新電力に乗り換えを検討する場合、新電力会社の電気料金だけで比較することは場合によっては損をすることがあり、おすすめできません。徹底比較する上でも、電気料金単価に加え、ポイント還元率、ガスとセットの割引プラン、発電方法などにもこだわって比較することが重要です。
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電気料金プランの新電力乗り換えは比較サイトとキャンペーンを活用!
新電力は電気料金+オプションで比較が基本
一般家庭が新電力に乗り換えた場合、5~10%の料金差が生じると言われいます。しかしこれはよくも悪くも生じる料金差であり、必ずしも安くなるとは限らないものです。毎日使う電気を少しでも安くするためには、基本料金+使用電力料金+オプションの内容を徹底比較することがおすすめです。
電力自由化に伴い、新電力を比較する内容には電気料金以外のところにも着目され始めています。新しく注目されている部分も含めて、どんな比較が必要なのか見ていきましょう。
電気料金単価の安さで比較
新電力の電力会社を比較するとき、初めにチェックするのは電気料金単価ではないでしょうか。電気料金単価は電気1kWhあたりの料金のことで、既存電力会社では10円~30円台での提供が主流です。新電力の料金プランでは、電気料金単価が、対応する地域の既存電力会社や、現在契約しているプランの単価と比べて安いなら、乗り換えるメリットがあると判断できます。
既存電力会社よりも、いくら安くなるのか、年間電気代にして考えると何パーセント安くなるのかなど、さまざまな見方をして比較すると良いでしょう。例えば、年間電気代を現状と新電力で計算し、月額平均を割り出してどれくらい安くなるかを考えてみてください。月あたり500~1,000円ほど安くなるプランなら、安くなっていることも目に見えるようになりますね。
セット割引とポイント還元で比較する
新電力の中には、ガス、スマホ、ネット回線などと、電力会社をセットで契約することで双方の料金が安くなるプランを提供しているところがあります。すでに契約中のサービスから辿って電力会社を探すことができるほか、比較サイトで自分の条件を指定して探すこともできます。
ガスと電気のセットプランを提供する新電力で代表的なところは、東京ガス、北海道ガス、中央セントラルガス、東邦ガス、大阪ガスで、既存電力会社でも東京電力、中部電力、関西電力、九州電力でセットプランを提供しています。この中でも最もお得なのは東京ガスで、料金割引やポイント還元率でも一歩リードしている印象です。各電力会社で料金のシミュレーションもできるので、セット割にするとどれだけ安くなるのか見てみることをおすすめします。
発電方法で比較する
電力自由化がスタートしてからは、発電方法にこだわる方が増加しており、大きく分けて火力発電、再生可能エネルギー、原子力、その他などを比較する傾向が高まっています。最も注目されているのは再生可能エネルギーで、発電の際にCO2(二酸化炭素)を出さない、水力、バイオマス、太陽光発電は注目度が高いジャンルです。再生可能エネルギーを利用できる代表的な新電力を紹介します。
HTBエナジー | イーレックス | ソフトバンクでんき |
---|---|---|
・ハウステンボスで発電 ・大分県別府市に地熱発電設備が稼働予定 |
・高知県高知市に日本最大級のバイオマス発電施設「佐発電所」を所有 | ・「FITでんきプラン」加入で太陽光や風量発電による電力を使用できる |
HTBエナジーは旅行会社のH.I.Sが作った新電力であり、実際にハウステンボスを利用して発電している様子が公式ホームページからも確認できます。再生可能エネルギーによる電力を使うことは、発電時に発生するCO2(二酸化炭素)を削減することにもなるので、エコ意識の高い方、地球に優しいエネルギーを使いたい方が選択することも増えています。
違約金の有無を確認しよう
新電力には、従来の既存電力会社とは異なり、違約金制度を導入しているところがあります。同時に契約年数の縛りもあり、携帯電話会社の契約年数縛りの電力版と考えていて良いでしょう。ただ、新電力の方が違約金が安く2,000円前後のところがほとんどです。1~2年の契約期間が多いので、初めから年単位での利用を計画しておけば問題ない部分です。
しかし、違約金がある新電力の方が電気料金の割引率が大きい傾向で、違約金の無い新電力の方が緩やかな割引となっていることが多いです。ピタでんと、AIでんきはどちらも基本料金が無料で利用できますが、年間電気代で見ると1,440円の差があります。他の新電力と比較しても違約金がある方が割引率が大きくなるケースが多いので、違約金と割引についても比較した方が良いでしょう。
電力会社名 | 東京電力 従量電灯B |
ピタでん 使った分だけ |
AIでんき 個人向け |
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使用条件 | 30A 26.00円/kWh 300kWh |
25.25円/kWh 300kWh 基本料金0円 |
25.90円/kWh 300kWh 基本料金0円 |
年間電気代 | 101,352円 | 90,900円 | 93,240円 |
違約金の有無 | 違約金なし | 1年未満の解約 2,000円+税 |
違約金なし |
新電力の料金比較はデメリットにも注目
新電力はさまざまな分野の企業が参入し、その特徴も大きく異なるため、電気料金プランもその特徴が色濃く出ることがあります。新電力を比較していくと、それぞれのデメリットも見えてきます。新電力に切り替えるデメリットについて見ていきましょう。
オール電化は変更しない方が良いケースもある
新電力の電気料金プランは、どれも個性的で選び甲斐のあるものが豊富なのですが、実は、オール電化向けのプランは非常に少ない傾向です。新電力でオール電化向けのプランを扱っているのは、エルピオでんきを始め複数社ありますが、エルピオでんきを参考にすると夜間の時間帯が20円台で、東京電力のスマートライフと比べてエルピオでんきの方が3.04円高いことが分かります。
エルピオでんき 深夜お得プラン |
|
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昼間 6時〜23時 27.50円/kWh |
夜間 23時〜翌6時 20.50円/kWh |
昼間の1kWhあたりの料金単価も、エルピオでんきの方が2.17円高い設定になっています。昼間も夜間も東京電力の方が安いため、現状で東京電力のスマートライフを利用している方は、乗り換えない方がお得になるといえます。新電力への乗り換えは電気代を安くすると言われていても、オール電化向けのプランは、全国的に既存電力会社の方が断然安い傾向です。
東京電力 スマートライフS |
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昼間 6時〜翌1時 25.33円/kWh |
夜間 1時〜6時 17.46円/kWh |
プランによっては電気代が確実に安くなるとはいえない
新電力の電気料金プランは、単身者向け、ファミリー向け、大家族向けなどのように、生活のスタイルによっては必ずしも安くなるとは限りません。新電力の料金プランのほとんどは、既存電力会社と同じように、三段階料金を採用しているところが多いです。ですが、多段階の区切りや料金幅が異なるため、場合によっては電気代が高くなることもあります。
新電力のポイントプログラムやその他のオプションが魅力でも、自分の電気使用量で計算すると現状よりも電気代が高くなってしまう、そういったケースもあるので十分な比較検討が必要です。
法人向け新電力契約で50%削減実績も!法人プランを比較
新電力会社の法人プランを比較
ピタでんやLooopでんきは、一般向けの電力提供も行う新電力ですね。実は法人向けの高圧電力の提供は2000年で、一般向けの電力自由化よりも一歩先にスタートした経緯があります。今や新電力への切り替えは、個人・法人を問わず比較が必要不可欠なものとなり、特に法人向けの新電力切り替えは、数十万~数百万単位での電気料金削減につながっています。
法人向け 新電力会社 |
株式会社エネット | Looopでんき | ピタでん |
---|---|---|---|
特長 | 2000年設立 新電力大手として有名 |
2011年設立 法人向け・家庭向け共に急成長中 |
2009年設立 エネットに次ぐシェア第2位 |
法人向けプラン契約で年間電気代50%削減も可能
法人向けのプラン契約ができるのは、多岐にわたるジャンルの法人が対象となっています。
- 病院、診療所、介護・福祉施設、各工場、オフィス・事務所・倉庫、すべての店舗
- マンション管理組合や自治体、不動産関連
- 年間の電気使用量が多く、特に100万越えの方
- 高圧電力を契約している法人
工場などの大量の電力を必要とする法人の場合、従来の電気料金から6.5%削減となり、金額にすると400万円越えの節約ができた例もあります。電気代が高くて困っている、電気代を今より少しでも安くしたい、できればエコな電気を使いたいなどの電気への希望がある法人の方は、新電力を比較してニーズに合うプランに乗り換えることをおすすめします。
新電力の仕組みを理解して最適プランを比較決定しよう
新電力は多ジャンルの企業が参入し、既存電力会社とは全く異なる特徴の電気料金プランも見られるようになりました。電気代は支払うだけではなく、でき料金比較サイトで比較して自分に合うものを契約する時代となり、キャンペーンや割引、特典なども上手く活用する方も増えています。
法人向けのプランも十分な比較をすることがおすすめで、負担を減らしつつ地球温暖化にも貢献できるメリットもあるでしょう。新電力は想像以上に多くの電力会社があるため、1つ1つ見ていくことは大変な作業です。比較するときは便利な新電力の比較サイトを利用して、じっくり最適プランを探すことをおすすめします。