「岡山県」の電力自由化はどうなっている?
岡山県の電力事情
岡山県の電力使用量は全国第17位です!
岡山県の電力消費量は、平成20年の調査によると4,824GW/h(100万kWh=1GWh)です。この数値を都道府県別でみると第17位に位置しています。県の人口は全国第21位であるため、人口の割に電力の使用量が高めです。消費量の内訳をみると、産業用の消費量が家庭用の約2.5倍と大幅に上回っています。戦前は農業・水産業が産業の中心でしたが戦後は工業化を進め、石油精製所、製鉄所、自動車工場などを多く誘致しました。県内には、三菱自動車工業、JFEスチール、村田製作所等の製造拠点があるため、自ずと産業用の電力使用量が多くなっています。
産業用の電力消費量は全国第12位です!
電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に4,636GW/hだった岡山県の電力消費量は平成19年には4,860GW/hまで増しています。しかし翌年の平成20年には4,824GW/hまで減らしており、省エネ対策が徐々に効果を表しているようです。しかし、産業用の電力使用量は全国で第12位という高いランクになります。倉敷市、岡山市等では都市の再開発が進んでおり、今後も産業用の電力の需要は増していくと考えられています。
岡山県民1人当たりの電力消費量は2,476kW/hです
岡山県の人口は平成22年10月時点で1,945,276人と全国で21番目の人口です。岡山県の電力消費量は4,824GW/hであるため、1人当たり2,476kW/hとなります。都道府県別では第6位という高い水準です。県内総生産は7兆0,700億円(平成22年度) と全国で22番目の経済規模ですが、県民1人当たりの電力使用量においては全国平均を大きく超えるレベルとなっています。
中国地方の中での岡山県の電気事情
岡山県の人口は南部を中心に増加して行く可能性があります
岡山県の人口は1,945,276人で全国第21位ですが、千葉県の1/3くらいの人口数です。平成17年頃までは増え続けていましたが、以降は徐々に減少し、平成17年から平成22年までの5年間で約1.2万人減少しています。しかし、平成23年の東日本大震災以降は移住者が増加しており、NPOが調査した「田舎暮らし希望地域ランキング」では第3位にランクインしています。このように、いったんは減少傾向となった県の人口ですが、今後は南部を中心に増加して行く可能性を持っています。
岡山県民の電力消費量は中国地方の水準を超えています
1人当たりの電力消費量に関しては、岡山県は全国で第6位(2,476kW/h)と平均を大幅に超える値ですが、同じ中国地方でみると広島県は全国で第10位(2,443kW/h)、島根県は第12位(2,415kW/h)、山口県は第13位(2,391kW/h)、鳥取県は第14位(2,368kW/h)となっています。岡山県民は中国地方のなかでは最も電気を使っていることになりますが、産業用として使用される電力が多いわりに人口が少ないことから、計算上はこのような順位となります。
岡山県民の電気の使い方
岡山県民は太陽光発電システムを積極的に導入しています!
中国経済産業局が調査したデータに基づく「住宅用太陽光発電普及率ランキング」において岡山県は5.4%で全国第4位と非常に高い普及率を示しています。全国平均は3.6%です。岡山県は日照時間が比較的長い地域特性を持っていますが、太陽光発電システムは家庭にとっては大きな投資となるため、岡山県民はかなり積極的に太陽光発電を導入していると言えます。
岡山県の電力自由化の影響
岡山県民は電力自由化に大きな期待を寄せています!
県全体では電気使用量は全国で17番目という岡山県ですが、電力消費量の削減を目指し、官民が一体となって省エネルギー対策を推進しています。家庭においては特に省エネ化を進めていく必要があるため、岡山県民は「電力自由化」によって得られる節電・節約等のメリットに非常に期待を寄せています。
電力自由化ってどういうこと?!
これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。
公共施設ではすでに電力自由化の恩恵を受けています!
岡山市は平成26年に初めて電気の調達先を競争入札で決める「電力入札」を実施しました。平成26年度の新電力の受注は市が管理する11施設のみを対象としていましたが、結果として電力コストの削減に成功したため、平成27年度、28年度も引き続き競争入札を実施しています。このように、県内の多くの自治体においてすでに「電力自由化」の恩恵を受けており、これからは各家庭においても同じような恩恵を受けることが期待できます。
メガソーラー発電所の建設が進んでいます!
岡山県では、かつて「東洋一」とうたわれた塩田の跡地である「錦海塩田跡地」(面積約500ヘクタール)を活用し、世界最大級となるメガソーラー発電所の建設が進んでいます。GEエナジー・フィナンシャルサービスなどが出資し、28の金融機関が融資するかたちで進められているプロジェクトは、「瀬戸内メガソーラープロジェクト」と呼ばれています。500ヘクタールの敷地に約92万枚の太陽光パネルを設置し、平成31年第2四半期から商業運転を開始する予定となっています。自然環境を維持しつつ、地域を活性化するこの取り組みは、国内はもちろんのこと海外からも大きな注目を集めています。
環境にやさしい電力を選ぶことも社会に貢献する選択肢の一つです!
岡山県は再生可能エネルギーの普及を推進し、環境にやさしい電力の地産地消を目指しています。すでに多くの自治体では「電力自由化」による恩恵を受けています。各家庭においても、県内の様々なPPS(特定規模電気事業者)が提案するお得な料金プランを比較検討し、電気代の節約というメリットを感じることが出来るでしょう。また、たくさんの電気事業所の中から環境にやさしい電力を選ぶこともより良い環境づくりに貢献することができる選択の一つです。