料理をするときやお風呂に入るとき、匂いや湿度の調整のために換気扇を回しますね。この換気扇は24時間回す方が良く、止めると生活にも悪影響を及ぼします。キッチン・お風呂場・トイレの換気扇を24時間回すメリットと、1ヵ月つけっぱなしにしたときの電気代を見ていきましょう。
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換気扇を24時間回すメリットと1ヵ月つけっぱなしにした時の電気代
換気扇を24時間回すメリット
換気扇は電動なので使えば電気代がかかります。しかし部屋の換気のためには24時間回しておく方が良く、健康にも住宅のためにもメリットがあります。部屋の空気を換気することさまざまな臭いを室外に出すことができます。例えば、キッチンならニンニクを炒めたり、カレーを作ると部屋の中に臭いが広がりますね。この臭いをこもらせないで、屋外に出す働きがあります。
室内の空気を循環させる役割も担うため、家の中の空気をきれいに保ち、カビや結露の発生を予防します。カビや結露の発生を抑えることで、建物の寿命を延ばして衛生的な空気の中で生活できるようになります。また、常に換気しておくことでシックハウス症候群の予防や、ウイルスによる病気も予防する効果が期待でき、健康面にもメリットをもたらします。
キッチン・お風呂場・トイレなどに設置される換気扇に共通するメリットで、特にカビや臭いが気になるお風呂場やトイレは、予防効果を発揮するでしょう。
換気扇にかかる電気代は少額
換気扇が必要とする消費電力は小さく、電気代も少額で済むことがほとんどです。少し換気扇を回したからといって何千円も電気代がかかるようなことはありません。各換気扇の消費電力は3Wほどから30Wくらいが一般的で、他の家電よりもずっと消費電力が少ないです。
トイレの場合で考えると、消費電力は3W程度が一般的です。24時間つけっぱなし、電力量料金単価1kWhあたり27円で計算すると、3(W)÷1,000(Whにするため)×24(時間)×27(1kWhの単価)=1.94円になります。1日24時間つけっぱなしでも約2円ということになりますね。
同じくお風呂場なら12.96円、キッチンの通常モードでも19.44円と、高額な電気代はかからないことがわかります。各換気扇を24時間、1ヵ月(30日)、1年(365日)つけっぱなしにした場合の電気代をまとめたのでチェックしてみましょう。電力量料金単価は、既存電力会社の単価の平均として1kWhあたり27円として計算しています。
各換気扇の電気代比較
項目 | キッチン (省エネモード) |
お風呂場 | トイレ |
---|---|---|---|
消費電力(W) | 30W (5W) |
20W | 3W |
24時間つけっぱなしの電気代(円) | 19.44円 (3.24円) |
12.96円 | 1.94円 |
1ヵ月(30日)つけっぱなしの電気代(円) | 583.2円 (97.2円) |
388.8円 | 58.2円 |
1年間(365日)つけっぱなしの電気代(円) | 6998.4円 (1166.4円) |
4665.6円 | 698.4円 |
キッチン・お風呂場・トイレの換気扇を1ヵ月つけっぱなしにした場合、58.2円+388.8円+583.2円=1,030.2円になります。1ヵ月の電気代はその他の家電で使用した分も含まれますが、そのうち約1,000円が換気扇の電気代だとしたら、メリットを考慮すると決して高すぎる金額ではありません。
キッチンの換気扇は省エネモードを備えているタイプもあるので、省エネモードでつけっぱなしにした場合なら、544.2円と半額近くまで電気代が下がります。住宅に住む人の健康と住宅の寿命を考えるなら、1ヵ月500~1,000円ほどの電気代なら換気扇をつけっぱなしにした方が良い、そう判断できます。
換気扇を止めてしまうことで起こるデメリット
換気扇をキッチンで使うとき、臭いが和らぐと換気扇を止めて使わない方も多いのではないでしょうか。実は換気扇を止めてしまうと、せっかくのメリットが失われてしまい、結果的に電気代も高くなります。これは料理中や入浴中などのように生活に直接関係することなので、デメリットと電気代が高くなる理由を解説します。
臭いの充満と住宅への悪影響
トイレやキッチンは臭いが発生しやすいところです。換気扇を止めてしまうと臭いが室外に排出されなくなるので、室内に臭いが充満し、部屋に臭いがしみついて常に臭うようになります。例えば、タバコの臭いで考えてみると、タバコの臭いが部屋中にしみつき、ヤニで壁紙が黄ばむなどの症状が出てきます。
臭いがしみついた部屋は、タバコを吸わない人にとって臭くて使えない部屋になります。タバコ以外では香水やペットの臭いなどが挙げられます。
結露やカビの発生
換気扇は臭いのほかに湿気を放出する働きも担っています。住宅内の空気の循環をサポートするので、結露やカビの発生を抑制してくれます。お風呂場で考えた場合、換気扇を止めてしまうと浴室内の水滴や湯気が残ってしまい、カビの原因になります。また、各部屋で考えた場合も空気の循環がなくなってしまうため、結露が発生しやすくなります。
結露は1枚のガラス窓にできやすく、そのまま放置しておくとほこりや微生物の温床となりカビが発生します。結露が住宅にしみこんで、木材を腐敗させた場合は住宅の寿命にも影響するので、やはり換気扇を積極的に使う方が良いといえます。
空気汚染の可能性
換気扇のうちキッチンの換気扇は、部屋全体の換気にも大きな影響をもたらします。キッチンの換気扇を止めて、こまめな換気をしなかった場合、さまざまな空気汚染の可能性が出てきます。例えば、インフルエンザなどのウイルスが部屋中に広がることや、花粉やPM2.5が長時間屋内にとどまるなど、人体に悪影響を及ぼすことが増えます。
換気扇を必要なときだけ回す場合との電気代の違い
換気扇を回すときに最も電気代がかかるのは、換気扇が運転開始してから通常の速度で回り始めるまでの時間です。通常速度で回ればそれ以降は、安定した消費電力で推移します。つまり、回し始めの数秒が最も電気代がかかるので、必要なときだけ回す方法は、わずかながら電気代が高くなるといえます。やはり換気扇はつけっぱなしにする方が、電気代が安くなりますね。
今よりさらに換気を良くして電気代を安くするコツ
換気扇を止めてしまうとさまざまな不安要素が増えることになり、最悪の場合、住宅の寿命を縮めてしまう可能性もでてきます。そうならないためにも換気扇を24時間フル活用するなら、より効果的に室内の空気を換気したいものです。今よりもっと換気扇の効果を高める方法を紹介します。
換気扇を定期的に掃除する
換気扇は室内の空気を外に排出するため、汚れていないように見えますが、実際にはとても汚れやすいものです。キッチンの換気扇を例にすると、フィルターが付いている場合は、1ヵ月に1度くらいフィルターを掃除するか交換することがおすすめです。換気扇本体を取り外せる場合は、1年に1~2回の掃除が理想的です。フィルターの交換をまめにすることで、空気が通りやすくなり余分な電力消費を抑えることにつながります。
お風呂場は密室状態で換気扇を回す
換気扇を回すときは、部屋を密室状態にすることが効果的です。部屋の中で空気の通り道が換気扇しかない状態の方が、効果的に換気できるからです。特にお風呂場のように比較的狭いスペースで、湿気の多い場合はぐっと効率がアップします。お風呂場に窓がある場合でも、窓を閉めてから換気扇を回す方が本来の実力を発揮できるようになります。
電気代の負担より換気扇を回すメリットに注目
換気扇を1ヵ月つけっぱなしにしても、電気代は想像以上に安く済むことがわかりました。換気扇を回し続けることで、健康や住宅へのメリットが多くなり、いつでも気持ち良い生活ができますね。しかし、電気代は換気扇ばかりにかかるのではなく、エアコンやその他の家電にもかかるものです。
電気代が気になる、もう少し安くしたい、家にいる時間帯の電気代を安くしたいと思う方は、電力会社の変更を検討してみましょう。オール電化住宅にお住まいの方はもちろん、一般住宅にお住まいの方も自分に合う電力会社と契約する方が、年間の電気代を安くすることができますよ。