電力自由化を知る

いよいよ、2016年4月に「電力自由化」が始まります。これに伴い、新電力導入に関するさまざまな告知や、キャンペーンがマスコミや行政を通じて活発に行われています。

電力自由化の基礎知識「誤解されやすい」ポイントを5つ紹介!

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いよいよ、2016年4月に「電力自由化」が始まります。これに伴い、新電力導入に関するさまざまな告知や、キャンペーンがマスコミや行政を通じて活発に行われています。

電力自由化について、誤った情報が氾濫している…!?

実は「電力自由化」という言葉だけが一人歩きして、肝心の「内容」については、知られていないことが多いです。

ここでは、電力自由化について「誤解されやすい」ポイントを5つご紹介しましょう。みなさんも、電力自由化について「間違った知識」が無いか、一緒に確認してみてください。

注意! 電力自由化は、誤解されやすいポイントが多い…

「電力自由化」がスタートしますが、巷では未だ「間違った情報」が出回っているようです。このため、消費者庁では、注意喚起を行っています。

次項では、消費者庁の注意喚起について、ポイントを分かりやすくまとめてみました。

電力自由化で「誤解されやすいポイント」は5つ!

以下は、消費者庁の注意喚起を簡略化したものです。電力自由化の流れで誤解されやすいポイント(5つ)ですが、どれも答えとしては間違っています。

みなさんも「電力自由化」で、誤解している点が無いかどうか、チェックしてみてください。

電力自由化で誤解されやすいポイント5つ!
① 2016年3月末までに契約しないといけない
  ⇒  × 間違い 4月以降でも自由に契約できる
② 新たに電線を立てる必要がある
  ⇒  × 間違い 従来の電線が使えるので、新たな工事はなし
③ 新規事業者は、停電が起こるので危険
  ⇒  × 間違い 安定供給が最優先されるので停電の心配はない
④ スマートメーター設置で、高額な費用が請求される
  ⇒  × 間違い 多くの場合、スマートメーター設置は無料で実施される
⑤ 契約した後、クーリングオフできない
  ⇒  × 間違い 電話や訪問販売で契約した場合、8日間はクーリングオフできる

①〜⑤の内容について、以下で詳しく検証しましょう。

① 2016年3月末までに契約しないといけない

相談

2016年4月から「電力の小売り自由化」がスタートしますが、3月末までに契約する必要はありません。

もし(以前利用していた)事業者と継続契約するなら、何もする必要はありません。また、契約先を見直す場合でも、3月以降も自由に、契約(事業者)の変更が行えます。

二年縛りなど、契約期間をチェックしてから申込をしよう!

無理矢理、3月までに契約する必要はありません。契約を急いで「つい、説明をしっかり見ていなかった…」という方も多いのですが、大切な「契約条件」は、最後まで目を通してください。

もし、分からないことがあれば、納得できるまで調べるか、事業者(契約窓口もしくは、カスタマーセンターに)問い合わせをしてみてください。

契約の中には、二年縛りなど「あらかじめ契約期間の決まった」プランがあります。特に、インターネットやスマートフォンのセット割りを利用される方は、最初に「契約期間」を確認してから申し込みましょう。

(業者にもよりますが)決まった契約期間より、早く解約してしまうと「解約手数料」の掛かるプランがあるので、注意が必要です。

特に最近では、電気だけで無く、ガスやフレッツ光、スマートフォンや携帯電話、プロバイダーなど、いくつかのサービスを2つ〜3つ合わせて、契約するプランが多いです。

「何を申し込んだのか、分からなくなった」という方も多いのですが、きちんと契約先と契約期間をメモしてから、手続きを進めてください。

スマートメーター設置は(工事が)混む場合がある

契約を急ぐ必要はありませんが、スマートメーターの設置は2016年4月以降、申込が集中します。

メーター

特に「電力小売り自由化」が始まる前後は、工事が混みあいます。4月から契約先を変えたい方は、早めに「申込予約」を済ませておいてください。

電力自由化導入前でも、早くから予約を受け付けている企業や、新規事業者は多いです。また、時期によって「申込特典」等も変わってくるので、各事業者のキャンペーンや、サービス内容をよく比較しておいてください。

② 新たに電線を立てる必要がある

電力自由化が始まっても、新しい「電線の設置」は必要ありません。従来の電線を使って配電(電気の供給が)されるため、新たな費用を求められたり、工事費の負担は必要ありません。

気をつけて! 偽事業者による訪問販売

電力自由化を利用して、メーター設置や契約に関する詐欺事件が(ごく稀に)起こっているようです。

消費者庁や各企業のPR活動が盛んなため、詐欺や危険な目に遭う人は少ないのですが、みなさんも「念のため用心」しておいてください。以下のようなケースに遭遇したら、勧誘している相手は「あやしい業者」かもしれません…。

【あやしい業者による、勧誘トラブルの例】

  1. 高額な電線設置費用を求められた。
  2. メーターの設置に数十万の費用負担を要求された。
  3. 2016年3月末までに契約しないと、停電すると言われた。

老女

間違った知識で、消費者を陥れようとする悪徳業者が稀にいます。みなさんも騙されないように(電力自由化について)正しい知識を身に付けてください。

万が一「騙された!」と思われることが起こったり、トラブルに巻き込まれた場合は、最寄りの国民生活センターに相談してみてください。

国民生活センターでは、契約に関する問題の相談、通報、紛争解決を行っています。

全国の消費生活センターは、以下のページから検索できます。ぜひ、不安なことがあれば、電話やメールで相談してみてください。

① 消費生活センター/電話「消費者ホットライン」
② 都道府県別・全国の消費生活センター

また、お住まいの地域によっては、地方自治体(市役所や区役所、町役場)の窓口で、各種相談に応じています。分からないことは、最寄りの役所で相談為てみましょう。

③ 新規事業者は、停電が起こるので危険

停電

新規事業者の電力を契約しても、後発の会社だから停電するということや、電気の流れが不安定になるということは、ありません。

私たちの生活にとって、電気は欠かせない「ライフライン」のひとつです。電気・ガス・水道のいずれも途絶えないよう、国や行政、各電気事業者は「安定供給を第一」に事業を進めています。

このため、特定の業者が停電を起こすということは(余程のことが無い限り)考えられません。どうか、不安を感じることなく自分が「使ってみたい」と思える業者と契約を結んでみてください。

価格間競争が理由|間違った噂を広めているのは、同業他社だった?

新電力の導入で、各社競争が激しくなってきています。このため(全ての業者ではありませんが、一部の事業者が)同業他社のサービスについて「A社は停電する」と嘘を付いたり「従来の事業者は、ここが悪いなど」悪い評判を広めるスタッフがいるようです…。

みなさんは、間違った情報、事実に基づかない噂は信じないようにしてください。

④ スマートメーター設置で、高額な費用が請求される

スマートメーター設置は、無料の事業者が多く、電力自由化がはじまるからといって、新たな機器の購入は必要ありません。ただし、設置に際して、契約手数料などを一部負担する必要(業者によって条件)があるので、契約前に「申込内容」を確かめてから手続きを行ってください。

⑤ 契約した後、クーリングオフできない

最近は、電話で「電力自由化」の勧誘をするケースが多く見られます。例えば、現在お使いの携帯電話や、スマートフォンの会社(通信会社)から電話が掛かってきたり、プロバイダー会社から「セット割」の勧誘があるかもしれません。

また、まったく身に覚えのない業者から、電話がかかってくる可能性もあります。

電話

電話がかかってきても、恐れる必要はありません。もし、慌てて契約したり、間違って申し込んだ場合も「クーリングオフ」が適用されます。

クーリングオフとは「一定期間、消費者が一方的に契約を破棄できる」制度のことです。クーリングオフは、電話での勧誘のほか、自宅への訪問販売にも適用されるので安心です。

窓口やネットの契約はクーリングオフの対象外

実は、インターネット経由の申込や窓口での契約は、クーリングオフの対象外となっています。現在、法整備が進められていますが、現状(2016年2月末の時点)では、クーリングオフできないので注意しましょう。

もし、契約のことで困ったことがあれば、経済産業省の専用ナビダイヤルのほか「電力取引監視等委員会」という機関で、迅速に対応をしてくれます。何かあれば迷わず、電話で相談をしてみてください。

契約で困った時には、電話相談してみよう
① 経済産業省 専用ナビダイヤル(TEL:0570-028-555) 
② 電力取引監視等委員会 相談窓口(TEL:03-3501-5725)

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