電力自由化の仕組みは、全国一律ではありません。実は、各都道府県別に「利用できる事業者」が異なります。ここでは、北海道から沖縄まで「どのような事業者」と契約できるのか、一挙に紹介したいと思います。
※ 今回紹介する業者は「2016年2月末時点」のデータです。
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北海道で、利用できる「電気事業者」について
北海道では、広大な土地を活かした自然エネルギー、再生可能エネルギーの導入が盛んです。ただし、冬期は気温が下がるため(一般家庭の利用状況としては)ガスや、灯油の使用量が多くなっています。
電力自由化が始まれば、電気など「新エネルギーの普及」が進むでしょう。
2016年以降、北海道で利用できる電気事業者一覧は、以下の通りです。通信系など、新規事業者のほか、北海道電力や北海道ガスなど、道内の事業者も名前を連ねています。
・ 北海道電力 |
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・ 北海道ガス |
・ KDDI |
・ J:COM 電力 |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
(五十音順に記載)
2016年4月以降は、新しい事業者も追加参入し、道内の価格競争は激化しそうです。
北海道は、道内で電力を地産地消する必要がある
北海道は、本州からの電力供給が難しく、道内で発電〜供給を補う必要があります。このため(電力が不足した事態に備え)安定供給の望める、大規模な発電所や、大手事業者との契約が不可欠と言えます。
こうした状況は、新規参入業者も十分把握しており、HTBエナジー(東京電力系)やJ:COM 電力(関西電力系)など、大手事業者は発電拠点の確保に努めています。
東北地方(6県)で、利用できる「電気事業者」について
続いて東北6県、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県で「利用できる事業者」と、各県の電力状況を見てみましょう。
青森県で利用できる、電気事業者一覧
青森は、全国31番目の人口(約137万人)を抱える県で、風力発電の設置台数が多いことでも知られています(一位は北海道)。また、太陽光発電システムなどの導入にも積極的で、電力の「安定供給」に強い地域です。
電力自由化の際、青森県で利用できる事業者は以下の通りです。東北電力のほか、新規事業者も、続々と(電力事業への)参加を表明しています。
・ 東北電力 |
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・ ミツウロコグリーンエネルギー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
(五十音順に記載)
現在は、従来の管轄エリアである東北電力と、全国展開している新電力との間で、熾烈な価格競争が繰り広げられています。
岩手県で利用できる、電気事業者一覧
県面積の広い岩手では、再生可能エネルギーの導入に力を入れています。風力、太陽光、水力発電、地熱、バイオマス発電など「自然を活かしたエネルギー」資源を、バランス良く確保しています。
寒さが厳しい岩手では、秋から春先にかけて、灯油を使う傾向が強いです。しかし、新電力導入が始まると(価格が下がることから)エネルギー需要の図式は、大きく変わろうとしています。
岩手県で利用できる電気事業者は、以下の通りです。ここでも、東北電力が大きなシェアを誇っていますが、新価格を発表する「新規事業者」にも、大きな注目が集まっています。
・ 東北電力 |
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・ ミツウロコグリーンエネルギー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
(五十音順に記載)
実際に、全国展開する通信系事業者、旅行大手、中部電力や関西電力系の新規事業者も、大きな勢いを見せています。もちろん(上記の業者)以外にも、岩手への参入を計画する業者が数多く存在します。
宮城県で利用できる、電気事業者一覧
東北の中でも比較的温暖な宮城は、全国的にも「エネルギー消費量の少ない」県ですが、風力や太陽光、地熱などの再生可能エネルギーを積極的に導入しています。
また、大規模なソーラーシステム(メガソーラー)を設置するなど、クリーンエネルギーの開発にも力を入れています。
東北電力の本社は、宮城にある
宮城県には「東北電力」の本社があることから、県内の需要は非常に高くなっています。しかし(電力自由化が進むにつれて)新規事業者の契約プランに、今後多くの利用者が流れていくでしょう。
・ 東北電力 |
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・ ミツウロコグリーンエネルギー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ J:COM 電力 |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
(五十音順に記載)
従来の業者も新サービスで対抗してきますが、新旧の業者をよく比較し「どのプランが最もお得か」見極めるようにしましょう。
秋田県で利用できる、電気事業者一覧
日本海に面する秋田県は、冬の積雪量が多いことで有名です。県内は日照時間が少ないため、灯油を使って暖をとる家庭が多いです。しかし、電力自由化がスタートすると、エアコンなど「電化への移行」が期待されています。
日照時間の短い秋田では、ソーラーシステムの設置台数は(全国的にも)少ないです。しかし、風力発電や水力発電、バイオ発電、地熱発電など、豊富な「再生可能エネルギー」を取り入れ、必要な電力を確保しています。
・ 東北電力 |
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・ ミツウロコグリーンエネルギー |
・ サイサン |
・ エヌパワー |
・ エナジー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI HTB |
・ F-Power エネット |
(五十音順に記載)
今後は、新旧の業者が新しいプランを打ち出すほか、環境にやさしい「クリーンエネルギー」にも、大きな注目が集まるでしょう。
山形県で利用できる、電気事業者一覧
山形は、県の約90%が「豪雪地帯」という特殊な環境に位置します。また、冬の寒さが厳しく灯油・ガス・プロパンを使って、暖を取る家庭が多いです。また、夏も「フェーン現象」の影響で蒸し暑く、エアコンの使用量が多いことで知られています。
エアコン使用量が多くなると、電気代も比例して高くなります。このため、電力自由化では「格安プラン」を取り入れた事業者に申込が集中するでしょう。現在、山形で利用できる電気事業者は、次の通りです。
・ 東北電力 |
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・ ミツウロコグリーンエネルギー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ F-Power |
(五十音順に記載)
東北電力のほか、山形に特化した(やまがた新電力等)事業者の設置も検討されています。
福島県で利用できる、電気事業者一覧
「日本で三番目に県面積が広い」福島は、豊かな自然に恵まれた土地です。2011年の原子力発電所事故の後は、環境に優しい「再生可能エネルギー」の導入に力を注いでいます。
再生エネルギーで「県内需要を100%満たす」取り組み
福島県は「県内需要の100%が、再生可能エネルギーでまかなえるよう」目標を掲げています。
県内には、東京電力の発電所が置かれていますが、次世代のエネルギーとして、風力や地熱発電所のほか、太陽光を利用したメガソーラーが、県内の広い規模で導入されています。現在、福島県で利用できる電気事業者は、以下の通りです。
・ 東北電力 |
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・ 須賀川ガス |
・ ミツウロコグリーンエネルギー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
(五十音順に記載)
新しい事業者も多く参入していますが、県内では「エネルギーの地産地消」を推奨しています。地域密着型の事業者は、地元と連携して「新しいサービスの導入」を画っています。
今後の参入が予定されている企業
北海道から東北エリアは(今回紹介した事業者以外にも)以下の企業が「新規参入」を予定しています。
今後「北海道・東北」への参入を予定している企業(一部)
サミットエネジー株式会社、株式会社新出光、株式会社アップルツリー、日本アルファ電力株式会社、王子・伊藤忠エネクス電力販売株式会社、パシフィックパワー株式会社ほか(順不同)
もちろん「参入する企業」の数は、今後も、ますます増え続けるでしょう。
まとめ:北海道から東北の電力は、豊富な土地を有効活用している
北海道、東北のエリアは、それぞれ「県面積が大きい」のが特徴です。このため、広大な土地を活かした、再生可能エネルギーの導入が盛んです。
今後は、環境に優しいエネルギーに特化した、新プランや新しい事業者が、続々と登場することでしょう。