電力自由化を知る

アパートやマンションにお住まいの方にも、電力自由化は大きく関係してきます。 実は、賃貸にお住まいの方でも、電力自由化に伴う事業者の変更や「契約の切替」が可能です。ただし、一括契約を結んでいる建物に関しては、自由に切替ができないので、注意が必要です。

マンションやアパートでも、自由に電力会社が選べるが「一括受電の場合」注意が必要!

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マンション

アパートやマンションにお住まいの方にも、電力自由化は大きく関係してきます。

実は、賃貸にお住まいの方でも、電力自由化に伴う事業者の変更や「契約の切替」が可能です。ただし、一括契約を結んでいる建物に関しては、自由に切替ができないので、注意が必要です。

ここでは、マンションなどの賃貸物件を中心に「電力自由化の注意点」について説明しましょう。賃貸物件にお住まいの方は、契約の参考にしてみてください。

マンションとアパート・切替できる物件と、できない物件の違い

マンション

アパートやマンションにお住まいの方でも、電力自由化に伴い、原則「新しい事業者への切替」やプランの変更が行えます。

ただし、どの物件でも切替られる訳ではありません。以下の条件に該当する場合、自由に契約変更できないので、注意が必要です。

電力自由化以降も「契約変更できない」物件の例
① 高圧一括受電を導入している集合住宅
② マンションの管理会社が、大口顧客向け契約を結んでいる場合
③ 大型マンションと新規事業者によって、既に「電力自由化」を導入済み

①〜③の内容について、もう少し詳しく説明しましょう。

① 高圧一括受電を導入している集合住宅

実は、賃貸物件の中には低圧電力をしているところと、一括受電をしている建物の二種類があります。

賃貸物件・電気契約の種類
契約の種類 電力自由化で、個別契約できるか?
A. 低圧電力タイプ 自由に契約できる
B. 一括受電タイプ 自由に契約できない

Aの「低圧電力」は、一般家庭と同じように個別契約できるタイプです。アパートやマンションでも、低圧電力で契約している物件は多いです。

一方、Bの「一括受電」タイプは、マンションの管理組合が、高圧電流を一括契約し、低圧電流に変換してから、各世帯に配電する仕組みです。

管理人

それでは「なぜ、管理会社は一括受電をしているのか?」という問いですが、これは、マンションの管理会社が「電気の購入と、各家庭への配電で利益」が得られるからです。

実は、高圧電流の一括受電は(購入)価格が安く、各管理会社は収益を増やしつつ、各家庭に配電を行っているのです。マンションで「光熱費込み」という物件の多くは、一括受電で(電力会社と)契約をしています。

こうした物件の場合、電力自由化がスタートしても「個別契約できない」ので、注意してください。

② マンションの管理会社が、大口顧客向け契約を結んでいる場合

困る

①と似ているのですが、管理会社が、電力自由化に向けて「大口顧客向け」契約を結んでいる場合、私たちが勝手に、契約を変えることはできません。

実は、電力自由化をきっかけに、低圧電力から一括受電に契約更新する建物が増えています。この場合、一足違いで「個別契約」できなくなります。

③ 大型マンションと新規事業者によって、既に「電力自由化」を導入済み

マンションの中にも、街のランドマークになるような大規模な建物が存在します。実は、大きな商業ビルやオフィス、工場、大規模マンションの電力自由化は、2000年からスタートしています。

既に、大型マンションが電力自由化を導入していれば、一括受電契約が済んだ後かもしれません。

これから引っ越しをされる方は、入居するマンションがどのような形態で、電気事業者と契約しているのか、最初に確かめておきましょう。不動産さん、管理会社に問い合わせをすれば、すぐに調べてくれます。

国会でも取り上げられた「一括受電」の問題

2016年4月から「電力自由化」が始まりますが、全国の賃貸物件では、一括受電を巡るトラブルが多発しています。

個別契約できない住民が、管理会社に反発

怒る

一括受電をしている物件は、電力会社と個別契約が結べません。このため「電力自由化の恩恵が受けられない」という意見や「電気料金が安くならない」という理由で、管理会社に反発する住民も多く見られます。

また、管理会社の側も特定の「一括受電反対派」の住民を提訴するなど、交渉は泥沼化しています。このほか、マンション管理側が住民に対して脅迫行為を行ったケースもあり、国会でも「重大な問題」として取り上げられています。

「一括受電」から、個別契約を結ぶのは大変…!?

話し合い

実は、一括受電は契約期間が決まっており、通常「10年間の契約」を結ぶ必要があります。当然ながら、一括受電で契約した後は、電力自由化が導入できません。

このため、住民が反対運動や反発を行っても、一括受電から低圧電力への切り替えは「ほぼ不可能」と言えます。管理会社の側も、共有部分のコストを抑えて収益を上げたいため、住民の意見を汲んで「すぐに切替る」ことができないのです。

電力自由化「交渉の方法」が問題に…!?

既に「一括受電」を導入済みの建物は、切替できる可能性は、非常に少なくなりますが、これから(電力自由化を)導入をする建物では、住民と管理会社がよく話し合って、結果を出すべきです。

今後、マンションを購入される方、賃貸で利用される方は「どのような受電形態なのか」何度も確認をしてから、契約を結んでください。

参考:参議院 第186回国会(常会)質問主意書情報
「分譲マンションの高圧一括受電導入における諸問題に関する質問主意書」

一括受電にも、メリットは沢山ある!

一括受電は、決して悪い契約方法ではありません。一括受電にも「各世帯の電気代が安くなる」など、メリットがあります。一括受電している建物は、電力自由化が始まる前から、電気代を安くして住民に配電を行っていました。

会社員

現在は「2016年からの電力自由化に参加できない」という部分ばかりが、クローズアップされていますが、長い期間にわたって(一括受電は)価格を下げ、エネルギー供給が行われてきたのです。

中には、ガス代や水道代など、光熱費全体を「安価に提供」する管理会社も多数存在します。

管理会社と揉める前に、まずは「どのようなメリットがあるのか」冷静になって確認を行い、良く話し合うようにしましょう。

まとめ: 「一括受電」契約済みの建物には、気をつけよう!

握手

ここでは、集合住宅の一括受電について説明をしました。最近は、電力自由化を巡って(管理会社 vs 住民で)さまざまなトラブルが起きているようです。

しかし、低圧の電気契約と一括受電契約には、それぞれのメリットが存在します。トラブルやケンカにならないよう、まずは冷静になって、契約の状況や「それぞれの良いところ」を検証するようにしましょう。

また、それぞれが気持ちよく「電力自由化の恩恵が受けられるよう」良き話し合いの場を持つようにしましょう。

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