2016年4月以降の電力自由化は、一軒家やアパート、マンションだけではありません。事務所や個人商店にも「電力の小売り自由化」が導入されます。
また、私たちが普段よく使うコンビニエンスストアも、電力自由化によって(契約を変更した場合)利用するプランが変わります。
ここでは、事務所や個人商店の「電気代を節約する方法」について説明します。会社やオフィス、個人商店でお仕事をされている方、事業者の方は「電気代節約」の参考にしてください。光熱費をカットすれば、必要な経費が安く済みます。
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オフィスや事務所の電気代は、節電+新電力導入で「安くなる」
節電と「新電力導入」を組み合わせることで、事務所やオフィスの「必要経費」が、大幅に削減できます。事務所やオフィスで最も電気代がかかるのは、照明と空調、OA機器の三点です。
照明器具の節電方法
実は、事務所やオフィスの電気代のうち、約20%〜25%を照明機器が使用しています。現在、使用中の照明が「すべて蛍光灯」という場合は、LEDに切り替えることで電気代が節約できるでしょう。
年間の電気代は、白熱灯が2,500円かかった場合、LEDなら550円程度で済みます。
ただし、照明箇所が多ければ、白熱灯からLEDにすべてを切り替えるのは大変です。LEDの種類にもよりますが、蛍光灯1本あたり1,000円〜2,000円かかるほか、照明器具によっては別途、設置工事が必要です。
この場合、設置をして「何年でもとがとれるのか」計算してみてください。LEDの電気代が1とすれば、白熱灯は約4倍から5倍の電気料金がかかります。
LED設置の目安にしたい!
LEDの設置費用 < 白熱灯の電気代・・・何年でもとが取れるのか?
LED電球の寿命は、白熱20倍〜40倍(メーカーや、電球の種類によって異なる)長持ちしてくれます。交換の手間や費用を考えても、LEDの方が「長期的に見てお得」なのは間違いありません。
初期の設備投資にお金がかかるのですが、長期的に電気代を節約したいなら、事務所やオフィスのLED化を検討してください。
空調の節電方法
最も電気代がかかるのが、エアコンなどの「空調部分」です。オフィス全体のうち、空調に掛かる電気使用量は「約50%」を占めており、空調の節電だけで、電気代は大幅にカットできます。
クールビズなどが取り入れられるようになったのは、環境を意識しているのはもちろん「不要な電気代を節約する」ことにも、意味があります。
ただし、接客やサービスの場で、空調が効いていないのは顧客離れやサービスの低下につながります。
サービス業の方、店舗を経営されている方は、ひとこと「弱冷にしています」と表示をしたり「節電中」などの貼り紙をしましょう。小さな表示だけでも、室温による顧客離れは回避できます。
また、業務上どうしても冷房や暖房の温度が下げられない場合は、こまめにエアコンのクリーニングをするだけでも、節電効果は変わってきます。
最近では、比較的少ない予算でエアコンのクリーニングが受けられます。こまめに清掃や定期メンテナンスを受けるだけで、エアコンの効きは良くなり節電効果が高まります。
このほか、接客の不要なオフィスでは、冷房は27℃前後に設定し、冬場は20℃を目安にエアコンを設定しましょう。1℃下げるだけでも、電気代は約10%節電できるのでお得です。
もちろん、スタッフや従業員の意見もきちんと取り入れ「快適な職場作り」に努めてください。空調は体調管理にも大きく影響してきます。
OA機器の節電方法は、スリープ機能などを上手に使いわけること
OA機器とは、パソコンやコピー機、プリンター、FAXなどの「事務機器」を指します。大量に印刷を行うと、その分多く電力を使用します。電子機器はスリープモードを上手に取り入れ、節電を心がけましょう。
また、オフィスでパソコンを設置している場合は、ディスプレイの明るさを少しだけ落としてみましょう。モニターの明るさを少し下げるだけでも、電気代は約10%〜20%カットできます。
パソコンを使っていない時は、スリープ機能を設定してください。スリープ機能は、シャットダウンや電源をオフにするより、電気代を削減できます。
OA機器は毎日使うものです。こまめな(電源の)切り替えを心がけ、電気代節約に努めましょう。
電力自由化を取り入れて、更なる節約を!
大規模なオフィスビル、企業、大型商店、スーパーマーケットには、既に電力自由化が導入されています(2004年〜2005年頃)。2016年4月からは、それよりも小さな事業所、オフィス、個人商店、家庭向けの電力自由化がスタートします。
電力自由化を取り入れることで、電気代は約5%〜6%の節約が見込めます。また、価格競争が激化していることから、電気代にプラスして、さまざまな付加価値(サービスや還元)が付くようになります。
例えば、電気代の使用量に応じてポイントが貯まる「契約プラン」なら、貯まったポイントで事務用品が買えたり、給油に使えるので、経費の削減に繋がります。
また、マイレージや旅行券に交換すれば、出張費用(エアチケットや滞在費)を浮かすことも可能です。電力自由化で、経費の削減「+αのお得を」手に入れてみてください。
個人商店は、場所によって「電気の使い方」を変えること!
個人商店の場合、業種によって「節電できる箇所」が異なります。飲食店の場合、調理場や飲食スペースの空調を変えるのは(業務上)難しいでしょう…。しかし、定期的にエアコンをメンテナンスしたり、クリーニングするだけでも、店舗内の電気代は節約できます。
また、最近は省エネタイプのエアコンや空調も増えてきているので、古い機器から新しい空調に変えるだけでも、電気代は大幅に削減できます。省エネモードに切り替えられる空調など、日々(家電の)テクノロジーは進化しています。
店舗の設備が古い場合は、エアコンや冷蔵庫、その他の機器の買い換えを検討してみましょう。買い換えても、電気代が安くなれば、その分数ヶ月〜数年で「元が取れる」はずです。
店内と厨房、スタッフルームで設定温度を変える(不要時間はOFFに)
店内の温度を極端に変更すると、大切な顧客が逃げてしまいます。例えば、夏場は暑くし過ぎると、来店者が減ってしまうでしょう。また、冬場寒い店内にはお客が寄りついてくれません。
店内の節電対策は、使う場所や「シーンによって切り替える」ことが重要です。
例えば、店内は涼しく、厨房やバックヤードは「熱がこもらない」ような設計をしたり、上手に扇風機や冷風扇を取り入れることで、節電をしながら、快適な職場(店舗)づくりが行えます。
また、バックヤード(休憩室やロッカールーム等)にスタッフがいない時は、こまめに照明を切るようにしてください。
電力自由化で、利用プランを見直そう(営業時間合わせた契約がGOOD!)
電力自由化がはじまったら、店舗の営業時間に合わせて「利用するプラン」に切り替えをしましょう。例えば、夕方〜深夜営業する店舗なら「夜間電力の安いプラン」を利用してみてください。
また、一日中営業している「24時間型」の方は、使えば使うほど、電気代の値引き率が安くなるプラン(大容量型など)を選びましょう。電気代が多ければ、その分値引き率や節約できる電気代は大きくなります。
一例ですが、利用するプランを変えるだけで、年間5万円〜10万円電気代が節約できた店舗や個人商店があります。みなさんも、普段の節電に加えて、利用するプランを再検討してみてください。
コンビニエンスストアも個人商店と同じ、電力自由化が導入される
大手コンビニエンスストアのセブンイレブンは(2015年の7月)近畿圏内全店舗の使用電力を関西電力から、電気代の安い「東京電力」に切り替えを行い「約2億円」のコスト削減に成功しました。
全ての電気事業者は、コンビニのように「全国展開している企業」との一括契約を望んでいます。なぜなら、大手と一括契約すれば、莫大な電気代や契約費用が入ってくるからです。
このため、コンビニや駅ナカの売店と「一括契約」を結ぼうと(電気事業者の間で)熾烈な競争が繰り広げられました。
個人によるコンビニ経営・電力自由化はどうなる?
コンビニエンスストアを経営されている方も「電力自由化」のニュースが気になるはずです。コンビニエンスストアのような店舗も、2016年4月から電力自由化が導入され、選べる事業者の幅が大きくなるからです。
本社直営型のコンビニは契約方式が異なりますが、個人経営の店舗では「自分で契約体系」が決められます。24時間営業する店舗では、使用量に応じて値引き率が高くなるプランを選択しましょう。
コンビニの平均的な電気代は、月30万円!
コンビニは冷蔵庫や店内の照明、レジ、保温調理器、揚げ物などに使うフライヤー、電子レンジ、コピー機、インターネット端末、ATMなど、たくさんの電子機器を使用します。
コンビニ運営に必要な電気代は「1カ月=約30万円」と、非常に高額です。電気のプランが変わって、月額5%〜6%安くなるだけでも、年間「30万円〜36万円以上」の節約が可能です。
店舗を経営している方はぜひ、コンビニの例を参考に「利用プランの見直し」をしてみてください。
まとめ:節電とプランの見直しで、電気代はどんどん安くなる!
いかがでしたか? 今回は、事務所やオフィス、店舗、コンビニなどの電気代と「節約方法」について説明しました。電力自由化によって「節約できる金額」は大きくなります。節電と合わせて、電気代をかしこくお得に節約しましょう!