布団を外した後は足の長さを調節してテーブルとして使うことができます。最小80センチのサイズならワンルームでも使いやすいでしょう。冬の暖房をエアコンからこたつ中心にシフトすると、電気代を安くお得にすることができます。
変わらない電気代でも安全のために古いこたつは最新製品に買換えよう
こたつは古くは室町時代から使われていたもので、現代では300W~600Wの製品が中心です。近年ではサイズや形も幅広くなり、楕円や円形のこたつも人気があります。デザイン性は進化していますが、消費電力は、20~30年前からほとんど進化しておらず、そういった意味では古いこたつでも十分暖を取ることが可能です。
ですが、20~30年も前のこたつは安全面での不安があります。まだまだ使えるとしても配線がショートしたり、低温やけどしやすいなどの心配があるので、最新モデルへの買換えをおすすめします。省エネ性能が高い、足の長さが調節できるなどの機能性も加わったこたつ、こたつユニットが出っ張っていないフラットなものなどもあるので、ぜひチェックしてみてください。