電力自由化が始まると、電力に対する意識が変わっていきます。また、世の中の流れが変わると「新電力を導入したい!」という思いも、より一層強くなるでしょう。
ここでは、マイホームや企業における「新電力の導入事例」について説明します。みなさんの生活に合った「電力導入のスタイル」を見つけてみてください。
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電力自由化で「電気料金の考え方」が大きく変わる!
電力自由化が進むと、電気やエネルギーに対する意識が、より大きく開いていきます。過去、電気代を安くするコツは「節電」以外にありませんでした。
しかし、電力自由化が始まると、予算や「使いたいサービス」に合わせて、事業者が自由に選択できるのです。
もちろん「節電すること」は、お金の問題だけでなく、環境保全(エコ)にも影響があります。
これまで、蛇口を開けば水が出るように、電気に関しても「スイッチを押せば、電気が灯る」程度しか意識が向かなかったはずです。
しかし、事業者や使うエネルギーの選択肢が広がると「どのように電力が供給され、妥当な価格はどのくらいなのか」考える機会が増えるでしょう。電力自由化をきっかけに、エネルギーや環境、電気代について考え直してみましょう。
家計に余裕を生む「ムダな電気代をカットする」アイデア5つ!
月々の電気代を低くする方法(アイデア)は、たくさんあります。まず、以下の例を見てください。
電気代を抑えるアイデア5つ!
- 新しいプランで契約をする(契約先の見直し)
- 電力のピークに合わせて、利用プランを変更する
- エコキュートや蓄熱式機器を取り入れる
- 太陽光発電等と併用し、利用する電力をカット
- 節電をする、使う電力を抑える
1〜5の方法を実践すれば、ムダな電気代は、簡単にカットできます。
このほか(電力自由化が始まると)利用毎に貯まるポイントや電子マネーを使って節約できます。また、スマホや携帯の通信費、ガス代との「セットプラン」を使えば、大幅な割引が受けられます。
次の項では、マイホームからマンション、商店、企業、工場の「新電力導入事例」について、順番に見ていきましょう。
マイホームの導入事例|電気代カットの方法は、無限に存在する!
まず「一般家庭」を例に、電気代の割引率や導入事例を見てみましょう。
マイホームの電気代は「平均5%〜6%以上安くなる」のでお得!
マイホームの電気代は、平均5%〜6%安くなります。二年で1万円以上の値引きは当たり前です。中には、2万円以上電気代が節約できる家庭もあるでしょう。
また、事業者や利用するプランによっては、値引き以上に「還元率の大きな」サービスも存在します。
自家発電との組み合わせで、お得度は無限大に!
自家発電(エコキュートや電気給湯器など)との組み合わせで、電気代はより大きく、節約できるでしょう。このほか、ソーラー発電など「環境にやさしい自家発電」システムに、大きな注目が集まっています。
「マイホームの新電力導入事例」は、以下の記事で詳しく説明をしています。本記事と合わせて、参考にしてください。
マンションやアパートなど、賃貸物件にもお得なプランが登場!
マンションやアパートの電気代も、電力自由化で大きく変わります。賃貸物件も、一戸建て同様「個別契約」が認められているからです。
ただ、一括受電契約を結んでいる大型マンションや賃貸物件に関しては、個別契約できないケースが多いので注意しましょう。
一括受電契約を利用すれば、料金は安く設定される
一括受電契約では、高圧電力を契約が行われます。まず、やってきた高圧電流は、マンション内で変電が行われ、その後各家庭に(電気が)供給されます。
一括受電契約は一見「利用者にとってメリットが少なく」見えるのですが、料金設定は安く、利用するメリットは非常に大きいです。
一括受電契約を利用すれば、共有部分の電気代も約4割程安くなります。このため、入居者が払う「管理費」も大幅に削減できるでしょう。実際に、一括受電契約を導入するマンション・アパートでは、住民の電気代負担は少なく済んでいます。
既に「一括受電契約」を導入しているマンションでは、変化が感じにくい…
「以前から一括受電だった」という建物では、大きな変化は現れません。しかし、もともとの電気代が安いので、電力自由化が始まっても「電気代のお得度は同じ」です。
また、電力自由化をきっかけとして、個別契約から一括受電契約に切り替える賃貸物件も多いです。この場合、以前の電気代より支払う金額は少なくなるでしょう。
一括受電契約に切り替える場合、住人の総意がなければ導入できない
賃貸物件が個別契約から、一括受電契約に切り替える場合、必ず住民への説明と「採決」が取られます。
ここで、住民の総意がなければ、一括受電契約の導入は難しくなります。どの管理会社も、勝手に(利用する契約方式を)押し切ることはありません。まずは、同じ建物内の住人とよく話し合って「利用する電力」や契約方式を検討しましょう。
商店やオフィスでも、電気代が安くなる「絶好のチャンス」が到来!
小規模のオフィス、小売店でも、電力自由化が導入されます。中小企業や個人事業主の方も(電力自由化をきっかけに)利用するプランを見直してみましょう。
特に、長時間冷蔵庫を使う店舗、食品保管を行う商店、生鮮食品を扱う場所では、電力使用量が多く、プランの見直しが経費削減に直結します。
もともと、夜間の電力は安く設定されていますが、電力使用量が多ければ、より還元率の高いサービスや、割引率の高いプランを利用する必要があります。
電力自由化は、2000年からスタートしていた
電力自由化は、2016年に突然始まる訳ではありません。実は、2000年より部分的に電力自由化が進められてきました。
2000年は、高層ビルや工場(使用電力20,000V以上)に自由化が導入され、その後、2004年〜2005年には中層ビルや大型商業施設、スーパーマーケット等(使用電力6,000V以上)に、電力自由化が導入されました。
2016年の4月からは、小さな商店(小売店)や一般家庭にも、電力自由化の流れがやってきます。
オフィスの電力自由化も、2000年から始まった
大規模なオフィスや事業者は2000年頃、中規模のオフィスに関しては、2004年〜2005年頃に「電力自由化」が導入されています。
2016年から導入されるのは、中小企業や小さなオフィス、事務所などが該当します。2016年の自由化は「6000V未満」の建物が対象となりますが、実際の受電電圧は「100〜200V」となっています。
6,000V以上は「高圧契約」で、6,000V未満は「低圧契約」になる
20,000V以上の建物は「特別高圧」と呼ばれる契約を結びます。また、6,000V以上の電圧は「高圧」に分類され、大きなオフィスを備えたビルや大型スーパーは、すべて「高圧契約」を結んでいます。
なお、オフィスへの新電力導入については、以下の記事を参照してください。
メモ:コンビニは「低圧契約」となり、2016年の電力自由化に関係してくる
普段よく使う「コンビニ」は、24時間電力を使用しています。一見「高圧契約」に間違えられやすいのですが、実際は「100~200Vの受電電圧」となり、2016年の4月から電力自由化が待たれています。
工場やビル、病院に関しては、安定した供給が最優先される!
(前項でも説明しましたが)受電電圧20,000V以上の工場やビル、病院に関しては、既に電力自由化がスタートしています。最初に(自由化が)開始されたのは2000年頃で、契約規模は徐々に拡大していきました。
工場や大型ビル、病院のほかにも大学や複合施設、官公庁施設、デパートなども、既に「特別高圧契約」の自由化が済んでいます。
テナントビル、中規模のオフィスビル、スーパー、宿泊施設(ホテル等)は、6,000V以上の「受電電圧契約」を結んでいますが、自由化は2004年〜2005年にかけて整備が進められました。
工場やビル、病院、学校など、人が多く出入りする場所や生産性の高い場所、人の生命に関わる場所については、常に安定した(電力)供給が求められます。
特に、病院では「電力の安定供給」が最優先され、電気が止まることは、絶対に避ける必要があります。
工場や企業への電力自由化については、以下の記事を参考にしてください。
まとめ:2016年の電力自由化は、低圧契約がメイン
今回は、2016年以降の電力自由化について、特別高圧(大型施設や工場)、高圧契約(テナントや中規模オフィス)、低圧契約(一般家庭、小売り業等)ごとに説明しました。
私たちの住む、一戸建てやマンション、アパートのほか、小さな商店以外は、既に電力の自由化がスタートしていました。私たちが普段利用するコンビニエンスストアは「低圧契約」となり、電力の自由化が待たれています。
電力自由化によって、私たちの生活は大きく変わっていくでしょう。