「山口県」の電力自由化はどうなっている?
山口県の電力事情
山口県の電力使用量は全国第25位です!
山口県の電力消費量は、平成20年の調査によると3,539GW/h(100万kWh=1GWh)です。電力消費量の総量は都道府県別でみると第25位に位置しています。県の人口も同じく全国第25位となっているため、電力の使用量は人口に比例する値と言えます。消費量の内訳をみると、産業用の消費量が家庭用の6倍という特性を見せています。山口県の瀬戸内海側は重化学コンビナートを中心とした工業が盛んで、本州と九州地方を結ぶ交通の要所であるため流通業も発展しています。また、宇部市など美祢地区ではセメントの製造企業が多くあり、岩国には日本で最初の総合石油化学工場となる三井化学・岩国大竹工場があります。このような環境から、産業用の電力使用量が高くなっています。
産業用の電力消費量は全国第7位です!
電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に3,419GW/hだった山口県の電力消費量は、平成19年には3,551GW/hまで増しています。しかし、平成20年には3,539GW/hまで僅かながら減らしており、省エネ対策が少しずつ効果を表しているようです。しかし、産業用の電力使用量だけを見ると全国で第7位という高いランクに位置しています。県内には石油化学工場など多くの工場があり、発展した工業地帯を持つ山口県では、産業用の電力使用量が家庭用を大きく超える高い値となっています。
山口県民1人当たりの電力消費量は2,391kW/hです
山口県の人口は平成22年10月時点で1,451,338人と全国で25番目の人口数でした。山口県の電力消費量は3,539GW/hであるため、1人当たり2,391kW/hとなります。都道府県別では第13位と高いランクにあります。人口が少ないわりに工業が大きく発展している県であるため、県民1人当たりで換算すると高い値となりますが、家庭用に限ってみると全国平均を下回る値となっているため、山口県では家庭用よりも産業用の電力において省エネルギー対策を積極的に進めて行く必要があると判断できます。
中国地方の中での山口県の電気事情
山口県の人口は減少し続けています
山口県の人口は1,451,338人で全国第25位ですが、隣接する広島県の半分程度の人口数です。国勢調査のデータによると、平成7年の調査では増加していた人口が徐々に減少傾向に転じており、平成17年から平成22年までの5年間で約4万人減少しています。一方、九州側の福岡県では都市部などで人口が増加していく傾向を見せており、山口県の県外転出者数が増えている要因の一つと考えられています。
山口県民の電力消費量は中国地方の他県と近い値です
1人当たりの電力消費量に関しては、山口県は全国で第13位(2,391kW/h)と平均を超える値となっていますが、同じ中国地方でみると、岡山県は第6位(2,476kW/h)、広島県は第10位(2,443kW/h)、島根県は第12位(2,415kW/h)、鳥取県は第14位(2,368kW/h)となっています。中国地方の各県は、1人当たりの電力消費量に関しては比較的近い値を示しています。
山口県民の電気の使い方
山口県は再生可能エネルギーの利用を推進しています!
中国経済産業局が調査したデータに基づく「住宅用太陽光発電普及率ランキング」において、山口県は4.4%で全国第17位という順位です。全国平均は3.6%であるため平均を超える普及率ですが、となりの広島県は5.7%であるため、日照時間が長い環境の割に山口県では普及率が低いということになります。クリーンなエネルギーが注目されていることもあり、山口県では住宅用の太陽光発電システムを導入する際には費用の補助・融資が受けられる制度を設けています。関連企業も増えて来ているため、これから普及率が上がっていくと期待できます。
山口県の電力自由化の影響
山口県民は電力自由化による節電・節約に期待しています!
県全体の電力消費量は全国で25番目という山口県ですが、再生可能エネルギーの利用を推進するとともに、自治体が中心となって省エネルギー対策をすすめています。各家庭においても「電力自由化」によって、さらに節電・節約が出来ることを期待しています。
電力自由化ってどういうこと?!
これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。
再生可能エネルギーの開発による地域活性化を目指しています!
株式会社アースソーラーウェイによって、山口県美祢市の旧ニュージーランド村跡地を利用する再生可能クリーンエネルギー太陽光発電事業「美祢市・太陽光発電プロジェクト」が進められています。美祢市の地域活性化事業として大きな期待を集めている本プロジェクトは、出力10MW/hの太陽光発電が可能な設備を有し、年間約3億8,900万円の売り上げを見込んでいます。この事業によってクリーンなエネルギーを地産地消できるほか、地域の雇用促進にもつながると期待されています。また、中国電力の新小野田発電所では,平成19年度から伐採材や間伐材を利用した木質バイオマス混焼を行っています。林野庁が措置した「森林整備加速化・林業再生事業」による支援を受ける山口県森林組合連合会から林地残材バイオマスチップを調達し、県内で採られる石炭との混焼発電を行う出力50万kWの発電設備を2基設置しています。エネルギーの地産地消を目指すとともに、二酸化炭素の削減につながるよう努力しています。
賢い選択でより良い環境づくりにつながります!
山口県では再生可能エネルギーの普及を推進し、Co2排出量削減を図るため様々な取り組みが行われています。家庭に向けた「電力自由化」により多くのPPS(特定規模電気事業者)がそれぞれの特徴を活かしてお得な料金プランや環境にやさしい電力をPRしています。各家庭においても電気使用状況に合わせて最適なPPS(特定規模電気事業者)を選ぶことが大切です。また、太陽光発電やバイオマス発電など、環境にやさしい電力を供給する事業者を選ぶこともより良い環境づくりに役立つ選択肢の一つでしょう!