月々の電気代の内訳
電気代は3つの料金から構成される
毎月の電気代は、大きく分けて
- 基本料金
- 電力量料金
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
という3つの料金から構成されています。一人暮らしでも、何人家族がいても構成は変わりません。
その他、オール電化プランの契約や、ガスやほかのサービスとのセット契約、口座振り込みにした場合など、契約内容によっては割引が適用されることもあります。
基本料金は毎月固定の電気代
電気代の内訳のうち、基本料金は毎月定額が加算される料金です。基本的には契約しているアンペア数によって一律の金額が加算されます。
基本料金の金額は、利用する電力会社ごとに設定が異なります。Looopでんきのように、電力会社によっては基本料金が0円というケースもあります。
東京電力や中部電力では契約するアンペア数が大きいほど基本料金も高くなります。ですが、関西電力や中国電力、四国電力、沖縄電力などは、アンペア数ではなく契約プランごとに基本料金が決まっています。
基本料金は毎月固定なので使用した電気料によって料金が変わることはありません。
電力量料金は使った電気の量に応じて支払う電気代
電力量料金は電気代の内訳の中でも1ヶ月の電気代の高い・安いを左右する部分といえます。
一般的に電気使用量が多ければ多いほど電気代が高くなり、少なければ少ないほど安くなることが多いからです。
電力量料金は、1kWhあたりの電力量単価に1ヶ月の間に使用した電気量をかけた金額と、燃料費調整額を加算、もしくは差し引いて算出するのが基本です。
1ヶ月で使用した電力量料金とは、1kWhあたりの電力量料金単価に使用した電力量をかけあわせた金額です。1kWhあたりの電力量単価は電力量料金計算の基準となる金額です。
ただし、契約する電力会社によって料金体系は異なります。
電力量に応じて段階的に単価があがる従量電灯制を適用している電力会社もあれば、中には朝や夜の時間帯は割安になる料金プランを選択できる場合もあります。
従量電灯制についても、大手電力会社は3段階の設定が主流ですが、新電力の中には10段階と細かく分かれている場合もあります。
電力量料金は、使った電気の量を表す料金なので、前月や数か月分の電気代を比較するなど、電気代の見直しをしたいときにも使いやすい存在です。
燃料費調整額の役割と算出方法
燃料費調整額は,、燃料の価格変動に応じて電気代を調整する費用です。
算出方法は燃料調整単価×電気の使用量をかけあわせたもので、毎月自動的に調整されます。
電気をつくりだすには燃料が必要です。
燃料は原油、LNG(天然ガス)、石炭などさまざまですが、どの原料もほぼ輸入に頼っているため、市場や為替によって燃料価格が変動しやすい面があります。
燃料費調整額は、燃料価格が為替などの影響を受けて変動した分を調整し、電気料金に反映させる仕組みといえます。
具体的には、電力会社が購入した燃料価格が、基準価格を上回った場合は電気料金にプラスされ、下回った場合はマイナスされるという仕組みになっています。
1か月あたりの電気使用量が同じ場合でも、請求金額が変わることがあるのは、燃料調整費が影響していることが多いです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の内訳
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギー固定価格買取制度によって生じた費用を、利用者が使用量に応じて、電気代の一部として負担するものです。
算出方法は、毎年国から設定される再生可能エネルギーの単価に、1ヵ月の使用電力量をかけた額となります。
1kWhあたりの単価は全国一律です。
再生可能エネルギー固定価格買取制度の概要
再生可能エネルギー固定価格買取制度は、FIT(feed-in tariff)とも呼ばれ、再生可能エネルギー発電の普及を目的に2012年から導入された制度です。
対象となる再生可能エネルギーは、太陽光発電、水力発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電の5つです。
元々、電力会社には、再生可能エネルギーによって発電された電気を一定期間、一定価格で買い取ることが義務付けられています。
ですが、発電された電気を買い取りするには、ある程度の費用が必要であり、すべてを電力会社に負担させると負担が大きくなります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電力会社の負担を減らし、再生可能エネルギーを普及するための料金です。
自宅の家電製品が占める電気代の内訳
電気代の内訳のうち、使用した電気量に応じて料金が算出される電力量料金は、家電製品の使い方によっても毎月の電気代が左右される可能性があります。
日々の生活の中で、どういった家電製品が電気代に影響を与えやすいかも知っておきましょう。
年間を通してエアコン・冷蔵庫・照明の電気代が高め
一般的に、家電製品の中でエアコンや冷蔵庫、照明は、電気使用量の内訳の多くを占める傾向があるようです。
資源エネルギー庁が出した統計によると、エアコンを冷暖房として使う機会が多い地域では、1か月の電気代のうちエアコンの電気代が夏場は58%、冬場の30%ほどを占めるという結果が出ています。
その他、冷蔵庫は1年中24時間稼働する家電製品であることや、照明は日常的に使うため電気使用量が増えやすく、電気代が高くなりやすいと考えられます。
夏場 | 冬場 | |
---|---|---|
エアコン | 58% | 30% |
冷蔵庫 | 17% | 11% |
照明 | 13% | 6% |
住んでいる地域や家庭状況も電気代の内訳に影響する
1ヶ月の電気代の内訳は、住んでいる地域や家庭状況も影響を与える可能性が高いです。
例えば積雪の多い地域では、冬場はエアコンのほかにガス・灯油ストーブの電気代が内訳の多くを占めることもあります。夏場も、エアコンの電気代がほかの地域ほど高くならないこともあるでしょう。
ほかにも、食器洗い乾燥機や電気便座、エコキュートなどを使用している家庭の場合は、使い方次第で電気代の内訳の一部を占める可能性があります。
電気代の内訳から考える節約方法
電気代がどのような費用で構成されているか、電気代に影響を与えやすい家電製品の内訳がわかったところで、普段の電気代を見直してみましょう。
節約につながるポイントが見つかるかもしれません。
電力会社の切り替え、契約内容の変更
電気代の節約には、電力会社や契約内容の変更で効果が表れる可能性があります。
2016年から始まった電力自由化により、東京ガスや楽天など、さまざまな業種の企業が電力供給を行っています。
日々節約に努めているという家庭の場合も、切り替えを行えば今と同じ使い方をしながら自然と節約になるかもしれません。
電力会社ごと変えるのは難しいという場合も、料金プランを変えるとお得になることがあるので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
電力会社や料金プラン選びで迷ったときは、インターネットの比較サイトを活用すると便利です。知りたい情報も見つかるはずです。
契約アンペア数を下げるのも効果的
契約アンペア数が基本料金に関係している家庭であれば、容量を小さくすることが電気代を下げるのにつながるはずです。
必要な容量より多いアンペア数で契約しているなら、下げることで簡単に節約につながるはずです。
適性アンペア数は家族の人数によって異なりますが、同時に使用する機会の多い家電製品のアンペア数の合計が契約アンペア数より少なければ、容量を下げるほうがいいかもしれません。
古い家電は思い切って買い替えも視野に
電気料金の内訳で大部分を占めることが多いエアコンや冷蔵庫などの家電製品は、思い切って買い替えることが電気代を下げる効果を生み出すことがあります。
家電製品は年々省エネ化が進み、新しいものほど消費電力量も下がることが多いからです。
照明に関しては、1つ当たりの電気代はそこまで高くない場合が多いため、見逃しがちかもしれません。
ですが、家庭にある照明をすべてLEDに変えると以外と省エネ・節約につながる可能性があります。
ほかの家電製品と比べ、比較的1つ当たりの単価が安く、買い替えのハードルは低いほうと考えられます。まずはできるところから見直してみるのがおすすめです。
ただし、同じ大きさ、能力の家電製品でもメーカーによって消費電力量や省エネ性能は異なります。
買い替えをする際は省エネ性能を表す星の数をチェックしたり、いくつかの機種を比較するなどしてじっくり検討しましょう。
年間の平均電気代 | 節約できる金額の目安 | |
---|---|---|
エアコン | 約16,000円~50,000円 | 588円 |
冷蔵庫 | 約8,400円~10,000円 | 620円 |
照明 | 1台あたり約3,200円 | 2958円 |
その他、洗濯乾燥機は年間平均約9,500円~23,000円と比較的高めですが、買い替えをした場合、5,600円の節約につながる可能性もあるようです。
こまめなメンテナンスも電気代節約に効果的
家電製品によっては日々の使い方やこまめなメンテナンスが電気代に影響することがあります。
エアコンの場合はフィルターや室外機回りの掃除を定期的に行ったり、冷蔵庫の場合は食品の詰めすぎに注意するなどしましょう。
メンテナンスに関して、家族だけでは手に負えないというときはプロのサービスを依頼するのもひとつの手段です。
電気代の内訳は3つの費用から成り立つ
内訳から契約内容・家電製品を見直して節約の第一歩に
月々の電気代は、主に基本料金と電力量料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金という3つの費用で構成されています。
特に電気代を左右するのは、使用した電気の量を中心に請求される電力量料金です。エアコンや冷蔵庫、照明など家電製品の使い方も影響しやすい部分といえるでしょう。
1年間の電気代の内訳を見比べて、自分たちの家庭ではどの費用が高いのかが分かれば、契約内容や家電製品の使い方を見直すきっかけになるはずです。ゆくゆくは電気代の節約にもつながるでしょう。