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「鹿児島県」の電力自由化はどうなっている?

鹿児島県の電力事情

鹿児島県の電力使用量は全国第24位です!

鹿児島県の電力消費量は、平成20年の調査によると3,683GW/h(100万kWh=1GWh)です。電力消費量の総量は都道府県別でみると第24位となります。人口も同じく全国で24番目に位置しており、電力の消費量は人口に比例する値となっています。電力消費量の内訳をみると、産業用の電力消費量が家庭用を上回っていますが、その差はさほど大きくないようです。自然・文化・観光・産業など様々な面で豊富な資源を有している鹿児島県は日本有数の農業県で、薩摩芋など野菜・果物の生産量が豊富です。また、養豚などの畜産業も盛んで、養豚による収益は約820億円あり、県の基幹産業となっています。食品の製造工場は多いのですが、重工業などは発展しておらず、こういった環境から電力の使用量があまり高くならないようです。

産業用の電力消費量は全国第30位です!

電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に3,597GW/hだった鹿児島県の電力消費量は、平成19年には3,729GW/hまで増しています。翌年の平成20年には3,683GW/hと僅かに減らしていますが、低い数値ではあるもののあまり変化がないようです。産業用の電力消費量に関しては全国で第30位という低いランクに位置していますが、これからは恵まれた環境を活かして、さらに省エネ化を進める必要があるでしょう。

鹿児島県民1人当たりの電力消費量は2,117kW/hです

鹿児島県の人口は平成22年10月時点で1,706,242人と全国で24番目の人口数でした。熊本県の電力消費量は3,683GW/hであるため、1人当たり2,117kW/hとなります。この値を都道府県別でみると第34位と全国平均を大きく下回っています。県内総生産は5兆4,500億円、全国第26位 (平成22年度) という経済規模の鹿児島県ですが、県民1人当たりの電力消費量においては全国の平均値を下回るレベルとなっています。

九州地方における鹿児島県の電気事情

鹿児島県の人口は減少し続けています

鹿児島県の人口は1,706,242人で全国第24位ですが、九州地方の他県の人口をみると、福岡県は5,071,968人(全国第9位)、熊本県は1,817,426人(全国第23位)、長崎県は1,426,779人(全国第27位)、佐賀県は849,788人(全国第42位) 等となっています。鹿児島県においては全国的な傾向と同じく人口が減少し続けており、平成17年から22年までの間で約5万人減らしています。少子高齢化の影響もあり、今後も人口の減少が懸念されています。

鹿児島県の1人当たりの電力消費量は九州地方で最少です

1人当たりの電力消費量に関しては、鹿児島県は全国で第34位(2,117kW/h)と平均をかなり下回る数値となっていますが、九州地方の他県をみると、福岡県は第24位(2,246kW/h)、大分県は第23位(2,277kW/h)、熊本県は第31位(2,147kW/h)、長崎県は第32位(2,137kW/h)等となっています。全体的に低い水準である九州地方において鹿児島県民1人当たりの電力消費量は最少の値を示しています。

鹿児島県民の電気の使い方

比較的温暖な地域のため家庭における電力使用量が少なめです

県全体としては冬は比較的温暖な気候で、夏は日照時間が長い地域ですが、降水量も多めです。しかし、都心のようなヒートアイランド現象がないこともあり猛暑日は少なく、夏でも過ごしやすい環境となっています。南北に長い領域を持つことから地域によって気候が異なり、薩摩半島は大陸からの寒気の影響を受けるため、冬には厳しい寒さとなることもあります。ただし、降雪量、積雪量は少なめです。県民1人当たりの電力消費量があまり多くないことからわかるように、エアコンなどの冷暖房設備を多用する必要がない環境と言えます。しかし、太陽光発電普及率を調べたデータによると鹿児島県の普及率は4.4%(全国第17位)となっており、日照時間の長さのわりに普及率が低いようです。

電力自由化ってどういうこと?!

これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。

再生可能エネルギーの普及に力を入れています!

鹿児島県では、東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故によるエネルギー環境の変化に合わせ、「鹿児島県新エネルギー導入ビジョン」を平成23年に改定しました。さらに、県の地域特性を活かした新エネルギーの更なる導入促進を図るため、平成26年には「鹿児島県再生可能エネルギー導入ビジョン」を策定しています。また、県内の事業者に向けて、太陽光発電設備等の再生可能エネルギーや蓄電池の導入に係る補助を行っており、災害時に地域の防災拠点となり得る施設を対象とすることで、地域住民の生活に不可欠な都市機能を維持することを目的としています。このように、鹿児島県では電力を取り巻く環境をより向上させるため、県が中心となって積極的に活動しています。

県内企業が中心となってエネルギーの地産地消を推進しています!

中越パルプは九州中南部に間伐材チップの集荷基盤を持っており、この資源をバイオマス発電に活かすため鹿児島県薩摩川内市内にある自社工場敷地内にバイオマス発電所を設置しています。平成27年に発電を開始し、出力は約25メガワットを予定しています。年間の売電量は1億5400万kW/hにおよび、再生可能エネルギー固定価格買取制度によって年間約48億円の売り上げを見込んでいます。また、工場から10kmほど離れた場所に太陽光発電所「唐浜メガソーラー発電所」を設置しており、年間の発電量は190万kW/hで、年間売上高は約7,000万円となっています。このように県内の企業が中心となって鹿児島県の豊かな自然環境を活かした再生可能エネルギーの地産地消を実現しています。

賢く選んでさらにより良い暮らしを手に入れましょう!

再生可能エネルギーの普及を推進している鹿児島県では、長い日照時間など恵まれた自然環境を活かしたエネルギーの地産地消を目指し、産官民が一体となって様々な取り組みを行っています。各家庭においても、「電力自由化」によってさらに節電や電気代の節約ができるでしょう。すでに多様な業態のPPS(特定規模電気事業者)がよりお得な料金プランを提案しています。また、なかには再生可能エネルギーなどクリーンな電力を供給している事業者もあります。各家庭においては、幅広い選択肢のなかからそれぞれに適した電気事業者を賢く選び、より良い暮らしを手に入れましょう。

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