最近は、沖縄への移住者が増えていると言います。また、九州と言えば福岡などの大都市があり、大きな企業が集中しています。ここでは、九州と沖縄の電力事情と、利用できる事業者について説明します。
九州・沖縄にお住まいの方は、電力自由化の際、参考にしてみてください。
※ ここで、紹介する事業者「2016年2月末時点」のデータです。
九州地方(7県)で、利用できる「電気事業者」について
九州の7県、福岡県、長崎県、熊本県、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県の電力事情と、利用できる事業者を順番(県別)に、見ていきましょう。
福岡県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
福岡の人口は全国で9番目に多く(約511万人)、日本のみならず、アジアでも有数の大都市として知られています。福岡の発展を支えたのは、北九州工業地帯です。これらのエリアは、古くから鉄鋼業などの製造で栄えてきました。
現在でも、産業における電力使用量は多い(全国14番目)のですが、近年は業務用(全国7位)や、家庭用電気使用量(全国9位)の方が、より高い(使用)比率を占めています。
福岡は、全国で3番目に(平均)電気使用量が安い県
もともと「九州電力エリア」は、電気代が安いことで知られていました。このため(大都市を抱えるにも関わらず)県内の電気使用量は、全国で3番目に安くなっています(月平均7,000円前後)。
大都市を抱える福岡では、新規参入業者が多い
福岡県で利用できる電気事業者は、以下の通りです。県内では、新旧さまざまな事業者が名前を連ねています。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ J:COM 電力 |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
大都市を抱える福岡では、2016年4月以降、新規参入業者の数も増える予定です。工場や大型ビル、商業施設への電力自由化は既に導入が終わっていますが、今後は店舗のほか、マンションやアパート、一般住宅への普及に伴い、価格競争はより、激しさを増すでしょう。
長崎県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
長崎は、全国28位の人口(約143万人)を誇る、九州の中でも大きな県です。豊かな自然だけでなく、古くから造船で栄えた佐世保のほか、鉄鋼業など産業の中心地としても知られています。
ここでは、家庭用や業務用の電気利用量は低く「月々の電気代」は、約7,300円前後(全国で4番目に低い数字)と、全国的にも少ない数字です。
長崎県は、大型メガソーラーの導入など、再生可能エネルギーの開発が盛ん
長崎の宇久島には、国内最大級のメガソーラーが設置されています。ここれは、島の4分の1の広大な土地を使い、太陽光発電を行っています(※ 年間約5億kWhの発電量が見込める)。
再生可能エネルギーの導入は、県全体で活発化しています。特に、ここ数年は「風力発電」の研究・開発にも力を注いでおり、県内の電力需給がカバーできるよう、多くの発電拠点を設けています。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
長崎県は、九州電力の管轄下にありましたが、自由化のスタートに向けて、多くの事業者が新規参入を表明しています。今後は、県内の「再生可能エネルギー」を活かした、新プランの導入が期待されています。
熊本県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
熊本は、人口約183万人(全国23位)を抱える、九州中央部に位置する県です。県内の電気使用は、家庭用が全国23位で、月平均「7,700円」前後の電気料金が、支払われてきました。
また、県内は業務用や産業用の電気使用量も多く、産業用の電力使用量は「全国27番目」と、九州の中でも比較的大きな数字です。
熊本でも、太陽光や水力発電など、再生可能エネルギーの導入が活発化!
熊本県内でも、再生可能エネルギーの導入が盛んで、太陽光のほか水力発電など、地域の自然を活かした発電が行われています。
特に、県内の太陽光発電は全国的にも有名で、代表的なメガソーラー施設が複数設けられています(SoftBank熊本荒尾ソーラーパークや、芦北太陽光発電所など)。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ J:COM 電力 |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
上記のように、従来からある九州電力のほか、全国展開している大手(通信大手、ガス、石油系など)の新規事業者が名前を連ねています。参入業者の数は、しばらくの間、途絶えることがないでしょう。
佐賀県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
佐賀県は人口密度が低く、全国で6番目に「人口が少ない県」として知られています(約86万人)。このため、県における家庭用や業務用、産業における「電力使用量」は、全国的にも低い数字です(家庭用・業務用44位、工業用は36位)。
佐賀県の再生可能エネルギーは、太陽光発電が有名
佐賀県内でも、日照時間の長さを利用して、大規模なソーラーパネルの設置が行われています。県内には、吉野ヶ里メガソーラー発電所など、全国的にも有名な発電施設が存在します。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
佐賀県の電気事業者は、従来の九州電力のほか、石油大手、ガス会社、通信大手、旅行会社など新しい事業者が多数参加しています。今後は、価格やサービスの面で「顧客の取り込み競争」が、より激しさを増すでしょう。
大分県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
緑豊かな大分は、約120万人の人口を抱える(全国33位)ています。県内には、別府や湯布院など有名な温泉があり、観光名所としても全国的に有名な場所です。
県内の電力使用は、製造業が多い(全国17位)ものの、家庭用(月平均9,100円前後)は、平均的な数字(全国35位)です。ただし、商業用は電力需要が少なく、全国39位と低い数字になっています。
大分県は、バランスの取れたエネルギー計画が進んでいる
大分県では、太陽光発電のほか、バイオマスや風力、水力発電など、バランス良く「再生可能エネルギー」の導入が進められています。また、県内にはメガソーラーがの拠点がいくつかあり、県内の需要をカバーすべく「電力の地産地消計画」が着々と進行しています。
大分で利用できる電気事業者は、以下の通りです。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
大分は九州電力の管轄エリアにありますが(新規事業者の参入により)これまで以上に「価格の安い」プランが出回るようになります。
宮崎県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
「南国に近い気候」が魅力の宮崎県には、約114万人の人々が暮らしています。県内の家庭用消費電力は全国で6番目に少なく、月額の平均は「7,500円前後」と低い数字です。
また、産業に関しては全国38番目、商業やサービス(業務用)も、全国35位と「電力消費量の少ない県」として知られています。
宮崎では、太陽光発電の建設ラッシュが続いている!
温暖な宮崎では、日照時間が長く(年間、約2,400時間)太陽光発電システムの導入がピークを迎えています。県内には、メガソーラー施設のほか、各家庭にも太陽光パネルの設置が多く見られます。
宮崎で利用できる電気事業者は、以下の通りです。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エネット |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
今後は、太陽光発電システムと相性の良い「電力プラン」や、県のエネルギー供給に見合った契約プランの導入が期待されています。
鹿児島県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
鹿児島は、全国第24位(約170万人)の人口を持つ、九州最南端の県です。電力使用量の多さは全国29番目で、最も需要があるのは業務用(商業やサービス業など)電力です。
鹿児島県内には、複数の発電所が点在している
鹿児島県は、原子力発電所のほか、火力発電所、水力発電所など、複数の発電所が点在しています。近年は「自然に配慮したエネルギー」の導入が急がれており、地熱発電や風力発電、メガソーラー施設の開発・建設に力を注いでいます。
鹿児島県で利用できる電気事業者は、次の通りです。
・ 西部ガス |
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・ 新出光 |
・ 九州電力 |
・ ナンワエナジー |
・ サイサン |
・ エヌパワー |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power エネット |
大手新電力のほか、従来の九州電力など、新旧さまざまな事業者が「価格とサービス競争」を繰り広げています。
今後は価格面だけでなく、より「環境に配慮したエネルギー」が、事業者から求められるでしょう。
沖縄で、利用できる「電気事業者」について
最後に、沖縄県のエネルギー事情と参入する業者を見ておきましょう。
沖縄県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
日本の最も南に位置する沖縄は、約144万人(全国27位)の人々が暮らしています。本土は人口密度が比較的高いのですが、電力使用量は全国的にも少ないのが特徴です。
例えば、家庭用の電力使用量は「月7,800円〜7,900円」前後と安く、業務用や工業用の電力使用も、全国36位以下と少ないです。
島によって異なる発電環境・メガソーラー施設も盛ん
沖縄県内では、本土から電力を持ってくることができません。このため、各島で火力や風力発電を行い、電力需要をカバーしています。
近年では大規模メガソーラーの設置も盛んで、環境に優しい再生可能エネルギーの導入も増加傾向にあります。電力の自由化に伴い、沖縄県内で利用できる事業者は、以下の二社になります。
沖縄電力 |
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HTBエナジー |
参入する業者は、全国で最も少なく、電力自由化による恩恵は多くありません。しかし、旅行大手のHTBエナジーの参入は、沖縄電力の「無風状態」を打ち破る、強力なライバルとして、大きな注目を集めています。
まとめ:今後も新規事業者の参入が続く
いかがだったでしょうか? 九州から沖縄まで、各県のエネルギー事情と、事業者について見てきました。上記以外にも、九州・沖縄エリアへの参入業者は、増える予定です。
みなさんも、お住まいのエリアで新しいプランや、参入業者をチェックしてみてください。