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1ヵ月つけっぱなしの蛍光灯、電気代は約1,000円!種類別に効果的に使おう

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毎日の生活の中で使っている照明器具は、暗い部屋を明るくするほかに、夜間の明るさの確保に欠かせないアイテムです。照明の中でも蛍光灯を使用する家庭はまだまだ多く、蛍光灯の種類もたくさんあります。次世代照明のLEDと良く比較される蛍光灯ですが、かかる電気代と種類について詳しく見ていきましょう。

蛍光灯を1ヵ月つけっぱなしにしたときの電気代と蛍光灯の種類

蛍光灯にかかる電気代を消費電力から計算

蛍光灯にかかる電気代は、蛍光灯ごとの消費電力÷1,000×1時間(使用時間)×1kWhあたりの電力量料金単価で求められます。この場合の電力量料金単価は、既存電力会社の平均的な単価27円を基準に計算します。この計算式では1時間つけっぱなしにした場合の電気代が求められるので、1日の場合は24時間、1ヵ月の場合は1日分の電気代を30日分(30倍)にして考えます。

蛍光灯タイプのシーリングライトで計算

シーリングライトはオーデリックOL001743で考えてみると、6畳~8畳向けで消費電力は110Wです。計算式は、「110(W)÷1,000×1(時間)×27(円)」となり、1時間あたり2.97円の電気代がかかることになります。一般的な家庭内で使う蛍光灯タイプのシーリングライトの場合、1時間あたり約3円として考えても良いでしょう。

1日あたりの電気代は、2.97×24(時間)=71.28円、1ヵ月では、71.28×30(日)=2,138.4円となります。1か月間つけっぱなしにした場合の電気代は、2,000円を超えてくることがわかります。

しかし、家族全員が日中は仕事や学校で過ごし、シーリングライトを使うのは夜間と週末だけの場合、電気を使う時間そのものが5時間~10時間程度になります。電気の使用時間がつけっぱなし時の半分以下になるので、電気代も1,000円以下になると考えて良いでしょう。

蛍光灯に最も電気代がかかるのは点灯時

よく、電気はこまめに消す方が節約できると言いますが、蛍光灯の場合はこまめに消すから良いとは限りません。蛍光灯を使う上で最も消費電力が大きくなるのは点灯するときで、頻繁に点灯と消灯を繰り返していると、つけっぱなし時よりも余分に電気代がかかってしまいます。

家庭内で電気を消すシーンとして、ゴミを出しに5分程度外出する、来客の応対のために数分その場を離れることが挙げられます。このくらいの短時間なら蛍光灯はつけっぱなしにした方が余分な電気代がかかりません。こまめに電気を消す方が電気代を節約できることは間違いではありませんが、消費電力が大きくなる瞬間を考えると、照明の場合は頻繁な点灯をしない方が電気代を節約できます。

また、頻繁な点灯と消灯の繰り返しは、蛍光灯の寿命にも影響します。蛍光灯は点灯時に最も消費電力と負荷がかかるため、頻繁な点灯と消灯の繰り返しは蛍光灯の寿命を縮めてしまうことになりかねません。このように蛍光灯の使い方でも電気代が変化するので、設置する場所や使用頻度により蛍光灯の種類を使い分けることが必要です。

蛍光灯の種類は大きく分けて3種類

普段の生活の中で蛍光灯のサイズやメーカーはある程度知られていますが、種類があることにはあまり触れられることがありません。蛍光灯には大きく分けて3つの点灯方式があり、光の種類も3種類に分けられています。蛍光灯の特徴を生かした設置場所・用途に合わせた使い方をするためにも、具体的な蛍光灯の種類と適した使い方を見ていきましょう。

蛍光灯の種類

蛍光灯は点灯方法の違いから大きく分けて3種類あり、それぞれメリットとデメリットをまとめました。

項目 スタータ式 ラピッドスタート式 インバーター式
メリット ・小さなグローと呼ばれる点灯管を使って点灯
・価格が安い
・スイッチを入れるとすぐ点灯する ・電子回路で構成されすぐに点灯する
・ワット数あたりの明るさが従来品より明るい
・省エネ
デメリット ・点灯までやや時間がかかる
・ちらつきがある
・安定器が重く大きい ・価格が高い

蛍光灯の種類は点灯方式のほかに形状や特性でも分けられます。ベース照明用として直管形、デスクライトとして需要が高いコンパクト形、トイレや廊下など少し暗めのダウンライトに使われる電球型蛍光灯などもあります。このほかに特殊蛍光管があり、用途により特別な加工を施してある蛍光管も活躍しています。

項目 飛散防止膜付蛍光灯 紫外線吸収膜付蛍光灯 ブラックライト蛍光灯 カラー蛍光灯
特徴 蛍光灯の外面に合成樹脂被膜を施してある蛍光灯 蛍光灯からの紫外線放射量を抑えた蛍光灯 可視波長をカット、蛍光作用の強い近紫外線域の波長を効率良く放射させる蛍光灯 単色の蛍光物質を塗布した蛍光灯(赤・青・緑など)
用途 破損時の蛍光灯の飛散を防止・安全確保 衣料や書籍などへの紫外線による色あせ被害防止 鉱石等の鑑定、衣類のシミや汚れの検出 商業施設等の演出、果樹園など害虫対策

蛍光灯の光の種類

蛍光灯の光の種類は大きく分けて3つあります。一般家庭やオフィスで良く使われているのは昼白色で、自然な白い光を放つタイプです。明るさが欲しい勉強部屋やキッチンの場合と、心地よい安らぎが欲しい寝室やリビングでは光の色を変えることがおすすめです。

項目 昼光色 昼白色 電球色
光の色味 青みがかった涼しげな光色
(一般的で自然な色で同じワット数なら昼白色より明るく感じる)
自然な白い光 赤みを帯びて暖かみがあり、リラックスできる光(白熱電球の色を蛍光灯で再現したもの)
おすすめな設置場所 ・キッチン
・子ども部屋
・オフィスなど
・オフィス
・一般家庭
・その他長く過ごす場所
・寝室
・リビング
・和室

ホテルのベッド脇のランプはよく電球色が使われているのはリラックス効果を高めるための工夫で、オフィスや教育関係の施設では昼光色か昼白色が使われており、これらも用途に合わせて選ばれています。

蛍光灯の見分け方

蛍光灯には型番と呼ばれるアルファベットや数字が書かれていて、どんな蛍光灯でどんな色の光なのか、消費電力はどれくらいなのかを知ることができます。一般的には「点灯方式・管長・管径・光式・形・消費電力」の順番で書かれていることが多いです。

例えば、「FLR40SW/M/36」と書かれている場合で考えてみましょう。点灯方式はFLRのためラピッドスタータ、管長は40形、管径はS(32.5mm)、光式は白、形はM(ラピッドスタータ)、消費電力は36Wと読み取ることができます。始めのうちはわかりにくいですが、慣れると簡単にどんな蛍光灯なのか把握できるようになります。

購入するときは型番のメモを持参して、同じ型番のものを購入すれば問題ありません。また、FLR以外の蛍光ランプの型番について紹介します。蛍光灯の型番を見るときの参考にしてくださいね。

型番のアルファベット FL FCL FLR FHF FHC GL
蛍光ランプの種類 直管形蛍光灯
(続く数字は大きさを示す)
円形蛍光灯 直管ラピッドスタート形蛍光灯 直管形 高周波点灯専用環形 殺菌ランプ

LEDと蛍光灯の電気代比較

近年は電気代の節約を目的として、蛍光灯からLEDに切り替えるケースが増えています。LEDは電気代を節約できるほかに、蛍光灯よりも寿命が長いので長期的に電気代を節約できると注目されています。では、家庭用のシーリングライトの場合、蛍光灯とLEDではどれくらい電気代の差が出るでしょうか。12畳対応のシーリングライトで、消費電力と電気代を比較してみます。

項目 消費電力(W) 1時間あたりの電気代(円) 1ヵ月つけっぱなしにした時の電気代(円)
蛍光灯シーリングライト
(12畳対応)
120W 3.1円 2,232円
LEDシーリングライト
(12畳対応)
50W 1.2円 864円

同じ条件のシーリングライトでも、LEDシーリングライトの消費電力は、蛍光灯の半分以下なので電気代も安く済むことがわかります。電気代だけで比較すると、その差はおよそ2.5倍であり、LEDの方が電気代を節約できると言われるのも納得できる結果となりました。

蛍光灯を1ヵ月つけっぱなしにするなら、LEDへの切り替えも検討

蛍光灯はさまざまな種類があり、多種多様な使い方がされています。蛍光灯は種類にもよりますが平均的に6,000~10,000時間程度、点灯できると言われています。6,000時間の場合でも250日つけっぱなしにできる計算です。しかし、1回点灯・消灯をするたびに1時間程度寿命が縮むとも言われているので、実際にはもう少し短いでしょう。

照明をつけっぱなしにする場合は、電気代や照明の寿命を長い目で見てコスパも考えなければなりません。省エネできると話題のLEDと蛍光灯を同じ条件で比較した場合、LEDの方が電気代は約40%節約、照明の寿命は6~10倍に延びます。蛍光灯は今後もさまざまな分野で活躍するものですが、つけっぱなしにするならLEDへの切り替えも検討してみましょう。

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