「富山県」の電力自由化はどうなっている?
富山県の電力事情
富山県の電力使用量は全国第32位です!
富山県の電力消費量は、平成20年の調査によると2,822GW/h(100万kWh=1GWh)でした。都道府県別でみると第32位となっています。消費量の内訳をみると、産業用の消費量が家庭用の約2倍という値です。富山県は北陸工業地域の中核であり、豊富な水資源と水力発電を利用したアルミ精錬の関連産業が発展しています。アルミサッシ生産シェアは国内第1位です。また、第一次産業としては米作りを中心とする農業や漁業も盛んで、日本唯一の群泳海域を持つホタルイカ漁や白エビ漁が全国的に知られています。このような環境から産業用の電力使用量が家庭用を上回る値となっています。
産業用の電力消費量は全国第25位です!
電気事業連合会統計委員会によるデータをみると、平成17年に2,701GW/hだった富山県の電力消費量は、平成19年には2,833GW/hまで増えています。翌年の平成20年には2,822GW/hと僅かですが減らしており、全国的な傾向と同じく省エネ化が進みつつあるようです。産業用の電力消費量に限ってみると都道府県別で第25位に位置しています。県全体の消費量は比較的少ない値ですが、電力を多く使うアルミ精錬等の製造業が発展しているため、産業用の電力消費量は比較的高めとなっています。
富山県民1人当たりの電力消費量は2,550kW/hです
富山県の人口は平成22年10月時点で1,093,247人と全国で37番目の人口数でした。県の電力消費量は2,822GW/hであるため、1人当たりは2,550kW/hとなります。この値を都道府県別でみると全国第3位と非常に高い順位にあります。県内総生産は4兆3,700億円(平成22年度) と全国で30番目という経済規模ですが、他業種の製造業が盛んなため工場の数が多く、電力使用量の高さのわりに人口が少ないこともあり、県民1人当たりに換算すると高い値となります。
北陸地方の中での富山県の電気事情
富山県の人口は減少し続けています
富山県の人口は1,093,247人で全国第37位ですが、同じ北陸地方の新潟県と比べると半分以下の人口数です。国勢調査による人口推移のデータによると平成12年までは増え続けていましたが、平成17年の調査では減少傾向に転じています。平成17年から平成22年までの5年間でみると約1.8万人減となっています。しかし、富山市ではこの5年間で3%程度人口が増えているため、富山県の人口は都市部に集中しつつあると考えられます。
富山県民の電力消費量は北陸地方の平均レベルです
1人当たりの電力消費量に関しては、富山県は全国で第3位(2,550kW/h)という非常に高いランクにあります。同じ北陸地方にある他県の順位をみると、福井県は第1位(2,717kW/h)、石川県は全国で第2位(2,629kW/h)等となっおり、北陸地方が1位から3位までを独占しています。要因としては、日本海側気候であるため冬は寒さが厳しく、家庭においては電力使用量が増すことなどが考えられます。しかし、人口の割に製造業など第2次産業が発展していることも1人当たりの数値が高くなる原因として考えられます。
富山県民の電気の使い方
富山県は寒暖差が激しいため家庭においては電気をよく使います
富山県は、日本海側気候であるため県全域が豪雪地帯に指定されています。また、夏はフェーン現象の影響で気温が上がるため高温多湿となります。このように、夏は暑く冬は寒さが厳しい地域であるため家庭における電力の消費量も多くなってしまいます。特に、標高の高い山岳地帯は特別豪雪地帯に指定されるほど雪が多く、暖房設備を使用しなければ生活が出来ません。また、全国的に普及が進んでいる住宅用太陽光発電システムの設置状況をみると、富山県は日照時間が短いこともあり2.1%(全国第41位)の普及率にとどまっています。このように、他の北陸地方と同様に省エネルギー対策を推進していますが、電力の自給率は低めです。
富山県の電力自由化の影響
富山県民は電力自由化に期待しています!
県全体の電力使用量は全国で32番目という富山県ですが、県民1人当たりの使用量は非常に多いため、自治体が中心となって様々な省エネルギー対策をすすめています。家庭においてはまだ省エネ化が充分とは言えない状況であるため、富山県民は「電力自由化」による節電・節約に大きな期待を寄せています。
電力自由化ってどういうこと?!
これまでは、地域ごとに特定された一社だけに電力業を独占的に行わせる法体制となっていました。発電、送電、送配電網に関しても特定の電力会社が保有していました。2016年4月から開始される「電力自由化」によって特定の事業者以外も家庭向けの電力供給が可能となるため、様々な業種の事業者が新たに電力業に参入し始めています。自由化されたことで消費者は多くのPPS(特定規模電気事業者)から契約する事業者を選ぶことが出来るようになります。また、そのことによって事業者間の価格競争がはじまるため、電気代が今までよりも割安となることが期待されます。
富山県の自治体は電力自由化によるコスト削減を目指しています!
富山県の自治体では電力コストの削減を目指し、電力調達の際には積極的に新電力を含む一般競争入札を実施しています。北陸電力は日本で最も安い電気料金となっていますが、新電力による落札件数が年々増えている状況です。しかし、北陸電力の電気料金を下回るPPS(特定規模電気事業者)は非常に少なく、他県に比べて「電力自由化」による経済的な恩恵が得られていないようです。富山県には水資源が豊富なため、多くの水力発電所を有する北陸電力は燃料費を抑えて発電を行うことが可能です。「電力自由化」にともないよりお得な契約プランを用意していることもあり、富山県では北陸電力と新電力の間で顧客獲得のための価格競争が激しくなると予想できます。
クリーンなエネルギーの地産地消をすすめています!
富山県では平成26年度に策定した「再生可能エネルギービジョン」に基づき、「水の王国とやま小水力発電導入促進プロジェクト」を推進しています。平成33年度までに県内20カ所以上に小水力発電を導入することを目標に掲げており、次々と発電所が稼働している状況です。富山県の総発電量において水力発電が占める割合は3割を超えており、今後ますます比率を上げて行くと予測されます。また、非常に小規模な水力発電システムの導入が進められており、1平方メートル程度の設備ですが年間の発電量は10万kWhになり、一般家庭の27世帯分に値します。このように、富山県では再生可能エネルギーの地産地消が力強く推進されています。
最適な新電力を選んで電気代の節約を実現しましょう!
富山県は県民1人当たりの電力消費量が全国で3番目に多いため、再生可能エネルギーの開発及び導入を積極的にすすめています。自治体ではすでに「電力自由化」の恩恵を受けつつありますが、各家庭においても大きな期待を寄せています。家庭向けの「電力自由化」がはじまったことで、様々なPPS(特定規模電気事業者)がお得な契約プランを提案しています。それぞれの家庭の電気の使い方に最適となる事業者を選ぶことが重要です。電気代の負担が大きい富山県ですが、「電力自由化」を最大限利用して、電気代の節約を実現しましょう!