1人暮らしの方や、2人暮らしで月間使用電力が少ない家庭では、既存電力会社から新電力会社に乗り換えても、思うように電気代が安くならないことがあります。これは、電力会社により電気料金単価が異なることや、120kWhまでの使用電力に対する割引率が低いことが関係しています。
1人暮らし向け電力会社の選び方とおすすめ電力会社
使用量が少ない方の電気料金プランと電力会社の選び方
それでも何とかして電気代を節約したい場合は、さらなる電力会社の見直しが必要です。単純に電気料金単価だけを比較するのではなく、他のオプションや1人暮らし向け、少人数向けの電気料金プランを比較して、トータル的に今より安くなる電力会社を探すことがおすすめです。
今より安くなる電力会社をピックアップ&比較
電力会社を乗り換えると電気代が安くなると良く言いますが、乗り換え後に確実に電気代を安くしたいなら、しっかりと比較検討しなければなりません。目に見える電気料金単価だけで比較するのではなく、細部までしっかりとチェックすることが必要です。まずは、今の電気代がいくらかかっているのか調べてみましょう。
例えば、現在1ヵ月あたり3,000円の電気代だとしたら、月間2,000円台になるプランを探す、といった感じで探して行きます。2,800円でも、2,500円でも良いので今より安くなる電力会社のプランをピックアップしてください。電力会社の中には1人暮らし~2人暮らし向けのプランを提供するところもあるので、積極的にシミュレーションすると良いでしょう。
電気の使用量が少ない家庭では、電気料金単価が低価格帯で、ポイント還元などのオプションでもお得を感じられることが比較するときのポイントになります。
契約年数縛り・違約金・支払い方法を確認
電力会社の乗り換えを検討するときは、契約年数縛りがあるかどうか、違約金の有無、支払い方法が何らかの方法に限定されていないかを必ず確認してください。特に新電力会社の場合は、1年未満の解約、2年未満の解約などのように、1~2年の単位で契約することが多いです。それを途中で解約する場合は違約金が発生し、1,000円~3,000円程度の違約金を請求されることがあります。
また、支払い方法もクレジットカード限定、口座引き落としのみ、などのように限定されているところもあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。支払うのは電気代だけと思い、あまり支払い方法は気にしていない方もいるかもしれませんが、手間のかかる方法での支払いは毎月となればストレスになります。
希望する支払い方法が選択できない場合は、プラン内容がどんなに気に入っていても契約できないこともあるでしょう。新電力会社の場合は、クレジットカード払い限定の企業が多い傾向なので、カードを所持しているか、所持している国際ブランドが対応しているかなどしっかり確認しておきましょう。
ポイントプログラムと還元率は交換性抜群の高還元を目指す
電気料金の支払い額に応じて、ポイントが付与される電力会社も多いですね。例えば、東京電力エナジーパートナーの場合なら、くらしTEPCOポイントが1,000円につき5ポイント、0.5%還元でもらえます。貯めたポイントは、dポイントを始めとする他社ポイントと交換でき、毎月の電気代が0.5%還元されていることにもなります。
ポイントプログラムがある電力会社を選ぶなら、なるべく高還元で他社ポイントとの交換性が高いものがおすすめです。東京ガスのパッチョポイントは電気代+ガス代1,000円あたり15ポイント、1.5%還元で業界トップクラスの還元率で、dポイント、Pontaポイント、楽天スーパーポイント、Tポイント、WAONポイント、nanacoポイント、miポイントに交換できます。
このように電気料金の割引が緩やかでも、高還元で交換性が高いポイントプログラムがあれば、実質電気料金から1.5%割引きで利用できることになるので、さらにお得感を感じられますね。1人暮らし、2人暮らしだからこそ、ポイントプログラムを活用する方がお得!そう考えることもできます。
メリット重視の選び方で選ぶ電力会社ランキング
1人暮らし、または2人暮らしで共働きの家庭では、あまり電気を使わないため、高い基本料金があるプランや、電気料金単価が東京電力よりも高い、またはお住まいの既存電力会社よりも高いと、高額な出費になってしまいます。電気の使用量が少なくても、できる限りメリット重視で選んだ場合、おすすめしたい電力会社を紹介します。
1.東京ガス
東京ガスの「ずっとも電気1S」は、1人暮らし~2人暮らしで共働き、外出が多い、節約志向の方向けの電気料金プランで、契約アンペアは10~60A、3段階料金で利用することができます。
アンペア数 | 単位 | 料金 | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 280.80円 |
15A | 421.20円 | ||
20A | 561.60円 | ||
30A | 842.40円 | ||
40A | 1,123.20円 | ||
50A | 1,404.00円 | ||
60A | 1,684.80円 |
契約アンペア数が幅広くあるため、1人暮らし~2人暮らしの方で、家電を多く使う場合でも自由に選択できます。家電のうち消費電力の大きなものがエアコンと電子レンジくらいなら20~30Aの契約でも十分でしょう。
第一段階料金 | 120kWhまで | 1kWhあたり | 19.49円 |
---|---|---|---|
第二段階料金 | 120kWhを超え300kWhまで | 24.89円 | |
第三段階料金 | 300kWhを超える | 26.99円 |
電気料金単価も低価格帯で推移しており、特に第三段階料金は、東京電力の従量電灯Bの第三段階料金30.02円よりも3.03円安い設定です。たまに電気を使いすぎた場合でも安心できる料金設定ですね。また、電気料金が0.5%割引になるガス・電気セット割も条件により付帯できるので、ガスとセットにすることも検討すると良いでしょう。
2.Looopでんき
Looopでんきのおうちプランは、基本料金が0円で、使った電気の分だけ電気料金を支払うことが特徴です。電気料金単価も段階料金ではなくエリアごとの一律の料金で、既存電力会社の二段階料金程度の料金単価で利用できます。電気を多く使う方はもちろん、使用量が少ない1人暮らしや2人暮らしの家庭でも、使った分だけ支払うことができるプランです。
エリア | 基本料金 | 電気料金単価 (1kWhあたり) |
---|---|---|
北海道電力エリア | 0円 | 29円(税込) |
東北電力 | 26円(税込) | |
東京電力 | 26円(税込) | |
中部電力 | 26円(税込) | |
北陸電力 | 21円(税込) | |
関西電力 | 22円(税込) | |
中国電力 | 24円(税込) | |
四国電力 | 24円(税込) | |
九州電力 | 23円(税込) |
通常なら500円程度~1,000円前後の基本料金がかかるところ、提供エリアの全てで節約できることは大きなメリットでしょう。また、契約期間の縛りもなく、違約金もないことおから、ペナルティを気にせず利用できます。初めての新電力会社への乗り換え、お試し利用などにもぴったりの電力会社です。
3.HTBエナジー
HTBエナジーの従量電灯B5コースは、基本料金と従量料金が一律5%OFFで利用できることが最大の魅力です。1人暮らしの方、2人暮らしの方にも、無理なく電気代を節約できる電力会社ですね。節約金額は電気使用量により異なりますが、毎月の電気代の負担を確実に減らすことができます。
オール電化向け電力会社の選び方とおすすめ電力会社
オール電化と一般は違う!電力会社は料金比較重視の選び方がベスト
オール電化向けの電気料金プランは、全体的に夜間の電気代が安くなる設定が主流で、電気代が安い夜間に電気給湯器でお湯を沸かし、熱を蓄熱暖房機に貯めるなどしています。電気料金が安くなるのが夜間だけ、土日祝日も安くなる、季節によるプランなどもあり、一般の電気料金プランと同じように比較することが大切です。一般の電気料金プランとの違いは、夜間の電気料金単価の安さが最も異なる点です。
項目 | オール電化向け 電気料金プラン |
一般向け 電気料金プラン |
---|---|---|
メリット | ・夜間の電気代が安い ・土日祝日も安いプランがある ・共働き家庭におすすめ |
・24時間365日一定の電気料金 ・シンプルなプランが多くわかりやすい ・既存電力会社・新電力会社でも選択肢が多い |
デメリット | ・昼間の電気代が高い ・初期費用が高い ・地域によりサービスが異なる |
・夜間でもさほど安くならない |
オール電化の料金プランと一般の電気料金単価を比較すると、オール電化の夜間の電気料金単価は、従量電灯プランの第一段階料金よりも安いことがわかります。
東京電力 従量電灯B |
東京電力 スマートライフ |
|||
---|---|---|---|---|
120kWhまで | 120-~00kWh | 300kWh以上 | 昼間 06:00~25:00 |
夜間 25:00~翌06:00 |
19.52円 | 26.00円 | 30.02円 | 25.33円 | 17.46円 |
電気料金プランを比較するときは、比較サイトの利用が便利で、どのプランが年間どれだけ安くなるかを知ることができます。現状の電気使用状況から安くなるプランをピックアップできるので、お得になる内容にも注意しながら比較検討しましょう。
メリット重視の選び方で選ぶ電力会社と新電力会社2社
オール電化におすすめの電力会社は、夜間の電気料金単価が17.46円(1kWhあたり)になる東京電力のスマートライフプランを始め、23時から翌7時までのナイトタイムが、14.93円になるはぴeタイムRプラン(2019年4月スタート)がある関西電力がおすすめです。はぴeタイムRプランはポイント還元やIH設置で5%割引など、嬉しい特典も満載です。
新電力会社では、昭和シェル石油や、エルピオでんきでも夜間がお得になるプランを提供しています。昭和シェル石油では夜間が23.35円、エルピオでんきは20.5円と20円台で推移しています。
昭和シェル石油 ホームプラン |
区分 | 単位 | 料金単価(税込) |
---|---|---|---|
デイタイム 7時〜20時 |
0kWh〜100kWh | 1kWh | 18.24円 |
101kWh〜150kWh | 23.32円 | ||
151kWh以上 | 28.55円 | ||
ナイトタイム 20時〜翌7時 |
– | 1kWh | 23.35円 |
エルピオでんき 深夜お得プラン |
|
---|---|
電気使用量料金(1kWh毎) | |
6:00〜23:00 | 23:00〜6:00 |
27.50円 | 20.50円 |
ただ、全体的に新電力会社ではオール電化向けのプランが少ない傾向で、あったとしても夜間の電気料金単価が20円台のプランが多いです。今後の値下げとプランの増加が期待されていますが、現状では既存電力会社の方が夜間の電気料金単価を新電力会社よりも3~5円ほど安く利用できます。
電力会社の乗り換えは電気代が安くなる選び方をしよう
電力会社を選ぶときは、対応するエリア、自分のライフスタイルの条件、オール電化かどうかなども含めてトータル的な比較が必要です。1人暮らしや2人暮らしの場合なら、ポイントプログラムや割引なども考慮した選び方が良いでしょう。電気代の支払いで高還元のポイントが貯まるなら、乗り換える方がお得感も大きくなりますね。
オール電化向けのプランは、夜間の割安な電気料金単価も、既存電力会社と新電力会社では料金差があります。エリアによっても差があるため、生活スタイルに合う電力会社選びが電気代節約への近道です。乗り換える前には必ず比較することが良く、細部まで確かめてから契約することがおすすめです。