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電力会社や電気代プランを比較するときのポイント
電力自由化によって大手電力会社による電気供給の独占が解消されてから、各家庭は自由に電力会社や電気代プランを比較し、契約する電力会社を選べるようになりました。
電力会社同士にも競争が生まれ、それぞれに電気代が安くなるプランや充実したサービスを行う企業が増えています。自分たちの家庭に合った電力会社や電気代プランを選べば、電気代を節約できる可能性が高いでしょう。中には年間15,000円以上の節約につながったケースもあるようです。
比較する際のポイントは次の通りです。
同じ電力会社でも、さまざまなタイプがあり料金プランも異なりますが、自分たちの家庭にとって何を重視するかによって、ベストな選択は変わってくるでしょう。
<比較するときのチェックポイント>
- 電気代のプラン
- 割引・特典
- 違約金や解約金の有無
- 信頼できる電力会社か
- 環境配慮や地域貢献
電気代の料金プランはじっくり比較を
電気代の比較ポイントとして、最もわかりやすく節約に直結するポイントといえば、電気料金プランでしょう。
従来の大手電力会社の料金プランは、契約アンペア数ごとに決められた基本料金と、使用した電気の量によって加算される従量料金とで構成されるのが一般的でした。
基本的に消費電力が多いほど、1kWhあたりの電気代単価があがる仕組みになっていたと考えられます。
ですが、電力自由化によって各社さまざまなプランを提供するようになり、以前と比較しても特色は豊かです。
新規参入した新電力の中には、基本料金が無料のプランや、従量料金の単価が一律のシンプルで分かりやすいプラン、消費電力が多い家庭や少ない家庭向けのプランなどを用意していることもあります。
一律料金タイプでは、電気を使っても使わなくても単価があがる心配はないため、消費電力が多い家庭に適していると考えられます。
基本料金がかからない電力会社を選べば、別荘のように電気を使う・使わないが極端に分かれるケースでも、使用した分だけ支払えるので総合的にみてお得になる可能性があるでしょう。
普段自分たちがどの程度の電気を使用しているかを参考にしながらプラン選びを行いましょう。
新電力は電気代単価が安い傾向
新電力会社では、大手電力会社と同じ料金体系のプランでも、従量料金の単価を安く設定しているケースも多くみられます。
資源エネルギー庁の発表でも、新電力が提供している電気代の単価は、従来より5%程度安い傾向にあるという結果が出ているようです。
どの家庭でも5%安くなるというわけではないですが、電力会社を切り替えた際の節約できる金額の参考にはなるでしょう。
電力会社が供給する電力は従来と同じ送配電網を使用するため、大手電力会社も新電力会社も品質に変わりはなく、停電する心配もありません。これまでと同じ品質の電気が使用できる上に電気代も安くなるのは魅力的といえます。
電気代の料金プランを比較するときは使用量の確認をしておこう
電気料金プランを比較するときは、自分たちの家庭が毎月どのくらいの電気を使用しているかを知っておくことが大切です。
大体の毎月の電気使用量を把握することで、より比べやすくなるでしょう。
オール電化向けの電気代プランも
東京電力や関西電力など、電力会社によってはオール電化の家庭にとってお得なプランが用意されていることもあります。
オール電化の家庭の場合は、既存の契約のほうがお得という可能性もあるので注意が必要です。安易にほかの電力会社に切り替えず、慎重に判断しましょう。
割引や特典も比較ポイントに
電力会社を比較していると、割引や特典制度が充実している電力会社も見つかるはずです。
電気とセットで契約することにより割引が適用される場合や、ガソリン会社が運営する電力会社では給油時の優待特典がつく場合もあります。
割引率や特典内容は電力会社ごとに異なりますが、上手に活用すれば毎月数百円から数千円程度安くなることもあるようです。
携帯会社やガス会社が展開する電力会社の場合は、セット契約にすることで請求の一本化というメリットもあるでしょう。
電気代に応じてポイントがつくケースも
電気代の割引以外に、ポイント付与やマイルとして還元されるなどの特典がつくケースもあります。
たまったポイントは電気代の割引に使える場合や、商品との引き換えなど電力会社によって異なります。
長期契約による電気代の割引
電力会社の中には、長期契約を結ぶことで割引が適用されるケースもあります。
1年、2年など契約期間はさまざまです。
ただし、長期契約では途中で解約をすると解約料や違約金が発生することがあるので、事前に内容をよく確認することが大切です。
電気使用の時間帯別・季節別の電気代割引
電力会社によっては、夜間の消費電力が多い人向けに夜間の割引サービスを行うなど、時間帯別、平日・休日別の割引サービスを設けていることもあります。
その他、電力会社によっては豪雪地帯向けに季節別の料金プランが用意されていることもあるようです。
電気代以外に違約金・解約金も確認を
電力会社を比較するときに注意したいのが、違約金や解約金の有無です。
いくら電気料金が安くても、高い違約金や解約金が発生するとなると、うかつに契約を変更できないでしょう。
違約金や解約金のない電力会社も多いですが、中には最低利用期間が決まっていたり、契約期間に関わらず解約時に料金が発生することもあるので注意が必要です。
電気だけの契約なら違約金や解約金が発生しない電力会社でも、セットで契約する場合は発生するケースがあるので、あらかじめ確認しておくほうがいいでしょう。
比較していて迷ったときは、違約金のないプランを選ぶというのも選択肢のひとつです。
信頼できる電力会社かどうかで比較する方法も
電気の供給は、契約する電力会社によって停電しやすいことも、たとえ倒産してもストップすることもありません。ですが、期間内に新たな電力会社との契約を結ぶ必要が出てくるため、手間はかかります。
電力会社を比較する際は、倒産する心配がないか、企業の実績や知名度、信頼性なども考慮した上で決めるのもひとつです。
親身な対応やサポートが充実度合も比較しよう
ほとんどの場合、何らかの形で電気を使用して生活することになるため、電力会社とは長い付き合いになると考えられます。
トラブルが起こったときや、メールや電話で問い合わせた際、親身になって対応してもらえるかどうかも、信頼という面では大きなポイントになるでしょう。
電力会社によっては、電気以外に水回りや玄関の鍵のトラブルなど、暮らしをトータルでサポートしてもらえる場合や、高齢者の見守りサービスを行っている場合もあります。
その他、スマートメーターと連動して、インターネットから30分ごとに自分たちの家庭の電気使用状況を把握できるサービスを行っている会社もあります。日々、どのくらい電気を使っているかが把握しやすくなれば、さらなる電気代節約にも効果が生まれるかもしれません。
サービス内容や料金については企業ごとに異なります。比較して自分たちの家庭に必要なサービスを得られる電力会社を選びましょう。
比較で迷ったときは環境配慮や地域貢献で選ぶのもひとつ
電気代の比較で悩んだときは、応援したい電力会社を選ぶという選択肢もあります。
電力会社によって発電方法はさまざまですが、中には環境への影響を考え再生可能エネルギーや、LNG(天然ガス)を活用した発電に取り組んでいることもあります。
再生可能エネルギーには、水力発電や風力発電、太陽光発電、バイオマス発電などを取り入れた発電方法などがあります。LNG(天然ガス)はCO2の排出量が少ない発電方法といわれています。
他にも、利益を地域や文化に還元している場合や、地域で発電し地域で消費する電力の地産地消タイプの会社、節電に結び付くようなサービスを提供している電力会社もあります。それぞれの特色を知り、応援したいと思う電力会社を選んでもいいでしょう。
ただし、前提として自分たちの暮らせるだけの電力量も必要です。
自社発電所での発電を行っている会社や再生可能エネルギーを使用する電力会社の場合は、十分な発電量があるかどうかもチェックしましょう。
発電方法(電源構成)の開示
環境への負荷を考慮して電力会社を選ぶのであれば、発電方法を開示しているかどうかを比較するのもひとつです。発電方法は、電源構成、エネルギーミックスとも呼ばれます。
一部の電力会社では、供給している電気がどのような発電方法で作られたかを開示していることがあります。
開示することは義務ではないため非公開の場合もあるのが実情です。ですが、環境改善に取り組んでいると謳っている会社が本当に努力しているかは、実際の発電方法を教えてもらわなければわからない部分があります。
開示している会社であれば信頼性にもつながるでしょう。
代表的な新電力の電気代プランの比較
多様な分野の企業が新規参入。特色もさまざま
電力自由化により、新電力と呼ばれる事業者が数多く参入しています。
中でも、一般的に人気があるとされる電力会社の電気代プランについて、特徴を一覧表で比較してみました。
特徴 | 違約金 | 割引・特典 | 電力供給エリア | |
---|---|---|---|---|
Looopでんき |
|
なし | なし | 北海道・東北・東京・北陸・中部・関西・中国・四国・九州 |
まちでんき |
|
なし | 楽天ユーザーへの各種特典 | 北海道・東北・東京・中部・関西・中国・九州 |
HIS電気(HTBエナジー) |
|
1年未満の解約は2,000円(税別) ※一部の例を除く |
なし | 北海道・東北・東京・中部・関西・中国・九州 |
ソフトバンク自然でんき |
|
なし | スマホ・携帯・インターネットとのセット割 | 北海道・東京・中部・関西 |
auでんき |
|
なし | auスマホとのセット割、キャッシュバック | 北海道・東北・東京・北陸・中部・関西・中国・四国・九州 |
じぶん電力 |
|
要確認 | 契約期間中は発電設備の全メンテナンスが無料 | 北海道・東北・北陸・中部・関西・中国・四国・九州 |
東京ガスの電気 |
|
なし | 電気やインターネットとのセット割・トリプル割、ポイント付与や各種特典、2年間無料の駆け付けサービス等 | 東京 |
ENEOSでんき |
|
なし |
給油割引特典 (車に乗らない人はポイント付与や提携カード特典) |
東京 |
昭和シェル石油の選べる電気 |
|
なし | 給油時の割引特典 | 東京 |
まちエネ |
|
なし | 電気代に応じてポイント付与、クーポンや映画チケットの割引特典等 | 東京 |
myでんき |
|
なし | なし | 東京・中部・関西 |
eo電気 |
|
あり ※金額は契約内容により異なる |
セット契約による電気代割引 | 関西 |
電気代節約には比較サイトの活用がおすすめ
比較サイトで簡単に電気代のシミュレーションが可能
電力会社や電気代プランの比較は、インターネットの比較サイトを活用するのも有効な手段です。
電力自由化によって、新たに新電力も合わせると利用できる電力会社は100以上にもなるといわれており、一社ごとに情報を集めて比較するのは大変な作業だからです。
比較サイトなら情報を入力すれば簡単にシミュレーションができるはずです。
電気料金比較サイトを利用するときの注意点
電気代で比較せず普段の使用量に注目を
比較サイトでシミュレーションをする際は、検針票に記載されている電力使用量を入力しましょう。
月々の電気代は、割引や燃料調整費など変動する部分も含むため、比較に使用すると誤差が生まれやすいからです。
複数のサイトを比較する
同じ電気料金の比較であっても、掲載している電力会社の数が違うため、サイトごとにシミュレーションの結果が若干異なる場合があります。
ひとつのサイトの結果では不十分な可能性があるため、できれば複数の比較サイトを利用して検討するほうがベターです。
電気代プランが決まったら変更手続きを
手続きは切り替え先に申し込むだけでOK
電力会社の切り替えは、新たに契約する電力会社に申し込むだけでOKです。現在の電力会社への解約手続きも、切り替え先の電力会社が行ってくれるので、面倒な手続きや特別な工事は必要ありません。
申し込み方法は電力会社ごとに異なりますが、店舗の申し込み以外に、電話やインターネットなどからできるのが一般的です。
申し込み時には、検針票に記載されている現在契約している電力会社のお客様番号や、供給地点特定番号と、本人確認書類、切り替え希望日を伝えることが多いです。あらかじめ準備しておくといいでしょう。
電力会社や電気代プランの切り替えに時間がかかるケースも
解約をして契約の申込みをしても、すぐに電気料金プランが変わるわけではありません。切り替え先の電力会社の指定する日時から契約が自動的に開始となります。
申し込みから契約開始までは電力会社ごとに異なりますが、ある程度の日数が必要です。余裕を持った申し込みがベターです。
特に、スマートメーターが未設置の場合は、設置まで日にちがかかる場合があります。
スマートメーターの工事については、無料ででき、電力会社が自宅に入ることもなく完了します。もし工事費用がかかるといわれた場合は、信頼できる業者かどうかもう一度確認しましょう。
ライフスタイルと比較して電気代プランの検討を
比較サイトを活用して今より電気代の節約へ
多種多様な電力会社がある現在、電気代のプラン選びは単純に料金を比較するだけで節約につながるとも限りません。比較するときに、どんなポイントを重視するかによっても、相性のいい電気代プランは変わってくるでしょう。
数ある電力会社や料金プランを一つずつ比較するとなると、時間も手間もかかるため、ときにはインターネットの比較サイトを活用するのも有効な手段です。
自分たちのライフスタイルや普段の消費電力を把握し、それぞれの電力会社や電気代プランを細かくチェックしながら、ベストなプランを選択しましょう。