「香川県」の電力自由化はどうなっている?
香川県の電力事情
香川県の電力使用量は全国第38位です!
香川県の電力消費量は、平成20年の調査によると2,499GW/h(100万kWh=1GWh)です。電力消費量の総量を都道府県別でみると第38位となります。人口は全国で40番目であるため、人口の規模に比例する電力使用量と言えます。消費量の内訳をみると、産業用の消費量が家庭用の2倍弱となっています。香川県では稲作を中心とする農業が盛んなほか、ハマチをはじめとする養殖漁業も盛んです。また、坂出市、高松市には造船、石油、運輸などの企業が集積しており、県の経済を支えています。さらに、情報通信業、卸売・小売業、サービス業なども幅広く発展しているため、産業用の電力使用量が比較的高い値となるようです。
産業用の電力消費量は全国第34位です!
電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に2,422GW/hだった香川県の電力消費量は、平成19年には2,508GW/hまで増しています。しかし、平成20年には2,499GW/hまで僅かながら減少しており、全国的な傾向と同じく省エネ化が進みつつあるようです。産業用に限ってみると全国で第34位という低い順位に位置しています。香川県では工業が発展しているわりに産業用の電力使用量に関しては全国平均を下回っています。
香川県民1人当たりの電力消費量は2,451kW/hです
香川県の人口は平成22年10月時点で995,842人と全国で40番目の人口です。香川県の電力消費量は2,499GW/hであるため、1人当たり2,451kW/hとなります。この値を都道府県別でみると第8位という非常に高い順位となります。県内総生産は3兆5,700億円、全国第36位 (平成22年度) という平均を下回る経済規模の香川県ですが、県民1人当たりで換算すると電力使用量は比較的高いランクとなります。
四国地方における香川県の電気事情
香川県の人口は平成17年頃から減少し続けています
香川県の人口は995,842人で全国第40位ですが、四国地方の他県と比べてみると、愛媛県は1,431,493人(全国第26位)、徳島県は785,491人(全国第44位)、高知県は764,456人(全国第45位)となっているため、香川県は四国地方のなかで2番目に人口が多い県ということになります。しかし、国勢調査の人口推移に関するデータをみると平成17年から22年までの5年間で約1.7万人減らしており、少子高齢化の影響もあって今後も減少していくと予測されています。
香川県民1人当たりの電力消費量は四国地方の平均を超えています
1人当たりの電力消費量に関しては、香川県は全国で第8位(2,451kW/h)と非常に高い順位ですが、同じ四国地方の他県をみると、徳島県は第7位(2,459kW/h)、愛媛県は第16位(2,337kW/h)、高知県は第17位(2,321kW/h)となっています。これらのデータでわかるように、香川県民1人当たりの電力使用量は徳島県より少ないものの四国地方の平均を上回る水準となっています。
香川県民の電気の使い方
猛暑日が多いためエアコンの使用時間が長くなります
香川県は瀬戸内海式気候に属しているため、晴れる日が多く雨が少ない地域です。しかし、夏には瀬戸内海の凪やフェーン現象などの影響で猛暑日となる日が多く、熱帯夜が続きます。一方、冬の寒さはあまり厳しくなく、積雪となることもほとんどありません。住宅用太陽光発電システムの普及率に関しては4.6%(全国第15位)と比較的高い比率を示していますが、日照時間が長いわりにあまり普及が進んでいないようです。各家庭での電気代負担額をみると香川県高松市では1世帯あたり年間101,655円(平成21年調査)となっており、全国で第10位という高いランクになります。このように、香川県では夏には暑い日が多いためエアコンの使用時間が長くなるなど、家庭において電気をよく使っていると判断できます。
香川県の電力自由化の影響
香川県民は電力自由化による節電・節約を期待しています!
香川県では家庭における電気代の負担額が大きく省エネルギー対策も充分でないため、電力消費量の削減を目指し、官民が一体となって様々な取り組みを行っています。県民1人当たりの電力消費量は全国第8位とかなり高いランクであるため、各家庭においては「電力自由化」による節電・節約を期待しています。
電力自由化ってどういうこと?!
これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。
太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーの開発が進められてます!
香川県では早くから再生可能エネルギーの開発が進められて来ました。1981年には太陽熱による世界初のメガソーラーが瀬戸内海に面する仁尾町に建設されています。この時は実用化に至りませんでしたが、近年再び再生可能エネルギーの発電設備の建設が県内各所ですすめられています。今治造船では、工場の屋根に6,000枚以上の太陽光パネルを設置して1.3MWの発電を可能とし、平成23年度から稼働しています。また、坂出市では太陽光発電事業を全国展開する日本アジアグループが塩田の跡地を利用したメガソーラーを建設し、平成22年11月に2MWの発電を可能とする「坂出ソーラーウェイ」の運転を開始しています。このように、香川県では民間企業が先導する形でメガソーラーの建設が進んでおり、今後より一層環境が整備されると期待されています。
廃棄うどんを有効活用するバイオマス発電が開発されています
香川県では「讃岐うどん」などの廃棄うどんが毎日大量に出ています。そのため、廃棄うどんからメタンガスを生成し、再生エネルギーとして活用する取り組みが平成22年からスタートしています。「うどんまるごと循環プロジェクト」と名付けられた取組みによって発電された電力は、固定価格買い取り制度を利用して県内の電力会社に売電されます。1日3トンの廃棄うどんを処理することで、年間18万kWhを発電することが可能で、一般家庭40~50世帯分に相当します。このように、食品廃棄物を利用する取り組みは全国的にも拡がっていくと予想されています。
賢く選んで電気代の節約を実現しましょう!
人口が少ないこともあり、県全体としては全国平均を大きく下回る電力消費量の香川県ですが、県民1人当たりでみると高い値となるため、民間企業が先導するかたちで再生可能エネルギーの導入を推進しています。電気代の負担額が大きい各家庭においては、「電力自由化」によってもたらされる節電・節約に大きな期待を寄せています。すでの多くのPPS(特定規模電気事業者)がお得な契約プランをPRしていますが、各家庭においては電気の使い方を正しく理解した上で、最適なPPS(特定規模電気事業者)を選ぶことが重要となってくるでしょう。