「奈良県」の電力自由化はどうなっている?
奈良県の電力事情
奈良県の電力使用量は全国第28位です!
奈良県の電力消費量は、平成20年の調査によると3,238GW/h(100万kWh=1GWh)でした。電力消費量の総量は都道府県別でみると第28位です。県の人口は全国第29位と近いランクとなっており、人口に比例する電力の使用量となります。消費量の内訳をみると、家庭用の消費量が産業用をわずかに上回っています。奈良県には神社仏閣や遺跡が多いため観光産業が発展していますが、大規模な工場等はほとんどないため産業用の電力消費量は低い値となっています。また、観光客数は多いのですが宿泊施設が圧倒的に少ないため、主要産業の観光業においても電力消費がさほど多くならないようです。
産業用の電力消費量は全国第40位です!
電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に3,204GW/hだった奈良県の電力消費量は、平成19年には3,306W/hまで増えています。しかし、平成20年には3,238GW/hまで減らしており、省エネ化が効果を表しつつあります。産業用の電力使用量は全国で第40位と平均を大きく下回るランクとなっており、観光産業が経済の中心である奈良県の特徴を表しています。
奈良県民1人当たりの電力消費量は2,280kW/hです
奈良県の人口は平成22年10月時点で1,400,728人と全国で29番目の人口数でした。電力の消費量は3,238GW/hであるため、1人当たり2,280kW/hとなります。都道府県別では第22位と平均以上のランクとなっています。県内総生産は3兆5,500億円(平成22年度) と全国で37番目の経済規模で、産業用の電力使用量が少ない奈良県ですが、県民1人当たりの電力消費量は全国平均を超えています。
近畿地方の中での奈良県の電気事情
奈良県の人口は減少し続けています
奈良県の人口は1,400,728人で全国第29位ですが、同じ近畿地方の京都府の半分程度の人口数です。国勢調査のデータによると、平成12年頃までは右肩上がりで増え続けていた人口が近年は減少傾向に転じており、平成17年から平成22年までの5年間で2万人以上減っています。特に、三重県、和歌山県と接する地域では減少率が高く、増加しているのは大阪府と接する生駒市、香芝市など少ないエリアです。人口減少の要因は少子高齢化による自然減少であると考えられます。
奈良県民の電力消費量は近畿地方の平均以下です
1人当たりの電力消費量に関しては、奈良県は全国で第22位(2,280kW/h)と平均を超えるレベルですが、同じ近畿地方でみると、和歌山県は第4位(2,550kW/h)、京都府は第5位(2,486kW/h)、大阪府は第15位(2,352kW/h)、兵庫県は第18位(2,309kW/h)等となっています。これらの数値から、奈良県民は比較的電気を使わない人々であると言えます。
奈良県民の電気の使い方
奈良県では省エネルギー対策が充分ではないようです
奈良県は典型的な盆地気候であるため夏はかなり蒸し暑く、最高気温が37℃を超える地域が多くあります。また、県全体で冬の寒さが厳しく、底冷えがする京都の盆地よりも気温が下がり、地域によっては冷え込みが3月頃まで続くこともあります。こういった環境であるため、奈良県では家庭において冷暖房等の電気製品を使用する日数が多くなり、自ずと電力の消費量も上がって行きます。日照時間があまり長くないこともあり、住宅用太陽光発電システムの普及率をみても3.4%と低い値です。奈良県は近畿地方のなかではあまり電気を使わない県ですが、今後さらに省エネルギー対策を進めて行く必要があるでしょう。
奈良県の電力自由化の影響
奈良県民は電力自由化に大きな期待を寄せています!
県全体の電力消費量は全国で29番目というレベルの奈良県ですが、更なる電力消費量の削減を目指し、自治体が中心となって省エネルギー対策を推進しています。各家庭においてはより一層の節電・節約を進めて行きたいと考えているため、奈良県民は「電力自由化」に大きな期待を寄せています。
電力自由化ってどういうこと?!
これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。
公共施設ではすでに電力自由化の恩恵を受けています!
奈良県では関西電力の料金値上げという問題もあり、早くから自治体における電力調達において新電力を含めた競争入札を実施して来ました。川西町では、平成27年度に町役場など6つの施設の電力供給元を新電力に切り替え、約1,000万円のコスト削減に成功しています。このように、これまで関西電力が電力の供給を独占してきたエリアでは「電力自由化」に伴い積極的に新電力を採用しています。多くの自治体でコストの削減につながっているため、今後さらに新電力の勢いが増すであろうと予測されています。
産官民が一体となって省エネ化の推進に取り組んでいます!
奈良県では、平成27年に「省エネECOチャレンジ」と名付けた県内の事業所と県民を対象とするコンテストを実施しました。積極的に節電に取り組み、優れた成果を上げた事業所及び県民を表彰しています。また、それらの取り組みの事例を県民に広めて行くことにより、奈良県において「楽に、楽しく、快適に有意義な節電スタイル」が普及できるようPRしています。さらに奈良県では、「奈良県資源とエネルギーを大切にする県民推進会議」を開催するなど、産官民が一体となって省エネ化、地球温暖化防止に役立てるよう努力しています。
賢い選択でより良い生活を手に入れましょう!
奈良県の自治体ではすでに「電力自由化」の恩恵を受けていますが、家庭向けの「電力自由化」がスタートしたことにより、今後は家庭においても多くのメリットを感じることができるでしょう。県内の多くのPPS(特定規模電気事業者)がそれぞれの特徴を活かして独自の契約プランを提案しています。各家庭においても電気の使用状況を正しく分析し、最適なPPS(特定規模電気事業者)を選ぶことが重要です。これまで以上に電気代を節約することによって、より豊かな生活を手に入れましょう!