電力自由化を知る

生活費の中で毎月必ず必要になる電気代。二人暮らしの場合、どのくらいが平均なのでしょうか。ガス代、水道代を含めて外せない光熱費だからこそ、上手に節約して家計のやりくりをしたいところ。二人暮らしにおける電気代の平均を知るとともに、より電気代の節約を目指しましょう。

新婚や同棲など二人暮らしの電気代の平均はいくら?電気代節約の方法

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結婚や同棲を機に二人暮らしを始めた人の中には、電気代が今までより高くなって驚いたという人もいるのではないでしょうか。
光熱水道費のうち、電気代は半分を占めるといわれています。平均を知った上で少しでも節約できれば、二人が自由に使えるお金も増えるはず。今回はこの記事で、二人暮らしの電気代の平均と節約につながるポイントについてご紹介します。

二人暮らしでかかる電気代の平均

1ヶ月の電気代平均は約1万円

総務省の家計調査によると、二人暮らしの場合、1ヶ月あたりの電気代の平均はおよそ10,000円前後で推移しているようです。
平成24(2012)年以降電気代の平均が上がったのは、東日本大震災による電気代の値上げが影響していると考えられます。

二人以上の世帯・1ヶ月の電気代平均(単位:円)
  2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
光熱費 21,685 21,951 21,954 22,815 23,240 23,799 23,197 21,177 21,535
平均 9,646 9,850 9,591 10,198 10,674 11,203 11,060 10,100 10,312

電気代は光熱水道費の約半分を占める

上記の表からも、二人暮らしでかかる光熱費全体が約2万円なのに対し、電気代は半分を占めていることが分かります。
その他、電気代以外にかかる光熱水道費と言えばガス代と水道代です。
二人暮らしの場合、ガス代は平均5,000~7,000円、水道代は4,000~5,000円程度が一般的といわれています。
ただしガス代は、都市ガスよりプロパンガス(LPガス)のほうが2~3倍高くなるのが一般的です。住んでいるエリアによっては都市ガスの利用ができない場合があるので、ガス代が少し高くなるかもしれません。
プロパンガスの場合は、業者によってもガスの料金は異なります。ただしプロパンガスは自由化がスタートしたため、契約する会社を切り替えることでガス代を抑えられる可能性はあります。

ライフスタイルによって電気代は変わる

一口に二人暮らしといっても、ライフスタイルはさまざまです。二人暮らしでも、勤労者世帯に限った場合の月々の電気代は、二人暮らし全体の平均より若干安いことが分かります。
勤労者世帯の場合、昼間は仕事で家を空けることが多いため、電気の使用量も減るからだと考えられます。

二人以上の世帯(勤労者世帯)・1ヶ月の電気代平均(単位:円)
  2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
平均 9,282 9,456 9,257 9,836 10,504 10,911 10,776 9,622 10,111

働き方によっても電気代に差が出やすい

同じ二人暮らしで勤労者世帯でも、夫婦の場合は家の外で共働きをしているケースもあれば、どちらかが専業主婦(夫)の場合もあります。近年は在宅ワークというケースも増えており、働き方によっても電気の使用量や頻度、時間帯は異なるでしょう。
家の外で共働きをしている世帯なら、昼間は自宅の外に出るため、電気の使用は朝と夜、もしくは休日という形が一般的です。一方、在宅で仕事をしている世帯の場合は、一日中パソコンをつけたり、自宅で過ごす日も多くなるでしょう。家の外で共働きをするより電気消費量は多く、電気代も高くなると考えられます。
どちらかが専業主婦(夫)の場合も、自宅での家の外で共働きをしている世帯より電気の消費量は増えるはずです。

季節によっても電気代は変わる

二人暮らしに限ったことではないですが、電気代は年間を通じて同じにはなりにくいです。湿度・温度が高い夏場はエアコンの除湿・冷房機能を使いますし、梅雨時は洗濯乾燥機の使用も増えやすいからです。
特に電気代が高くなりやすいのが冬場です。暖房器具や洗濯乾燥機の使用はもちろん、日照時間も短いため照明をつける時間も長くなる傾向があります。
1ヶ月あたりの電気代の平均が約1万円というのは、季節の変化による上下も含めての料金と考えたほうがいいでしょう。

住んでいる地域によっても電気代の平均は異なる

降雪量の多いエリアは電気代が高くなりやすい傾向

二人暮らしの電気代の平均は、人口や住んでいる地域の状況によっても異なります。
一般的に、大都市に比べ人口が少ない地域のほうが電気代は高くなる傾向があります。加えて、冬の寒さが厳しい地域ではエアコン以外にもストーブなどの暖房器具の使用が増えるため、都市部よりも電気代の平均は高くなりやすいです。

  大都市 中都市 小都市 小都市・町村
平均 9,693 10,224 10,494 11,311
地方別二人以上の世帯における1ヶ月の電気代平均(単位:円)
  北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄
平均 10,843 11,143 9,629 12,627 10,258 10,729 10,290 11,582 10,148 10,024

二人暮らしの電気代を節約する方法

二人暮らしの電気代は、今の契約内容を見直すことで節約できる可能性があります。

電気代の安い電力会社を探す

電気代の節約をするポイントのひとつは、契約する電力会社を見直すことです。
以前は住んでいるエリアを管轄する大手電力会社と契約するのが一般的だったため、住んでいる地域によって電気代の高い・安いの差が出やすい傾向がありました。電気料金の設定は、北海道電力や東京電力、関西電力など、それぞれの電力会社ごとに異なるからです。
しかし、2016年からスタートした電力自由化により、各家庭で契約する電力会社を選べるようになりました。
新電力と呼ばれる新規参入事業者も多く、全国どこの地域に住んでいても電力会社を変更するだけで今より電気代を安くできる可能性があります。
どの電力会社にするか迷った場合は、インターネットを活用するのがおすすめです。さまざまな電力会社の情報がまとめられた比較サイトもあるので活用しましょう。

電気料金プランを変えて電気代の節約に

今より電気代が安くなる電力会社を探すとともに、電気料金プランも二人暮らしに見合ったものか確認したり、変更したりしましょう。
電力会社によって、電気を使用する特定の時間帯は割引が受けられる場合があります。日中は自宅を空けることが多い家庭なら、夜間の電気使用が割引になるプランを選べば電気代を節約できるでしょう。
電気料金プランを探す際も、自分たちの生活で必要な電気量を計算できるサイトや、電気料金プランの情報を一括比較できるサイトなどを利用するのがおすすめです。

二人暮らしに必要な最低限のアンペア数に下げる

電気料金は一般的に、基本料金と電力量料金とで成り立っています。電力量料金は電気を使った分だけ支払いますが、基本料金は毎月定額です。
契約アンペア数は基本料金に含まれているので、アンペア数を下げることで電気代の節約効果が出ることがあります。
契約アンペア数は、家庭の中で同時に使用できる電流の上限を意味します。契約アンペア数を超えて電気を消費すると、ブレーカーが落ちるようになっています。
アンペア数の設定は、同時にいくつの家電製品を使うかを想定し、それぞれの家電製品で使用するアンペア数を合計して考えるといいでしょう。
二人暮らしの場合、1人が料理で電子レンジ、炊飯器などを使っている間、もう1人が掃除機や洗濯機を使う可能性があります。パソコンやテレビをつけていることもあれば、時間帯によっては照明が必要になることもあるでしょう。その他冷蔵庫やエアコン、冬場の暖房器具の分の余裕も見ておく必要があります。
一般的には、二人暮らしの場合だと45~50A程度必要になることが多いです。
ただし、家庭によっては節約すれば20Aや30Aでもやりくりできるかもしれません。
現在50Aの契約にしていて、40Aほどしか使っていない場合は、契約アンペア数を下げることで電気代の節約になるでしょう。10A下げることで、年間およそ200~500円の節約になるといわれています。
ライフスタイルに合わせて、生活に支障がない範囲の最低限のアンペア数にするのがベストです。

電力会社によってはアンペア数の見直しができないケースも

北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、九州電力はアンペア数によって基本料金が異なります。ですが関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力では契約するアンペア数に関係なく基本料金を支払うしくみになっています。その他、新電力の中には基本料金そのものがないLooop(るーぷ)でんきやソフトバンク・自然でんきなどもあります。
電力会社によってはアンペア数を下げて節約が難しい場合もあるので注意しましょう。

今日からはじめる電気代の節約

こまめなスイッチオフで電気代をカット

二人暮らしでもすぐにでも始められる電気代の節約は、なんといっても使わない家電製品や必要ない照明はこまめにスイッチを切ることです。
一般的に、炊飯器の保温をやめれば1ヶ月約600円、なんとなくつけているテレビは1日1時間スイッチを切るようにすれば年間で約400円の節約につながるようです。
加えて、毎月の電気代の中で、意外と割合を占めているのが待機電力です。年間では5~10%になるともいわれています。電子レンジや炊飯器など、使わないときはプラグをコンセントから抜くようにしておきましょう。
とはいえ、いちいちコンセントからプラグを抜くのは手間ですし、プラグが傷む可能性もあるので、節電タップを活用するのもおすすめです。

電気代に影響を与えやすいエアコンは使い方の工夫を

家電製品の中でも、エアコンは電気消費量が特に多いといわれています。冷暖房シーズンはフル活用することも多いので、エアコンの使い方は電気代に大きく影響を与えるでしょう。
上手に使う手段としては、エアコンを自動運転モードにして、扇風機やサーキュレーターの活用するのがひとつです。扇風機やサーキュレーターによって、効率的に空気を循環し、部屋を冷やしたり温めたりできます。温度設定の目安は夏は28℃、冬は20℃といわれています。
ほかの家電製品と違い、エアコンはこまめにオンオフを入れ替えるほうが、電気代を高くすることがあります。エアコンは起動したときに一番電気を消費するからです。
二人暮らしで、帰宅時間や在宅時間がバラバラの場合、それぞれがこまめにエアコンをつけたり消したりしないよう注意しましょう。家を空ける時間が短時間になりそうなら、あえてつけっぱなしでいるほうがいい場合もあるかもしれません。

二人暮らしの電気代は工夫次第で節約可能

電気代の契約はライフスタイルに合わせてベストな判断を

二人暮らしの平均の電気代は1ヶ月あたり約1万円ですが、各家庭のライフスタイルや季節、住んでいる地域によって変動する部分があります。
とはいえ、二人暮らしでも工夫次第で今より電気代を節約することは可能です。日ごろから待機電力のカットや家電製品の使い方を工夫するだけでも、積み重なれば節約になるでしょう。
より大幅な節約を見込むなら、電力自由化を活用して安い電力会社に変えたり、料金プランやアンペア数の見直しを図るのも有効な手段です。今より安い電気料金で契約すれば、同じ使い方でも自然と電気代を抑えることができるでしょう。電力会社の変更や料金プランで悩んだ際は、情報が豊富な比較サイトなども活用しながら、ライフスタイルに合ったベストな契約に切り替えましょう。

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