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エアコンを1ヵ月つけっぱなしにした時の電気代はいくらかかるのか?

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電気を節約するときは、こまめに消すことが良いと言われますが、エアコンの場合はどうでしょうか。エアコンは部屋の温度をコントロールするため、一定の温度を保つ方が省エネになります。1ヵ月エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代について見ていきましょう。

エアコン1ヵ月つけっぱなし!電気代はいくらかかるか調査

エアコンの消費電力と電気代の仕組み

通常の家電なら使用する時間と消費する電力がある程度決まっています。500Wの電子レンジで言えば、1分間あたり500Wです。しかしエアコンはもっと繊細で、消費電力は気温と室内温度の差で常に変動しています。また外気温と室内温度の差があるほど、早く設定温度に近づけようとするので、運転開始直後が最も消費電力が大きく、電気代もかかる仕組みになっています。

室内が設定した温度になると、場合によっては送風運転に切り替わるなどして、温度の安定を保とうとします。運転開始直後と送風運転では、エアコンにもよるものの最大で40倍もの消費電力差が生じることもあります。エアコンをこまめに入り切りしていると、電気代が高くつくと言われるのはこの消費電力差のためで、全体的に見るとつけっぱなしの方が安くなると考えられます。

では、1ヵ月つけっぱなしにした場合の電気代を調べるには、消費電力から計算すれば良いでしょうか?実はエアコンは運転中に消費電力が変動しやすいので、消費電力から電気代を計算することは難しい家電です。正確な電気代は期間消費電力量から1年間の平均的な電気代を出し、12か月で割って1ヵ月の電気代を計算します。

期間消費電力量で計算するエアコンの電気代

2017年時点で一般に販売されているルームエアコンのうち、省エネタイプのエアコン2.2kWタイプの期間消費電力量で比較すると、日立の白くまくんが548kWhで一歩リードしています。電気代の計算方法は、期間消費電力量×1kWhあたりの電力量料金=1年間の電気代の目安として求められ、1kWhあたりの電力量料金を25円で計算しました。年間の電気代の下、カッコ内は1ヵ月あたりの電気代です。

メーカー 型番・商品名 期間消費電力量(kWh) 年間の電気代の目安(円)
(1か月の電気代の目安)
日立 白くまくん
RAS-X22G
548 13,700
(1,141)
シャープ プラズマクラスター
AY-G22X
578 14,450
(1,204)
三菱電機 霧ヶ峰
MSZ-ZW2217
594 14,850
(1,237)
東芝 大清快
RAS-C225DR
603 15,075
(1,256)
三菱重工 ビーバーエアコン
SRK22SV
603 15,075
(1,256)

1ヵ月のエアコンの電気代は、高くても1,300円までかからないことがわかります。あくまでも目安ではありますが、エアコンの電気代は高いという印象を覆す結果です。室内温度と外気温の差、設定温度により変動するとしても、意外なほど電気代がかからないといえますね。

エアコンの電気代は条件次第で高くなる

エアコンの設定温度と外気温の差が大きいほど電気代がかかる

1ヵ月エアコンをつけっぱなしにする場合、電気代は季節により大きく異なります。エアコンは、設定温度と外気温の差が大きいほど、消費電力も大きくなる家電です。そのため、真夏で外気温が30度、設定温度が22度の場合、8度の温度差になり、真冬なら外気温が-5度、設定温度が25度の場合、30度の温度差があることになります。エアコンは設定温度に少しでも早く近づけようとするため、電気代も高くなってしまいます。

近年の日本では真夏の暑さが厳しく感じられ、冬場よりも電気代がかかるような印象がありますが、実際には冬場の冷え込みが厳しいほど電気代がかかる傾向です。こうして温度差を比較してみると、国内では地域によっても電気代がかかる季節が異なると言えるでしょう。

設定温度と外気温の差が大きい季節は、エアコンの消費電力が大きくなりやすいので、こまめに入り切りする使い方はより一層の電気代がかかってしまいます。暑すぎる夏も、寒すぎる冬も、エアコンをつけっぱなしにする方が総合的な電気代を抑えることにつながります。

自動運転がおすすめ!エアコンの電気代節約術

エアコンで冷房・暖房を使うときは、パワフル運転する方が短時間で部屋の温度が一定になるように感じますが、実際は相当な電力を消費しており電気代も高くなります。エアコンはどうしても運転開始直後が消費電力が大きくなるので、それ以外の運転はエアコンの自動運転で室内温度を保つ方が電気代の節約につながります。

エアコンは、自動運転で温度差を大きくしないことが電気代の節約につながります。エアコンの弱運転やパワフル運転の方が良いように感じても、弱運転は設定温度に達するまで時間がかかり、パワフル運転は反対に短時間で温度を調整するため、どちらも電気代が高くなることが分かっています。

サーキュレーターや扇風機を使うのもおすすめ

エアコンは設定温度に到達して、その温度を維持する状態が最も電気代がかかりません。部屋の配置やエアコンの設置場所などを考慮して、サーキュレーターや扇風機を使って温度を一定に保つよう工夫してみましょう。送風機能があるものがベストで、上向きに送風させて室内の空気を循環させるように使うと効果的です。

例えば冬場に暖房を使っている場合で考えてみましょう。暖かい空気は上に貯まる性質があります。エアコンの暖房の場合も同じです。サーキュレーターを上向きにして運転すると、天井付近に貯まった暖かい空気が下に降りるため、部屋の下層部で生活する私達は暖かさを感じやすくなります。

ずっと部屋にいるときや、長時間暖房をつけっぱなしにするときに特に有効な方法で、この方法なら設定温度を1~2度程度下げても暖かいと感じるようになりますよ。冷房の場合は扇風機で循環させれば、涼しさを感じやすくなり、夏も冬もどちらにも対応した節約方法です。

断熱シートを使ってひと工夫しよう

自宅の窓がガラス1枚の場合、部屋をどんなにエアコンで暖めても、冷やしても、その効果を外に逃がしてしまいます。反対に外気温を室内に取り込みやすい性質もあるので、断熱シートを使ってひと工夫することがおすすめです。窓に貼るだけで室内の温度を逃しにくく、外気の温度を取り込みにくくします。

断熱シートはホームセンターや100円均一でも購入でき、手軽に貼り付けることができて便利です。断熱シートは、室内温度の安定に貢献するアイテムとして注目されており、総合的に見て電気代の節約にもつながります。

寒さが厳しいときは他の家電も使おう

寒さが厳しい日は、エアコンの暖房だけで部屋を暖めるよりも、ファンヒーターを併用する方が早く暖めることができます。消費電力の大きなエアコンをサポートすることとなり、ファンヒーターは部屋の下から暖かい空気をパワフルに送り込むため、暖かさも体感しやすくなります。

また、一定温度まではファンヒーターを使い、その後はエアコンの暖房に切り替えるという使い方でもエアコンの消費電力を抑えることができます。

エアコンはつけっぱなしが良いとは限らない

エアコンはつけっぱなしにした方が良い条件と、こまめに切る方が良い条件があり、使い方次第では電気代が高くなることもあります。自宅にずっといる場合はエアコンをつけっぱなしにして使う方が電気代は安くなり、外出が多い場合はこまめに切る方が節約できて良いでしょう。

外出といっても30分程度までの短時間ならつけっぱなしの方が良い、数時間の外出なら切った方が良いなど、状況に応じた使い方が最も電気代を節約できます。ポイントは部屋の温度がエアコンの設定温度に対して、どれほど温度差があるかです。外気温も含めて考えると、季節やその日の気温、出かけるのか家にいるのかなど、まさに状況に合わせて使うことが必要です。

エアコンの電気代が気になるときは、こうしたケースバイケースに使うことと、エアコンの期間消費電力量のチェック、エアコンが古いようなら省エネエアコンに買い替えるなどの対応が望ましいでしょう。エアコンは繊細に部屋の温度を調整してくれる家電なので、うまく活用して使いたいですね。

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