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消費税10%増税後の電気代への影響と10%適用日と経過措置を解説

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消費税は2019年10月1日に現行の8%から10%に引き上げられますね。気になるのは電気代への影響と、10%適用日、経過措置や軽減税率の詳しい内容です。消費税増税後でも電気代を安くする方法はあるでしょうか。消費税引き上げと、増税対策、引き上げ後の電気代を安くする方法について見ていきましょう。

電気代10,000円なら消費税10%増税後は実質200円の増税

消費税10%増税で少し高く感じても電気代は値上がりしない

消費税は2019年10月1日から10%に引き上げられ、100円の商品を購入するには110円が必要になります。10,000円の商品なら11,000円、100,000円の商品なら110,000円と、金額が大きくなるほど増税の負担を感じやすくなります。では、電気代の場合はどうでしょうか。電気代も同じように、電気使用料金に対して10%の消費税が課税されます。

10,000円の電気代なら消費税が10%分1,000円課税されて、合計11,000円を電気代として支払います。増税分が1,000円もあると、少し負担に感じてしまいますよね。8%のときは10,000円の電気代に対して800円が消費税のため、実質200円ほど高くなるのですが、見た目の印象が3桁から4桁になると、気のせいか値上がりしたように感じます。

電力会社では、電気代に対して増税分の消費税が反映されるのみで、消費税増税に伴う電気料金の値上げなどは行われていません。一見すると、電気代が全体的に高くなったように感じますが、増税の影響だといえるでしょう。

消費税10%に増税後、電気代含む公共料金はしばらく8%を維持

消費税が10%に引き上げられると、普段の買い物はもちろん一気に何でも高くなったように感じられて、買い物しにくくなりますね。ですが、政府は増税後の対策として、8%の消費税率のまま経過措置を取る項目を設けています。電気代を含む経過措置対象項目を見ていきましょう。

電気代は消費税10%増税後も経過措置適用でしばらく8%

消費税増税後の対策として、消費税を現行のままで一定期間据え置く、経過措置が取られることが決定しています。電気代もしばらくの間は消費税8%のままで課税され、一気にすべてが増税するわけではありません。経過措置の開始日は、消費税引き上げが始まる2019年10月1日、終了日ははっきりわかっていません。経過措置が適用になる項目と適用条件は次の通りです。

経過措置項目 経過措置適用条件
1、旅客運賃等
(旅客運賃や入場料金など)
2019年10月1日以降行う旅客運送の対価・映画や演劇を催す場所、競馬場、競輪場、美術館、遊園地などの入場料金で、2014年4月1日から2019年9月30日まで領収しているもの
2、電気料金等
(水道光熱費や電話・灯油料金)
2019年10月1日前から継続して供給している電気、ガス、水道、電話、灯油にかかる料金等で、2019年10月1日から2019年10月31日までの間に料金の支払いを受ける権利が確定するもの
3、請負工事等
(工事や製造、ソフトウェアの請負契約)
2013年10月1日から2019年3月31日までに締結した工事(製造を含む)にかかる請負契約(一定の要件に該当する測量、設計及びソフトウェアの開発等の請負契約を含む)に基づき、2019年10月1日以後に課税資産の譲渡等を行う場合における、当該課税資産の譲渡等
4、資産の貸付 2013年10月1日から2019年3月31日までの間に締結した資産の貸付け契約に基づき、2019年10月1日前から同日以後引き続き貸付けを行っている場合(一定の要件に該当するもの限定)、2019年10月1日以後に行う当該資産の貸付け
5、指定役務の提供
(冠婚葬祭のための施設やサービスの提供)
2013年10月1日から2019年3月31日までの間に締結した役務の提供の契約で、当該契約の性質上役務の提供の時期をあらかじめ定めることができないもので、当該役務の提供に先立って対価の全部又は一部が分割で支払われる契約で(割賦販売法に規定する前払式特定取引に係る契約のうち、指定役務の提供に関係するもの)、2019年10月1日以後に当該役務の提供を行う場合において、当該契約の内容が一定の要件に該当する役務の提供
6、予約販売に係る書籍等 2019年4月1日前に締結した不特定多数の者に対する定期継続供給契約に基づき、譲渡する書籍その他の物品に係る対価を2019年10月1日前に領収している場合で、その譲渡が2019年10月1日以後に行われるもの
7、特定新聞 不特定多数の週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞で、発行者が指定する発売日が2019年10月1日前であるもののうち、その譲渡が2019年10月1日以後に行われるもの
8、通信販売 通信販売で商品を販売する事業者が、2019年4月1日前にその販売価格等の条件を提示し、又は提示する準備を完了した場合で、2019年10月1日前に申込みを受け、提示した条件に従って2019年10月1日以後に行われる商品の販売
9、有料老人ホーム 2013年10月1日から2019年3月31日までの間に締結した有料老人ホームの終身入居契約(入居期間中の介護料金が入居一時金として支払われるなど一定の要件を満たすもの)で、2019年10月1日より前から同日以降も介護に係る役務の提供を行っている場合、2019年10月1日以後に行われる当該入居一時金に対応する役務の提供
10、特定家庭用機器再商品化法(リサイクル法)に規定する再商品化等 家電リサイクル法に規定する製造業者等が、同法に規定する特定家庭機器廃棄物の再商品化等の対価を2019年10月1日前に領収している場合(同法の規定に基づき小売業者が領収している場合も含む)で、当該対価の領収が再商品化等が2019年10月1日以後に行われるもの

2番の電気料金等の部分を見てみると、消費税が引き上げられる2019年10月1日よりも前から継続して供給していることが前提で、2019年10月1日から2019年10月31日までの間に料金の支払いが確定することが適用条件となっています。例えば、2019年3月の時点で契約している電気契約のうち、電気代の支払いが毎月発生していて2019年10月も継続する契約なら、消費税が8%のまま据え置かれることになります。

電気代は経過措置!消費税増税に伴う軽減税率と経過措置の違いを解説

消費税の引き上げに伴い、行われる対策は2種類あります。1つは電気代も適用される経過措置、もう1つは軽減税率です。経過措置は消費税の引き上げがいきなり過ぎずかつスムーズな対応をするためのルールであり、軽減税率は幅広い消費者が利用する特定の品目に対して、消費税負担を軽減する対策です。

軽減税率の対象になるものは、酒類・外食を除く飲料・食品と、週2回以上発行する定期契約する新聞です。軽減税率の対象外とされる外食は、食事の仕方や購入方法により細かく分類されているので注意が必要です。

外食の詳細項目 8%の軽減税率適用になるもの 10%の標準税率適用のもの
ファストフードや
牛丼店など
テイクアウト 店内飲食
コンビニ 弁当や総菜
(持ち帰りとして販売されたもの)
イートインコーナーで飲食するもの
(トレイで席まで運ばれる、食器の返却が必要なもの)
屋台・フードコート 屋台でも椅子やテーブルの設置がない軽食 椅子やテーブルの設置がある
フードコートでの飲食
給食やケータリング 学校給食や有料老人ホームの食事
(1食あたり640円以下、1日の累計額が1,920円以内)
ケータリングや出張料理など
そば・ピザ・ラーメン 宅配や出前 店内飲食

消費税率引き上げに伴う対策のうち、経過措置と軽減税率は内容が異なるものの、2019年10月1日以降、すべてが増税して生活の負担にならないよう取られる対策といえます。

消費税増税後の軽減税率、電気代は除外でもポイント還元の可能性

消費税増税は、日々の生活はもちろん経済にも大きな影響が出ると予測できます。政府は、経済対策としてクレジットカード・電子マネー・QRコードを使った、キャッシュレス決済をした方を対象に、東京オリンピック開催時期までの9か月間5%のポイント還元を検討しています。実現した場合、実際の消費税は10%-5%還元=5%となり、税率が低くなると考えることができます。

残念ながら電気代の支払いは対象外で利用できませんが、家電や家電周辺機器、コード類などを購入するときには使えそうです。また、住民税非課税世帯と2歳以下の子供を持つ世帯には、購入額に一定額を上乗せして買い物ができる、プレミアム付き商品券の発行、地元商店街では自治体ポイントの加算なども検討されています。

軽減税率としてこれらすべて、または一部が実施された場合は、なるべく利用することがおすすめです。電気代に直結するものは少ないですが、5%のポイント還元があれば、実際の税率の半分で買い物ができるため、非常にお得になるからです。10,000円の商品で言えば、10%なら11,000円の支払い、5%還元を受けたとすると、実質10,500円で買ったことになります。消費税5%の時代に戻ったみたいですね!

電気代の消費税は非課税にはならない!安くするなら電力会社を変更

電気代にかかる消費税は、一部非課税になるケースがあります。ですが、一般家庭で非課税になることはありません。もし、消費税増税に備えて、電気代を少しでも安くしたい場合は新電力への乗換えを検討してみましょう!

電気代の消費税が非課税になるケースと課税になるケースを解説

電気代は、一般家庭で使用する場合、課税対象になるもので非課税にはほとんどなりません。ですが国税庁の課税・非課税の判定によると、賃料や共益費の内容に電気・ガス・水道使用量が含まれる場合は非課税、賃料とは別に賃貸人が電気・ガス・水道使用量を収受する場合は課税 としています。

一般的な賃貸住宅や持ち家の場合は、ほとんど賃料や共益費に電気・ガス・水道使用量が含まれないので、電気代は一般的に課税対象と考えることができます。電気代を安くするには節電が最も重要でも、この先の生活でずっと電気代を安くするには、電気料金プランの見直しと新電力への乗換えがおすすめです。

電気代を安くするなら消費税10%増税前の新電力乗換えがおすすめ

電気代を安くしたいなら、既存電力会社から電気代が安い新電力への乗換えがおすすめです。ここで注意しなければならないのは、2019年に消費税が10%に増税することです。電気代は消費税の経過措置の対象項目なので、現行8%のままに据え置くことができます。しかし、経過措置対象になるには、適用条件をクリアしなければなりません。

電気代をはじめとする公共料金の経過措置適用条件は、

  • 2019年10月1日前から継続して供給している電気、ガス、水道、電話、灯油にかかる料金等で、2019年10月1日から2019年10月31日までの間に料金の支払いを受ける権利が確定するもの

と定められているため、2019年10月よりも前に新電力への乗換え手続きをする場合、手続きと送電開始に1ヶ月程度かかることを含めて、遅くても7月~8月には契約しなければ間に合わないかもしれません。すべての新電力で当てはまるとは限りませんが、1~2ヶ月の余裕をもった乗換え手続きが安心です。

消費税10%増税でも電気代は変わらない!料金プランを見直しで対応

消費税が10%に増税しても、電気料金自体は値上げされることはありません。ですが、10%への増税は実際の負担とともに、増税分が見た目でも3桁から4桁となり、ずっしりと重い負担に感じられる気がします。980円と1,000円では実質20円しか違わないのに、1,000円の方がすごく高い印象を受けるようなものです。

政府も経過措置や軽減税率、キャッシュレス決済によるポイント還元や商品券の配布など、増税対策を打ち出しており、どこまで実現するかは未定でも実施された場合は有効活用するに限ります。一時的な対策だとしても、利用分は確実にお得になるからです。それでも増税分で支払う金額を減らし手電気代を安くしたいなら、電気料金プランの見直しをしてみましょう。

ライフスタイルや電気を使う時間帯、全体的な電気料金単価の比較はもちろんのこと、ガスやネット回線、ガソリンなどとのセット契約も含めて比較検討することがおすすめです。もし電気料金プランの乗換えをするときは、なるべく8月のお盆より前に手続きを行い、確実に10月中に電気料金の支払いが確定するよう手配しましょう。

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