「秋田県」の電力自由化はどうなっている?
秋田県の電力事情
秋田県の電力使用量は全国第40位です!
秋田県の電力消費量は、平成20年の調査によると2,286GW/h(100万kWh=1GWh)です。都道府県別でみると第40位に位置しています。消費量の内訳をみると、産業用の消費量が家庭用の約1.5倍となっています。秋田県ではあきたこまち等の米作りが盛んで、米の産出額は新潟県、北海道に次いで全国第3位です。また、畜産業、林業も発展しており、第一次産業の占める割合が高めです。また、鉱物資源が豊富であったため、かつては非鉄金属鉱業が繁栄していましたが、現在は資源の枯渇に伴い鉱山は閉鎖されています。石油関連では、鮎川油ガス田においてシェールオイルの商業生産が始まっており、新たなエネルギー資源として注目を集めています。このような環境であるため、秋田県では産業用の電力使用量が家庭用を上回っていますが、値としてはさほど大きくありません。
産業用の電力消費量は全国第36位です!
電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に2,287GW/hだった秋田県の電力消費量は、平成19年には2,326GW/hまで増えています。翌年の平成20年には2,438GW/hまで更に増しており、全国的に省エネ化が進むなか増加傾向をみせています。しかし、産業用の電力使用量に限ってみると全国で第36位という平均を下回るランクであるため、農業、林業、工業など産業の現場においては省エネ化が進んでいると考えられます。
秋田県民1人当たりの電力消費量は2,021kW/hです
秋田県の人口は平成22年10月時点で1,085,997人と全国38番目の人口数でした。県の電力消費量は2,286GW/hであるため、1人当たりの電力消費量は2,021W/hとなります。この値は都道府県別では第46位となっており、全国平均を約220kW/h下回っています。県内総生産は3兆5,300億円(平成22年度) と全国で38番目の経済規模で、産業用の電力使用量は全国平均を大きく下回る秋田県ですが、県民1人当たりでみても全国で2番目に少ない電力の消費量となっています。
東北地方の中での秋田県の電気事情
秋田県では高齢化によって人口減少が加速しています
秋田県の人口は1,085,997人で全国第38位ですが、同じ東北地方の他県をみると、宮城県は2,348,165人(全国第15位)、青森県は1,373,339人(全国第31位)、岩手県は1,330,147人(全国第32位)等となっており、秋田県は東北地方のなかでもっとも人口が少ない県です。近年特に人口減少が著しく、昭和45年の1,241,376人をピークに年々減り続けている状況です。人口減少率に関しては全国最多となっており、平成28年まで3年連続で過去最多を更新しています。また、高齢者の割合が日本でもっとも高く、高齢化が加速していることが人口減少の大きな要因と考えられます。
秋田県民の電力消費量は全国で2番目に低い値です
1人当たりの電力消費量に関しては、秋田県は全国で第46位(2,021kW/h)という低い順位ですが、同じ東北地方の他県をみると、宮城県は第38位(2,095kW/h)、福島県は第44位(2,058kW/h)、岩手県は第45位(2,058kW/h)、青森県は第47位(1,962kW/h)等となっています。最下位から4番目までがすべて東北地方の県という状況です。冬は寒さが厳しく、電気をよく使うイメージがある東北地方ですが、1人暮らし世帯よりも家族で暮らす世帯が多いこともあり、1世帯あたりの人員数が全国平均を上回るため、1人当たりで換算すると低い値となるようです。
秋田県民の電気の使い方
秋田県は季節ごとの温度差が激しいため電気をよく使います!
秋田県は日本海側気候に属しているため、冬には日本海側から湿った冷たい風が吹き、積雪量が増えます。県全域のおよそ90%が特別豪雪地帯に指定されており、冬の日照時間は全都道府県の中で最も少なくなります。また、内陸部では特に寒さが厳しく、暴風雪に見舞われることも少なくありません。一方、日本海側気候でありながら夏は高温多湿で、特に内陸部中央から南部においては気温が上がり、真夏日や猛暑日となる日が多くなります。また、熱帯夜になる割合も高く、寝苦しい夜が続きます。このような気候であるため、1年を通じてエアコン等の電気製品を使う頻度が高くなります。
秋田県の電力自由化の影響
秋田県民は電力自由化に大きな期待を寄せています!
県全体の全力使用量は全国で40番目という低い順位の秋田県ですが、さらに省エネルギー化を促進するため自治体が中心となって様々な取り組みを行っています。家庭においては全国で2番目に電気を使わない県ではありますが、Co2削減に貢献するべく更に省エネ化を進めていくと同時に、電気代の節約につながる「電力自由化」にも大きな期待を寄せています。
電力自由化ってどういうこと?!
これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。
秋田県は再生可能エネルギーの普及を推進しています!
秋田県は日本海に面する長い海岸線を持つため風力発電に適しています。県内には30カ所以上の風力発電施設があり、導入量では北海道と青森県を抜き、全国第1位となっています。「風の松原自然エネルギー」には能代市が出資しており、官民共同で地域の活性化とエネルギーの地産地消を図っています。また、秋田県ではバイオマス発電が早くから発展しており、県の特産物「秋田杉」で知られる林業で発生する間伐材や「あきたこまち」収穫後の大量の稲わらをバイオマスの材料として利用しています。バイオマスの分野においては圧倒的な優位性を持ち、日本一の発電量を誇ります。このように、秋田県は豊富な自然資源を活かして再生可能エネルギーの普及を推進しています。
地産地消のクリーンエネルギーが注目されています!
再生可能エネルギーの開発及び普及において全国をリードする秋田県では、国内最大級となる地熱発電所、東北地方最大級のバイオマス発電所の建設が進んでいます。電源開発(J-POWER)と三菱グループ2社が共同で設立した「湯沢地熱」では、年間発電量は2億5000万kWh、一般家庭で7万世帯を超える電力を供給することができると試算されています。平成31年5月に運転を開始する予定で、固定価格買取制度の認定設備としては地熱で最大となります。また、バイオマス発電においては、間伐材を有効活用できるほか、林業政策と相まって地域活性化に大きく貢献すると期待されています。
最適なPPSを選択してより良い暮らしを手に入れましょう!
秋田県は再生可能エネルギーの先進県として、クリーンエネルギーの地産地消を推進しています。県民1人当たりの電力消費量は非常に低い値ですが、更なる省エネ化とCo2削減に役立てるよう産官民が一体となって省エネ・節電対策を進めています。これからは家庭に向けた「電力自由化」によって各家庭においても電力に関する選択肢が広がります。各家庭においては電気の使い方を正しく把握し、多くのPPS(特定規模電気事業者)の中から最適な事業者を選ぶことが大切です。何を基準に電力会社を選ぶのかしっかりと考え、より良い暮らしにつながる選択をしましょう!