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従量電灯とはスタンダードな料金プラン。店舗・工場は低圧電力で節電

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個人が契約する電気料金プランは従量電灯プランが中心で、使用した電気の量により電気料金を支払う仕組みです。店舗や工場の場合は従量電灯でも、低圧電力を使用することが多く契約形態も変化します。従量電灯プランと低圧電力について詳しく見ていきましょう。

従量電灯とは電気の基本プランのこと!従量電灯bとcの違いを解説

従量電灯bとcの違いを解説!それぞれの従量電灯とは?

従量電灯は既存電力会社の電気料金プランの中で、最も契約数が多いスタンダードなプランです。良く見聞きするのは、従量電灯bで、そのほかには従量電灯a、従量電灯cがあります。従量電灯bは、契約アンペア数ごとに基本料金が定められており、10Aあたり280.80円の基本料金がかかります。(15Aなら421.2円、30Aなら842.4円)従量電灯bの電気代はこの基本料金部分と使用した分の電気料金の合計額となります。

東京電力 従量電灯B・Cを参考にすると、従量電灯bは10A~60Aまでの範囲で契約でき、従量電灯cは60A以上の契約が対象のプランです。従量電灯cは個人で6kVA(60A)以上電気を使用する方向けのプランとなり、単位がA(アンペア)からkVA(キロボルトアンペア)に代わります。基本料金は最低6kVAで1,684.8円、8kVAで2,246.4円、10kVAなら2,808.0円になります。

従量電灯bとcは、電気料金単価や基本料金の金額、三段階料金制は同じでも、1度に使用する電力量の大きさによりプランが分かれています。一般的な範囲で電気を使用する場合は従量電灯b、6kVA以上の電気を使用する家庭では従量電灯cを契約します。現状の契約内容は、「電気ご使用量のお知らせ」に契約内容が記載されているので確認してみましょう。

関西電力の従量電灯とは最低料金がある!従量電灯bと料金計算・比較

従量電灯プランには、最低料金の設定がある関西電力提供の従量電灯aがあります。従量電灯bと従量電灯cには基本料金がありましたが、従量電灯aには基本料金なしで代わりに最低料金が定められています。最低料金は最初の15kWhまで334.82円が固定されており、15kWh以上使った場合は、従量制が適用される仕組みです。

関西電力
従量電灯a
単位 料金単価
最低料金(最初の15kWhまで) 1契約 334.82円
電力量料金 15kWh~
120kWhまで
第1段階 1kWh 19.95円
120kWh~
300kWhまで
第2段階 25.33円
300kWh超過 第3段階 28.76円

2018年の二人世帯の各月の電気代を参考に、1日当たりの電気代を計算してみました。政府統計の総合窓口によると、1日の電気代は約300円~500円くらいで推移しており、1日の電気代の平均は、約355円です。従量電灯aの最低料金334.82円は1日当たりの電気代の平均とさほど差が無く、基本料金の代わりに1日分の電気代を支払うと考えても良いでしょう。従量電灯b・cと比べると、15A以上の契約をしている方は、従量電灯aの方が基本料金分がお得になるエリアもあります。

2018年二人世帯の電気代 1ヶ月の電気代 1日当たりの電気代
1月 13,404円 432.3円
2月 14,222円 507.9円
3月 13,534円 436.5円
4月 11,192円 373.0円
5月 9,439円 304.4円
6月 8,286円 276.2円
7月 8,666円 279.5円
8月 10,790円 348.0円
9月 11,354円 378.4円
10月 9,799円 316.0円
11月 8,772円 292.4円
12月 9,719円 313.5円
合計
(平均)
129,177円 4,258.1円
354.8円

オール電化の方は従量電灯よりもオール電化向けプランがおすすめ

従量電灯a、従量電灯b、従量電灯cと、従量制のそれぞれのプランには特徴があり、60A以上の契約もできますが、オール電化の方はどうしたら良いでしょうか。オール電化は夜間に電気を使ってお湯を沸かすので、夜間に電気代が安い方が電気代を節約できます。ですが、従量電灯各プランには時間による料金変動がありません。そのため、既存電力会社で販売しているオール電化向けの電気料金プランを契約することが良く、夜間の電気代を安く抑えることができるようになります。

東京電力のスマートライフなら、各プラン共通で午前1時~午前6時まで、1kWhあたり17.46円です。従量電灯bの第2段階料金26.00円で、1ヶ月に夜間100kWh使用したとして計算すると、第2段階料金は2,600円、夜間のスマートライフは1,746円となり、854円も差があります。年間では10,000円以上も従量電灯bの方が高い計算です。このほかに昼間の電気代も含まれるので、オール電化の方はオール電化向けプランの方が断然お得に利用できるといえます。

低圧電力って何?高圧電力との違いと従量電灯とはどう関係するのか

電気を使用するのは一般家庭のほかに、店舗や工場などもたくさん電気を使います。店舗や工場で使用する家電は業務用が多く、エアコンなども電圧の高いモデルを使用することがあります。やや規模が大きい店舗や工場向けの契約、低圧電力について詳しく見ていきましょう。

従量電灯とは関係深い低圧電力と高圧電力の受電方法の違いを解説!

店舗や工場向けの電気料金プランには、従量電灯のほかに低圧電力と高圧電力があります。低圧電力は家庭用の電気機器よりも大きな電力が必要になる、業務用の電気機器(エアコンや冷蔵庫など)や、工場で使用する機器(ポンプ類やモーター類など)に適したプランです。家庭で使用する家電は100V(ボルト)の電圧で使用しますが、低圧電力は200Vで供給されることが標準であり特徴です。

高圧電力は、ビルや工場向けのプランで、低圧電力よりもっと多くの電気を供給することができるプランです。低圧電力が最寄の電柱に設置される電力会社の変圧器で100Vと200Vに変圧されて供給されるのに対し、高圧電力は電力会社の変圧器の一歩手前で6,600Vのまま、各施設のキュービクル式高圧受変電設備を介して100Vや200Vに変圧されて届きます。

高圧電力は電力会社の変圧器を通さずに供給されるため、低圧電力よりも電力量単価が少し安いことが特徴です。また、利用の目安としては、50kW以上使うかどうかも判断基準となります。

低圧電力 50kW未満の契約電力
高圧電力 50kW以上の契約電力(6kVA以上)

従量電灯とは異なり低圧電力の契約は2種類、電力量単価も安い設定

低圧電力の契約は2種類あり、使用状況に応じて選ぶことができます。はじめから契約電力を決める方法と、使用する電気機器を決めて使う方法があります。東京電力の低圧電力を参考にすると、夏季(7月1日~9月30日)とその他の季節では電力量単価が異なり、全国的にも北海道電力以外で同様に季節ごとの料金が設定されています。

主開閉器契約 契約主開閉器の定格電流値に基づく契約電力を決める方法。1度に多くの電気機器を使用しなければ契約電力を低く抑えることができる。
負荷設備契約 使用する電気機器をあらかじめ設定し、その総容量に一定係数を乗じて契約電力を算定する方法。

基本料金や1kWhあたりの電力量単価は、エリアごとにことなるものの東京電力では夏季が17.06円、その他の季節が15.51円で利用できます。また、電気をモーター類に使用すると、エネルギーの損失が出てしまい従来よりも低い比率になります。これを力率といい、東京電力では力率85%を基準として、増減に対し5%の割引や割り増しの対応を行っています。

基本料金と
電力量単価
料金単価
基本料金 1,101.60円
電力量単価 夏季
(7月1日~9月30日)
17.06円
その他の季節 15.51円

力率の影響を含めて契約電力が50kW未満になることが低圧電力を契約する条件です。わずかでも50kWを超えてしまう場合は、高圧電力の契約メニューを選ぶ必要があります。

低圧電力の申し込み方法は従量電灯とはどう違うのか

低圧電力の申し込みをするときは、全国的に電話やインターネット、電力会社窓口から申し込みが可能です。東京電力の場合はカスタマーセンターでの取り扱いとなっており、申し込みや問い合わせ、解約についてもすべてカスタマーセンターで行っています。

従量電灯プランの場合も全国的に電話かインターネットからの申し込みが主流となっており、新規申し込み・引っ越し・解約・問い合わせなども対応しています。そのため大きな違いはないといってよいでしょう。低圧電力は店舗や工場向けのプランのため、一般家庭で申し込むケースは少なめです。しかし、住まいのエリアの従量電灯bや従量電灯cよりも安くなることもあるので、電気代のシミュレーションを行い必要に応じて申し込むことがおすすめです。

低圧電力は従量電灯とは違い条件がある!しっかりチェックしよう

従量電灯は国内のどこのエリアでも、契約数が最も多い電気料金プランです。同じ従量制でも低圧電力は、一般家庭ではなく店舗や工場向けのプランで、50kW未満の電力使用量という条件があります。50kWよりも多く電気を使用する場合は、高圧電力への切り替えが必要になるので、低圧電力を使用する場合はこの条件をクリアできるか確認が必要です。

一般家庭向けで従量制の従量電灯a、従量電灯b、従量電灯cは、取り扱うエリアが異なるものの、従量電灯bはほぼ全国的(東日本と九州が中心)に誰でも契約できる電気料金プランです。60Aまで契約できるとはいえ、1ヶ月の電気代が高すぎるなら、低圧電力や新電力への乗換えを検討してみましょう。どれくらい電気を使用するかにより乗り換え先は違いますが、今より少しでも電気代を安くするための重要なステップです。

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