中国地方には、広島市など大きな都市があるほか、山口や岡山県のように、農業や製造業が盛んな県も存在します。また、鳥取や島根は、太陽光発電などの「再生可能エネルギー」の導入が盛んな地域です。
ここでは、中国地方のエネルギー事情と、2016年4月以降に利用できる電気事業者について、説明しましょう。(※ 紹介する事業者「2016年2月末時点」のデータです)。
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中国地方(5県)で、利用できる「電気事業者」について
ここからは、中国地方の5県、広島県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県で契約できる、電気事業者を見てみましょう。
広島県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
広島は、観光地としても有名ですが、工業や産業の分野でも発展した県です。人口は約290万人(全国12番目)で、中国地方最大の都市を抱えています。
県内の総電力使用量は「全国第11位」と家庭用電力のほか、産業用、商業用ともに電力需要が高いのが特徴です。しかし、県の平均的な電気料金は(平均的な一般家庭で)月額7,800円前後と、全国的にも「安い価格帯」でおさまっています。
広島県は、中国電力と共同で「太陽光発電システム」の導入を進める
現在、広島県内では、地域還元型再生可能エネルギーの導入が進められています。メガソーラー施設の設置を請け負うのは中国電力で、県と共同で「新しい発電事業」に取り組んでいます。
実際に、県内には複数の太陽光発電所が設けられ、発電で得られた収益(太陽光で得たエネルギーを売電している)を、地域に還元するなど、画期的な取り組みを行っています。
2016年4月以降、広島県で利用できる電気事業者は、次の通りです。
・ 中国電力 |
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・ 新出光 |
・ エネット |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
もともと、広島県は平均的な電気料金(家庭用)が安いエリアでした。このため、電力自由化がスタートした後は、より一層の「値引き率」を提示しなければ、県民の期待には応えられ無いでしょう。
こうした背景もあり、各事業者は(より)割引率の高いプランや、ポイント還元の高い料金システム導入を進めています。
岡山県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
農業が盛んな岡山ですが、県内には約150万の人々(全国第21位)が暮らしています。県内は、繊維業や重工業が盛んで、産業用の電力使用は「全国第11位」と多くなっています。
また、岡山県内の家庭用電気料金は「月額平均8,600円」と、全国的に「やや高い数字」です。このため、県民の間では「今後、光熱費が削減できるかどうか」電力自由化に対する期待が高まっています。
岡山は、日照時間が長く太陽光発電システムの導入に適した県
岡山県は、年間の日照時間が長く、太陽光発電システムの導入に適した場所です。県内では「瀬戸内メガソーラープロジェクト」を推進するなど、再生可能エネルギーの導入に積極的です。
2016年4月より、岡山県で利用できる電気事業者は、以下の通りです。
・ 中国電力 |
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・ 新出光 |
・ エネット |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
岡山県は、中国地方の中では広島県に次いで「電力需要の多い」県です。このため新規事業者の多くは、広島・岡山における「中国電力のエリア」で、新しい顧客を獲得したいと考えています。
今後、岡山全体の電気料金プランは「低価格路線」で展開していくと予測されます。各事業者のプランを良く比較して、新プランへの切替を検討しましょう。
鳥取県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
鳥取は、全国で「最も人口が少ない」県(約59万人)です。このため、一般家庭の消費電力も少なく、エネルギー需要の少ない県としても知られています。
ただ、県内には複数の工場があり、産業用の電気使用量は「全国39位」となっています。また、雪の積もる地域(豪雪地帯)が多いため、冬期の電力需要は比較的高くなります。
鳥取は、エネルギー & 環境対策の進んだ県
県内は、豊かな自然を活かした「再生可能エネルギー」の導入が盛んです。特に風力やバイオマス発電、太陽光発電システムの導入には積極的で、一般家庭でも、補助金を活用した「太陽光パネル」の設置や、小型風力発電の導入が見られます。
2016年4月以降、鳥取県内で利用できる、電気事業者は次の通りです。
・ 東京電力 |
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・ 中国電力 |
・ 新出光 |
・ エネット |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
鳥取県では、中国電力だけでなく、関東から東京電力が(新規事業者として)進出しています。このほか、イーレックスやエネットなど「大手企業」が、鳥取での事業展開計画しています。
島根県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
島根は、全国で二番目に人口が少ない県(約71万人)で、県内の電力需要も「全国46位」と少なくなっています。
島根県は、日本海に面しているものの、冬は比較的温暖な日が続きます。このため(日本海沿いの他県よりも)冬期の電気使用量は平均以下となっており、県内の総エネルギー消費量は、相対的に少ないのが特徴です。
島根は、風力発電の導入が盛んな県
島根県は、風力、バイオマス、水力、太陽光発電とバランス良く、再生可能エネルギーを導入しています。特に、風力発電所の数は多く、全国的にもエネルギー容量の大きな発電所を複数設置しています。
2016年4月より、島根で利用できる電気事業者は、以下のとおりです。
・ 中国電力 |
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・ 新出光 |
・ エネット |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
島根は、県人口が少ないものの、全国展開する事業者も複数、新規参入しています。また今後は、再生可能エネルギーを取り入れた新しい事業者や、新料金体制も次々と発表される見通しです。
山口県のエネルギー利用状況と、電気事業者について
山口は、約145万人の人口を抱える県(全国第25位)です。山口は人口に対して(電力)消費量の多い県で、三重県とほぼ同じ「年240億kWh」の電力を消費します。これは、産業用(鉄鋼・化学・農水・機械)の利用が多いためです。
その一方で、家庭用の利用は少なく、商工業の利用も同様に少なくなっています。
山口は、火力発電所が多い県
山口は産業が盛んなこともあり、県内に大規模な火力発電所を多く抱えています。しかし、近年は「環境にやさしいエネルギー」を求め、風力や太陽光発電システムなど、再生可能エネルギーの導入が盛んです。
2016年4月より、山口県で利用できる電気事業者は以下の通りです。
・ 中国電力 |
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・ 新出光 |
・ エネット |
・ イーレックス・スパーク・マーケティング |
・ KDDI |
・ HTBエナジー |
・ F-Power |
山口は、もともと中国電力の傘下にありましたが、イーレックスやHTBエナジーなどの大手をはじめ、KDDIや新出光など、全国展開する新規事業者が、数多く名前を連ねています。
また、新規事業者の中には、独自の火力発電所や風力発電所、太陽光発電システムを持つ企業もあります。今後は「各企業の特色」を活かした、契約プランや料金システムが導入されるでしょう。
中国地方の電力自由化|今後、参入予定の企業について
中国地方は、広島や山口など、産業・工業の盛んな県が複数存在します。大規模工場や企業への電力自由化は、既に完了(2000年、2014・2015年)していますが、今後は、家庭用サービス開始とともに、熾烈な価格競争がはじまるでしょう。
今回、紹介した事業者のほかにも、以下の企業が中国地方への新規参入を計画しています。
今後「中国地方」への参入を予定している企業(一部)
オリックス株式会社、株式会社バランスアーツ、パナソニック株式会社、丸紅株式会社、ミツウロコグリーンエネルギー株式会社、パシフィックパワー株式会社、大一ガス株式会社、ワタミファーム&エナジー株式会社、日本アルファ電力株式会社、株式会社イーエムアイ、株式会社アップルツリーほか
みなさんも、お住まいのエリアで「どのような事業者」があるのか、チェックしてみてください。